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第2話 ノッポさん部隊(2)
駅にかぎらず、当時の公衆トイレというのは、現代の奇麗なトイレとは似て非なるものです。
しかも真夏。その臭いたるやすさまじいもので、用をたすのもたいへん。まして掃除。
でも、それを毎日やっていた人たちもいたわけです。むろん、この時はそんなとこまで頭まわりませんでしたが。
駅にはゴム手袋が4つしかなく、僕たちは4人の実行部隊と、3人の草むしり部隊に別れることになりました。
運命のジャンケン!
ポン!
・・・・・なぜ、こういう時には負けてしまうのでしょう?僕。
しかも、3人乗り、やってないのに。
結局、中を掃除することになったのは、西条くん、久保くん、僕、と、そして新キャラの麻生くん。
新キャラ「麻生」くんの名前は覚える必要がありません。
なぜなら、彼には駐在さんが画期的ニックネームをつけ、生涯そう呼ばれることになったからです。
ゴム手をはめたものの、トイレの前で呆然とたたずむ4名。
「うーん。勇気いるなぁ」
「なんか、こうバリアはってあるよな。夏のトイレ」
「千尋の谷だよなぁ・・・」
4人は口々に、夏のトイレのおそろしさを語りました。
と、躊躇していると
そこにホームから出て来た若い女性がトイレに入って行きました。
しかもこれが半端じゃなく美人でしたので
「・・・・・」「・・・・・」「・・・・・」
これを目で追う西条くんたち。
「よし!ぐだぐだ言ってもはじまんねー!やろう!」
「うん!やろう!すぐやろう!」
トイレへとかけていきます。
しかし、駐在さん。
「こらこらこらこらこらこら!」
「はい?なんでしょうか。僕たちトイレ掃除してきま~す」
「とか言って、お前ら、となりで聞耳たてるつもりじゃぁないだろうな?」
「えっ!」
どうやら図星。
「そ、そんな!駐在さん、き、聞耳たてるだなんて!ちゃんと掃除もしますよ」
なんだ、その「掃除も」って。バレバレ。って言うか、どう聞いても「掃除」がついでで聞耳メイン。千尋の谷が聞いてあきれます。
「あのなぁ。それ犯罪だから。職業柄、見過ごせないから」
「え?駐在さんも聴きたいってことですか?」
「バ、バカヤロー!!!!どういう耳だとそう聴こえるんだ?」
そうこう言っているうちに、女性はトイレを後に。よかったですね。ご無事で。
「あーあ。駐在ぃ。千載一遇のチャンスを・・・」
「馬鹿か!西条。なにが千載一遇だ!なんでこう男子高生ってのは・・・」
こうして、ぶつぶつ言いながらも、僕たちはトイレ掃除開始。
が、少しして、そこへ駐在さんが入って来ました。
「お!こら!駐在ぃ!まさか、掃除してる横で用足そうってイヤガラセじゃぁねーだろーな!”細腕繁盛記”か!てめー!」
「そうだそうだ。てめー、ちょっとチン○、デカいからって自慢しに来たのか?」
これは麻生くん。
繰り返しますが、彼にはこの後画期的ニックネームがつくので、名前を覚える必要はありません。
麻生くんは、小柄でせわしい「口から入るタイプ」で、僕たちの中では、普段は森田くんと同じ「工作班」にいます。
これだけの人数いると、いろいろ役割分担があるわけですね。
僕たちは、この工作班のことを「のっぽさん部隊」と名付けていました。そうです。『できるかな?』の、のっぽさん。
「ん?デカいって?デカいのか駐在?」
西条くんが聞きかえします。
「え!その・・・・こないだ病院でトイレとなりに来た時・・ちょっと見えたんだよ!」
「はぁ?お前、なにのぞいてんだ?」
駐在さん。
「ほ、ほら。隣の芝生は、き、気になるだろうがよっ!」
「あー。お前ら若いからなー。気になるんだよなー。うんうん。覚えあるぞ。俺も」
「そ、そうか。駐在、デカいのか・・・」
西条くん。かなりショックなようです。なんでショックなのかはわかりません。
「うん、でも大丈夫だぞ。麻生。大きさ、たいして関係ないから。お前くらいちっちゃくとも支障ないぞ」
「げ!てめーも見てんじゃん!」
しかも「チ○ポちっちゃい」って公言されてます。麻生くん。
「いや・・偶然目に入ったっていうか。まぁ、そういうコンプレックスって、あるもんだよな。若い時は」
「コ、コンプレックス・・・・」
この言葉で小ささ確定。
「だがな。麻生。チャーリーチャップリンって人を知ってるだろ?」
「ちゃ、ちゃっぷりん・・・・・?」
「うん。チャップリンはな。ちっちゃくて帽子かぶってたけど、世界的人物になったぞ」
いやいや・・・・駐在さん。
チャップリンが小さくて帽子かぶってるのは外見の話であって、そのまま○ンポにあてはめてどーする!?
