<おことわり>ここからフィナーレまで、何話連続かわかりませんがリアルタイムにアップしていきます。今年最後となります13章。お楽しみください
皮肉(?)なことに、この週。
クィーンの包帯は完全にとれました。
「治ったんですか?先生」。
「ああ。もう心配ない。みんなよくがんばったな」。
「やった!」「ばんざーーーーい!」
全員マイムマイム。(マイムマイムとは、極めて嬉しい状態のことを言うスラングです)。
なにしろ奇跡的とさえ言われる骨折馬の生存率。
それをひたすらに信じ、祈り続けた時間は、みんなにとってもたいへんな長さだったのです。
それは治療したBJにとっても同じでした。
「君らにはお礼をしてもしきれないくらいだからね。治療費はいいよ」。
「そんな。先生。お支払いはしますよ。それよりご相談があるんですが・・・」。
「相談?」
僕たちは、クィーンの行く末について、BJに一任することにしました。
それが最も公平で、最も正しい結論だろう、と。
そしてその結論は。
やはりバナナちゃんと同じでした。
西条くんは、クィーンの首に抱きついたまま、これを聴いていました。
孝昭くんは、というと。
やはり単純に喜んでいるわけではありません。
← ← ← ← ←
「アンダルシアン?」
「ああ。世界で最も美しい馬と言われてんだ。昔は競馬馬でもたまーに見かけたもんだったぜ。そりゃぁうっとりするほど奇麗な馬だ」。
「ああ・・・どうりで・・・・」。
クィーンが美しいわけだ・・・・。
「でな?お前のとこの馬を引き取りたいと言って来てる」。
「クィーンを・・・ですか?」
「お前らが、Reina・・あ。スペインにいるお前んとこの馬の母馬だな。えっと・・・足を折ったレイナの娘を生かしてくれたことに感動するとともに・・・引取先を探していると知って、どうしてもこちらでひきとらせてもらいたい、と」。
(Reina=スペイン語で女王の意)
「なるほど。そうでしたか・・・」。
組長が続けます。
「でな。もうひとつある」。
「もうひとつ?」
「ああ。こいつはいい話だぞ。お前らの中からひとりをアンダルシアの牧場に招待したい、と言って来てる」。
→ → → → →
「招待?スペインにか?」
「うん。僕たちの中からひとりをアンダルシアに招待するって。旅費いっさいは向こう持ち」。
「すげーーー!」
「うん。すげーーー!」
「どれくらいの間?」
「2ヶ月」。
「に、2かげつぅ~~~?」
「えらく長くないか?」
「うん。実際はね、アンダルシアンの乗馬技術の研修制度みたいなんだ。それに招待するって話」。
世界一美しい馬「アンダルシアン」は、スペインの誇りでもあり、この乗馬技術もまた独自で保存運動もさかんなのです。
「2ヶ月となるとなぁ。さすがに・・・」。
西条くんも腕組みしてしまいました。
「宿題あるしなぁ」。
「しないだろ?お前」。
「勉強もあるし」。
「しないだろ?」
「卒業もある」。
「しないだろ?」
「なんだとおおおおおお!井上ぇ!!!」
「まぁまぁまぁ。井上も、そんなに間髪おかずに言わなくても」。
しかし卒業が近いというのは、3年生には全員同条件。
問題は乗馬研修です。
「うーん。馬なんか乗ったことないからなぁ。誰かある?」
「うーん。女ならなぁ。毎晩イメトレしてんだけど」。
「そりゃ妄想だろ?」
「オカ○だよな。オ○ズ」。
「いや。俺の場合メインディッシュだ」。
あほ。
「騎馬位っ!」
はいはい。
「なんでもいいけど乗馬経験者はいない、と」。
「騎馬位の経験者もいない」。
わかったわかった。
招待者がひとりとあって、さすがに決まりません。
「また西条と孝昭で、ケンカして決めろよ」。
が、西条くん。
「あはは。かんべんしてくれ。あやうく便所まで孝昭といっしょになるとこだった」。
孝昭くんも
「おお。相手が久保じゃなくって助かったぜ」。
それは言えている。
久保くん本人まで強くうなづいています。
「それに俺のほうが強いってはっきりしたし」。
「あんだとぉ!?孝昭ぃ!」
「やんのかぁ?」
「やめとけ。今度は手錠はずしてもらえなくなるぞ!」
もめにもめましたが、結局、誰も招待は受けられない、ということに決まりそうになった時に
グレート井上くんが
「バナナちゃんは、どうなの?」
「え!」「あ?」「ええ?」
「いや。もともとクィーンの足を治したのは、BJとバナナちゃんなんだし・・・。あのコも獣医めざしてるんだろ?いい経験になると思うけどな」
「けど・・・井上ぇ・・・・」。
そうです。
孝昭くんは、バナナちゃんとのデートこそ勝ち得ていましたが、まだ1度として実現しておらず、その直後に2ヶ月の留守となれば堪えます。
孝昭くんは黙っていました。



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皮肉(?)なことに、この週。
クィーンの包帯は完全にとれました。
「治ったんですか?先生」。
「ああ。もう心配ない。みんなよくがんばったな」。
「やった!」「ばんざーーーーい!」
全員マイムマイム。(マイムマイムとは、極めて嬉しい状態のことを言うスラングです)。
なにしろ奇跡的とさえ言われる骨折馬の生存率。
それをひたすらに信じ、祈り続けた時間は、みんなにとってもたいへんな長さだったのです。
それは治療したBJにとっても同じでした。
「君らにはお礼をしてもしきれないくらいだからね。治療費はいいよ」。
「そんな。先生。お支払いはしますよ。それよりご相談があるんですが・・・」。
「相談?」
僕たちは、クィーンの行く末について、BJに一任することにしました。
それが最も公平で、最も正しい結論だろう、と。
そしてその結論は。
やはりバナナちゃんと同じでした。
西条くんは、クィーンの首に抱きついたまま、これを聴いていました。
孝昭くんは、というと。
やはり単純に喜んでいるわけではありません。
← ← ← ← ←
「アンダルシアン?」
「ああ。世界で最も美しい馬と言われてんだ。昔は競馬馬でもたまーに見かけたもんだったぜ。そりゃぁうっとりするほど奇麗な馬だ」。
「ああ・・・どうりで・・・・」。
クィーンが美しいわけだ・・・・。
「でな?お前のとこの馬を引き取りたいと言って来てる」。
「クィーンを・・・ですか?」
「お前らが、Reina・・あ。スペインにいるお前んとこの馬の母馬だな。えっと・・・足を折ったレイナの娘を生かしてくれたことに感動するとともに・・・引取先を探していると知って、どうしてもこちらでひきとらせてもらいたい、と」。
(Reina=スペイン語で女王の意)
「なるほど。そうでしたか・・・」。
組長が続けます。
「でな。もうひとつある」。
「もうひとつ?」
「ああ。こいつはいい話だぞ。お前らの中からひとりをアンダルシアの牧場に招待したい、と言って来てる」。
→ → → → →
「招待?スペインにか?」
「うん。僕たちの中からひとりをアンダルシアに招待するって。旅費いっさいは向こう持ち」。
「すげーーー!」
「うん。すげーーー!」
「どれくらいの間?」
「2ヶ月」。
「に、2かげつぅ~~~?」
「えらく長くないか?」
「うん。実際はね、アンダルシアンの乗馬技術の研修制度みたいなんだ。それに招待するって話」。
世界一美しい馬「アンダルシアン」は、スペインの誇りでもあり、この乗馬技術もまた独自で保存運動もさかんなのです。
「2ヶ月となるとなぁ。さすがに・・・」。
西条くんも腕組みしてしまいました。
「宿題あるしなぁ」。
「しないだろ?お前」。
「勉強もあるし」。
「しないだろ?」
「卒業もある」。
「しないだろ?」
「なんだとおおおおおお!井上ぇ!!!」
「まぁまぁまぁ。井上も、そんなに間髪おかずに言わなくても」。
しかし卒業が近いというのは、3年生には全員同条件。
問題は乗馬研修です。
「うーん。馬なんか乗ったことないからなぁ。誰かある?」
「うーん。女ならなぁ。毎晩イメトレしてんだけど」。
「そりゃ妄想だろ?」
「オカ○だよな。オ○ズ」。
「いや。俺の場合メインディッシュだ」。
あほ。
「騎馬位っ!」
はいはい。
「なんでもいいけど乗馬経験者はいない、と」。
「騎馬位の経験者もいない」。
わかったわかった。
招待者がひとりとあって、さすがに決まりません。
「また西条と孝昭で、ケンカして決めろよ」。
が、西条くん。
「あはは。かんべんしてくれ。あやうく便所まで孝昭といっしょになるとこだった」。
孝昭くんも
「おお。相手が久保じゃなくって助かったぜ」。
それは言えている。
久保くん本人まで強くうなづいています。
「それに俺のほうが強いってはっきりしたし」。
「あんだとぉ!?孝昭ぃ!」
「やんのかぁ?」
「やめとけ。今度は手錠はずしてもらえなくなるぞ!」
もめにもめましたが、結局、誰も招待は受けられない、ということに決まりそうになった時に
グレート井上くんが
「バナナちゃんは、どうなの?」
「え!」「あ?」「ええ?」
「いや。もともとクィーンの足を治したのは、BJとバナナちゃんなんだし・・・。あのコも獣医めざしてるんだろ?いい経験になると思うけどな」
「けど・・・井上ぇ・・・・」。
そうです。
孝昭くんは、バナナちゃんとのデートこそ勝ち得ていましたが、まだ1度として実現しておらず、その直後に2ヶ月の留守となれば堪えます。
孝昭くんは黙っていました。



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- 13章-第74話 孝昭vs西条(4)
あぁいつもどおりの西条&孝昭に戻ってよかったぁ☆井上くんナイスつっこみ!!(爆)
メインディッシュねw主食って言い方じゃない分まだ良かったよw
孝昭くんからは言いにくいだろうからバナナちゃん誘ってあげてね。
初コメントです。
てっきり西条君が行くもんだと思っていました。
確かにこれが原因で卒業できなかったら、
困りますものね。
騎乗位のやり取り最高です。私も高校生の頃なら同じ会話をしたと思います。
才ノヽ∋―_φ(゚▽゚*)♪
久々の登校(o*。_。)oペコッ
スペイン。。。 遠いねぇ~
バナナちゃんが騎乗位の練習に行っちゃうのかなぁ
孝昭くんとしても複雑だね。。。
あ~ 恋の行方が気になるわぁ~
誰が行く事になるのか気になりますね。
私的にはやっぱりバナナちゃんに行ってもらいたいですね。
デートは先になっちゃいますが…
おはよーございます。
スペイン研修旅行お一人様ご招待!