さらに帽子かぶってることまで公言された麻生くん。たまりません。5章で説明しましたように包○は、男子高生最大の屈辱です。
ひとつとして例えになってません。チャップリン。
僕たちはこの暴挙とも言える引用に一瞬無言になりましたが、言うまでもなく、その後
大爆笑。
「そうかー。あはははははは。麻生、帽子もかぶってたのかぁ?」
「ち、ちっちゃくって・・・帽子・・・ひぃ~」
「わはははははははははは。ちゃ、ちゃっぷりん。さ、酸素足りねー、ケホケホ」
「うっ、呼吸したくねーのに!わははは。トイレで笑わすな!駐在!」
そうです。この日から麻生くんのあだ名は「チャーリー」になったのでした。
当然本人は不満たらたら。屈辱のあだ名です。
「な、なぐさめになってねーよっ!ていうか、なぐさめんな!バカ駐在!」
チャーリーくん。もっともなご立腹でした。
駐在さんは、別にチン○の大きさを自慢しにきたわけではありませんでした。そんな警察官いたら困ります。
駐在さんは、駐在所からゴム手を持って来ていたのです。
「なにもお前らだけにやらせるとは言わん。俺も手伝うぞ」
「え!」
と、感動するかと思いきや
「じゃぁ・・・駐在さん。男便所お願いしま~す。僕たち女子便所行くんで~」
と、逃げようとする僕たちを
「待て待て」
ゴム手で捕まえる駐在さん。
「うっ!うわーーーーー!駐在!ゴ、ゴム手ゴム手!く、口に当たってる!口に!」
あえなく御用。

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駅にかぎらず、当時の公衆トイレというのは、現代の奇麗なトイレとは似て非なるものです。
しかも真夏。その臭いたるやすさまじいもので、用をたすのもたいへん。まして掃除。
でも、それを毎日やっていた人たちもいたわけです。むろん、この時はそんなとこまで頭まわりませんでしたが。
駅にはゴム手袋が4つしかなく、僕たちは4人の実行部隊と、3人の草むしり部隊に別れることになりました。
運命のジャンケン!
ポン!
・・・・・なぜ、こういう時には負けてしまうのでしょう?僕。
しかも、3人乗り、やってないのに。
結局、中を掃除することになったのは、西条くん、久保くん、僕、と、そして新キャラの麻生くん。
新キャラ「麻生」くんの名前は覚える必要がありません。
なぜなら、彼には駐在さんが画期的ニックネームをつけ、生涯そう呼ばれることになったからです。
ゴム手をはめたものの、トイレの前で呆然とたたずむ4名。
「うーん。勇気いるなぁ」
「なんか、こうバリアはってあるよな。夏のトイレ」
「千尋の谷だよなぁ・・・」
4人は口々に、夏のトイレのおそろしさを語りました。
と、躊躇していると
そこにホームから出て来た若い女性がトイレに入って行きました。
しかもこれが半端じゃなく美人でしたので
「・・・・・」「・・・・・」「・・・・・」
これを目で追う西条くんたち。
「よし!ぐだぐだ言ってもはじまんねー!やろう!」
「うん!やろう!すぐやろう!」
トイレへとかけていきます。
しかし、駐在さん。
「こらこらこらこらこらこら!」
「はい?なんでしょうか。僕たちトイレ掃除してきま~す」
「とか言って、お前ら、となりで聞耳たてるつもりじゃぁないだろうな?」
「えっ!」
どうやら図星。
「そ、そんな!駐在さん、き、聞耳たてるだなんて!ちゃんと掃除もしますよ」
なんだ、その「掃除も」って。バレバレ。って言うか、どう聞いても「掃除」がついでで聞耳メイン。千尋の谷が聞いてあきれます。
「あのなぁ。それ犯罪だから。職業柄、見過ごせないから」
「え?駐在さんも聴きたいってことですか?」
「バ、バカヤロー!!!!どういう耳だとそう聴こえるんだ?」
そうこう言っているうちに、女性はトイレを後に。よかったですね。ご無事で。
「あーあ。駐在ぃ。千載一遇のチャンスを・・・」
「馬鹿か!西条。なにが千載一遇だ!なんでこう男子高生ってのは・・・」
こうして、ぶつぶつ言いながらも、僕たちはトイレ掃除開始。
が、少しして、そこへ駐在さんが入って来ました。
「お!こら!駐在ぃ!まさか、掃除してる横で用足そうってイヤガラセじゃぁねーだろーな!”細腕繁盛記”か!てめー!」
「そうだそうだ。てめー、ちょっとチン○、デカいからって自慢しに来たのか?」
これは麻生くん。
繰り返しますが、彼にはこの後画期的ニックネームがつくので、名前を覚える必要はありません。
麻生くんは、小柄でせわしい「口から入るタイプ」で、僕たちの中では、普段は森田くんと同じ「工作班」にいます。
これだけの人数いると、いろいろ役割分担があるわけですね。
僕たちは、この工作班のことを「のっぽさん部隊」と名付けていました。そうです。『できるかな?』の、のっぽさん。
「ん?デカいって?デカいのか駐在?」
西条くんが聞きかえします。
「え!その・・・・こないだ病院でトイレとなりに来た時・・ちょっと見えたんだよ!」
「はぁ?お前、なにのぞいてんだ?」
駐在さん。
「ほ、ほら。隣の芝生は、き、気になるだろうがよっ!」
「あー。お前ら若いからなー。気になるんだよなー。うんうん。覚えあるぞ。俺も」
「そ、そうか。駐在、デカいのか・・・」
西条くん。かなりショックなようです。なんでショックなのかはわかりません。
「うん、でも大丈夫だぞ。麻生。大きさ、たいして関係ないから。お前くらいちっちゃくとも支障ないぞ」
「げ!てめーも見てんじゃん!」
しかも「チ○ポちっちゃい」って公言されてます。麻生くん。
「いや・・偶然目に入ったっていうか。まぁ、そういうコンプレックスって、あるもんだよな。若い時は」
「コ、コンプレックス・・・・」
この言葉で小ささ確定。
「だがな。麻生。チャーリーチャップリンって人を知ってるだろ?」
「ちゃ、ちゃっぷりん・・・・・?」
「うん。チャップリンはな。ちっちゃくて帽子かぶってたけど、世界的人物になったぞ」
いやいや・・・・駐在さん。
チャップリンが小さくて帽子かぶってるのは外見の話であって、そのまま○ンポにあてはめてどーする!?
さらに帽子かぶってることまで公言された麻生くん。たまりません。5章で説明しましたように包○は、男子高生最大の屈辱です。
ひとつとして例えになってません。チャップリン。
僕たちはこの暴挙とも言える引用に一瞬無言になりましたが、言うまでもなく、その後
大爆笑。
「そうかー。あはははははは。麻生、帽子もかぶってたのかぁ?」
「ち、ちっちゃくって・・・帽子・・・ひぃ~」
「わはははははははははは。ちゃ、ちゃっぷりん。さ、酸素足りねー、ケホケホ」
「うっ、呼吸したくねーのに!わははは。トイレで笑わすな!駐在!」
そうです。この日から麻生くんのあだ名は「チャーリー」になったのでした。
当然本人は不満たらたら。屈辱のあだ名です。
「な、なぐさめになってねーよっ!ていうか、なぐさめんな!バカ駐在!」
チャーリーくん。もっともなご立腹でした。
駐在さんは、別にチン○の大きさを自慢しにきたわけではありませんでした。そんな警察官いたら困ります。
駐在さんは、駐在所からゴム手を持って来ていたのです。
「なにもお前らだけにやらせるとは言わん。俺も手伝うぞ」
「え!」
と、感動するかと思いきや
「じゃぁ・・・駐在さん。男便所お願いしま~す。僕たち女子便所行くんで~」
と、逃げようとする僕たちを
「待て待て」
ゴム手で捕まえる駐在さん。
「うっ!うわーーーーー!駐在!ゴ、ゴム手ゴム手!く、口に当たってる!口に!」
あえなく御用。

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- 6章:第3話 ノッポさん部隊(3)
- 6章:第2話 ノッポさん部隊(2)
- 6章:第1話 ノッポさん部隊(1)
止まんない!5章とは別な意味で。
もう許してください。
相変わらず駐在さんとのやり取りが面白い!