やっぱりもめてますねぇ(汗)
どうなるんだろう?
楽しみ♪
卒業はさせてあげてください、井上くん(笑)
2ヶ月くらい待てる待てる。
約束のある2ヶ月だもん
騎乗位の練習してこいって、ね
井上君が言う通り、バナナちゃんが行くのがいいと思うけど...
二ヶ月は長すぎだよね、孝昭。
でも、行ってこいって言うんだろうなぁ
井上君、さすがグレートの異名をとるだけのことはある
でも、孝昭も頭ではわかっても、辛いわなぁ、、、、
で、リアルタイムアップですか?
あと2時間ほどで帰省のために家でるのに、、、、
あー、孝昭くんまたかっこつけちゃうか?
でも2ヶ月って微妙な長さだね。歳取るとすぐ過ぎるけど。
留学して騎乗位の練習かぁ。
なんか凄そうだ。
帰ってきてから、太刀打ちできるかどうか‥。
よかったよかった!
さすがBJ先生!腕は確かですね!
やったぁ~!!
銀色の少女
また、えらく素敵なタイトルですね~
誰のことでしょう、気になります。
フィナーレというのが、
寂しくて寂しくてしかたありません。
どうか、いい形でぼくちゅうを続けてください。
常々思っていましたが、井上くんって何気にきついですね。仲良しで楽しそうですが。
クィーンの足が治ってよかった。
実によかった。
孝昭、しょげるな。
孝昭くんとバナナちゃんのデートをさせてあげたいなぁ。
クイーン完治 おめでとう!
BJ先生ナイスです
孝昭くん バナナちゃんとのデートはどうなるんだろう
やたッッ(ノ*≧∀)ノ⌒★
クィーン完治ッッ
喜びの反面…
別れが近づいてるって現実が、チョッピリ切ないです(´・ω・`)
井上クン良い突っ込みです!
井上君、ナイス♪(笑)
グレート井上母の影響?
井上くんのナイスな発言に思わずニヤリです。
…あと、Reinaって出ててマジでビビりました
スペイン語で「女王」ですか。
何か嬉しいです。
祝!クイーンの足完治!
Dr.BJ変な人だけど腕は確かでしたね。
西条君と孝昭君今までどおりの感じに戻って安心しました。ぼくちゅうは、やっぱりこうじゃないとね!
そして、バナナちゃんは
騎乗位乗馬研修行っちゃうんでしょうか?クィーンさん 完治おめでとうございます~
BJ 流石だねっ♪
どうなる 留学!!
やっと見れた~!!
どうも実家のPCはネット接続が気まぐれらしい・・・なんで?
お昼ぐらいからチャレンジしてたんですけど・・・、
携帯でも頑張ってみたんですけど慣れてないから辛いものがあって・・・。
最終話まで連続アップ、有難うございます。
とにかく、クイーンの怪我が治って良かった。
西条君と孝昭君ももとの仲良しに戻ってよかった。
でも、やっぱり一筋縄ではいかないのですね。
クィーンの足、治ったんだねぇ。
よかったぉ(*^o^*)
ん~、バナナちゃんがスペインに…。
孝昭くん複雑な心境だろうなぁ。
かなり遅くなりましたが(^^;
クイーンのケガ、治って良かったです♪
孝明くんとバナナちゃん、どーなっちゃうんでしょ?
まさか本当に誰か行くことになるとは!
バナナちゃんが一番しっくり来ますね。
モバゲーから来ました。
続きが気になってしまって(*^^*ゞ
クイーン本当にきれいな馬だったんでしょうね。怪我が治って安心しました。
早乙女さんのキャデラック花柄張りっぱなしにはウケました。
モバゲーも本家ブログもまた読み直したくなる良作ですね。
頑張って下さい
2010年7月4日に名馬オグリキャップが死んでしまいました。偶然にもクイーンと同じく足を折ってしまったそうです。安楽死の形をとったそうです。現役のオグリキャップを見たかったです。天国で現役時代のギャロップをしてください。お幸せに。