なんて言うか、挙げ足取りがうまいですね。笑
麻生くんバッチリ覚えましたw
あ、あげあしとり~?
ひ、ひとぎきの悪い・・・。
すいませんねー。婦女子には読みにくい内容でございまして。
毎度のことですけどね。
この章では、チャーリーくん、キーマンです。
あー。すいませんねー。
コメント返すの逆になっちゃって。
けっして はる21号さんが女子高生だからじゃないですよ。
いくらBlackyさんが1年すべった大学生だからって、そんなことはねぇ。ありませんってば。
でもかわいいんだこれが。
え?いえいえ。浪人した男だからって冷たく扱ってるわけじゃないですよ。
けしてそんな・・・。
やっぱおもしろいわ~。これ。
6章でもパワー落ちてない....
なんでこんなにたくさん書けるか不思議。飽きさせないし。すごいですね。くろわっさん。
これって駐在さんのセリフというより、くろわっさんが若かりし頃の自分たちに向けたセリフですよね。
えっ、僕ですか?品行方正な高校生でしたので、イマイチ彼らの暴走には付き合いきれてませんが、笑わせてもらってますよ!
いやいや。ママチャリは品行方正でしょう。この話の中でも。
だって「不都合なこと書いてない」ですもん。
ね~。まったく男子高校生ってやつは・・・。
チャップリンの話は、わからない「男」、世にいないと確信いたしております。
ぜっったい。
え?僕ですか?えっと~。修学旅行で判明しました。その地位というか・・・比較対象というか・・・。あまり芳しい結果ではなかったんですが・・・。
まぁ。5章からひっぱるとたいへんなんですけどね。構成上は。
でも、中にちょっとだけいい話はいります。
はい。飽きさせません。
麻生くんの悲劇的なニックネームは、本当にヒドイよ~!と思います。はい。
男性にとっては大事なシンボルですから、大きさを指摘されただけで、機能しなくなったりするらしいですからね。まあ、女性から言われた場合に特化されるみたいですが。
でも、ちょっぴり笑ってしまったのでした。
ごめんね。麻生くん
ダイジョーブ!俺もチャップリンだったけど、23のとき自然に脱帽したから。とりあえず、今なら駐在は処分されますね。無思慮に市民に暴言吐いたわけですから。
読みましたヨ。
男にとって非常に重要な事なんですよネ。
帽子をかぶっている上、大きさも・・・。
大丈夫ですヨネ、りっぱに役立てば・・・?
だんだんママチャリさんの下ネタが、感染してきているみたい・・・。
あぶない、アブナイ!!!
yrp7ゆ79rtprf;lt5wす
読み直してるんですが何回読んでも笑ってしまう!
チャーリー頑張れ!
僕のがそうであるように、チャーリーのチャーリーは世を忍ぶ仮の姿であると信じてます!
麻生君って本の2巻で出てきましたね~。
番外編だけど。
まちがえた!!
1巻だ!!
1巻では、2巻で登場と書いてありませした?
思春期のお悩み電話相談には修学旅行の季節になると必ず
同級生に比べて自分のは小さいのではないかというお悩みが寄せられるそうです。
このお悩みに対して権威ある立派なお医者様が
「上から見るより横から見た方が大きく見えるからそのように感じるのですよ」
と穏やかに答えていらっしゃるそうです。
はじめまして。 中学生なんですけど、クラスの男子に水泳の授業で着替えてたらチン0を見られそれ以来、男子に「チャーリー」と呼ばれてます。 「うるせー、てめーのイ0ポより活動が活発だからまだましじゃー。」といいかえしてますが、最近は女子にまで・・・。助けてー。