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第30話 流星(りゅうせい)
「ちゅ・・・・駐在・・さん?・・・・・なんで?」
見渡すと、橋の上には駐在さんのシビックパトカー。
いつの間に来ていたのでしょう?
「ママチャリい・・・お前がここまで馬鹿とは思わなかったぞ」
僕たちは覚悟を決めました。
が・・・・
バタン‥。
向こうで、車のドアの乾いた音がすると
心なしかパトカーがトロトロと動いているように見えました。
他にも警察官が乗っているのか?
ところが
ブオ━━━━‥
パトカーが突如、猛烈な勢いで走り出したではありませんか!
「あ?」
「え!?」
これに最も驚いたのは、言うまでもなく駐在さんです。
「げ!ま、まてーーーーーー!パトカー泥棒!」
僕たちをそっちのけで、パトカーを走って追いかける駐在さん。そりゃそうだ。
これはシャレになってない!
しかし、いかに駐在さんが元陸上部でも、さすがに車には追いつけません。
逃げるパトカー!と、全力で追いかける駐在さん!
当たり前ですが生まれて初めて見る光景です。
なにが起こったか、あっけにとられていると、
「おまえら!逃げろ!はやく!」
堤防の上に数人の人影。
「井上・・・・・・・」
そうです。
それは今回、実行メンバーから外れていたグレート井上くんたちの姿でした。
「どうしたんだ?お前ら・・・!」
グレート井上くん。
「やっぱり花火がどうなるか気になって。さっきまで西条のとこにいたんだ。でも花火上がったから」
「え? じゃぁ、あのパトカーは?」
「ああ。来てみたら駐在さんがいたからさ。あれ、村山だ」
やっぱり・・・。
なぜなら僕たちのグループで、車を「非公式でも」運転できるのは、村山くんしかいません。
(村山くんが、西条くんより1度停学が多いのは「車の無免許運転」)
「いや・・・ありがたいけど、パトカー泥棒って、花火泥棒より罪重くないか?」
「ん──。なにしろ意外な事態だったから。他に手段考えつかなかったんだ。大丈夫。村山はつかまんないよ。あっちで千葉たちが手助けしてる」
手助けって逃亡の?
なんかスゴいことになってます。
確かに村山くんが逃亡に失敗することは、考えにくいことではありました。
彼はめったにドジを踏まないことで信頼があったのです。もっとも、僕たちグループの中では、という限定がつきますが。
「とにかく、お前ら逃げるか隠れるかしろ!パトカーは乗り捨てだ。もうすぐ駐在、もどってくるぞ!」
この言葉を受けて、ジェミー以外のメンバー全員が茂みに身をかくしました。
「お前も逃げろよ!」グレート井上くんがせかします。
が・・・・
「・・・・いや。僕はいい。駐在さん、ママチャリって呼んでた。逃げようがないよ」
「そっか・・・・・ジェミー、お前は?」
「んー。僕もいいです。他に誰もいないと、全員尋問されちゃうでしょ?」
ジェミー、めずらしく正気な正論でした。
「井上、お前らはどうするんだ?」
「ああ。僕たちは一旦西条のところへもどって善後策を練る」
「時間、大丈夫か?」
「ああ。全員花火大会に行ってることになってる。まだ大丈夫だ」
「そう・・・か」
やがて身をひるがえして、井上くんたちが現場を去ろうとしました。
「井上!それにみんな!」
ふりかえるメンバーたち。
「サンキュ。うれしかったよ」
みんなは手を上げながら、それぞれ去って行きました。
そこにどこで見つけたのか、とうとう、駐在さんのパトカーがもどってきました。
「まったく・・・。お前らのやることはメチャクチャだな・・・・・」
パトカーから降りながら、意外にサバサバした様子の駐在さん。
「お前たち、2人だけか?」
「ええ。2人だけです」
「間違いないな」
「はい。間違いありま・・」
ところが・・・・
「ぶはーーーーーーーーーーーー!」
「ばっ、ばかやろぉーーーーーー!」
突如下から大声が聴こえて来ました。
さきほど茂みに逃げ込んだ残り実行班メンバーたちです。
「なんだってこんなとこにク○するんだよっ!」
「え!お前らがそこの茂みにやれって言ったんだろう?」
「あほーーーっ!逃げ込む前に同じ茂みって気づけないのか?馬鹿!」
「暗いからわかんねーんだよっ!あせってたしよっ!」
「誰だ?踏んだの?おっかなくて俺、靴嗅げねーよっ!」
「ふーーー。まったくとんでもねーめに会ったぜ!」
そうです。彼らが逃げ込んだ茂みは、実はさっき久保くんがハウドゥユドゥに耐えきれずに、ウ○コしにいった茂みそのものだったのでした・・・・・。
馬鹿だ・・・・コイツら・・・・。
グレート井上くんたちの苦労は水の泡です。
孝昭くん、
「ア、アレ?おまわり?・・・・もどったのか・・・・?」
「どうやら2人ってことはなさそうだな。ママチャリ・・・」
「はぁ・・・どうやらそのようで・・・・」
「おい、孝昭。それから久保と・・・。お前らも全員こっちに来い」
「はーい・・・・」「へいへい・・・」
久保くんのウ○コのせいで捕まることになったメンバーたち。ウ○コで捕まるとは、泣くにも泣けません。
「首謀者は誰だ?」
「僕です」「俺です」「俺です」「オレです」
「かばい合うのはいいが。窃盗だぞ?わかってるのか?」
「はい・・・」「はい」「はい」「はい」
「まぁ。友情は美しくてけっこうだが・・・・主犯はママチャリだな?」
「ええ・・・こいつらは僕の指示で動いただけです」
「手ぇ出せ」
「え?」
「手を前に出せ」
「20時22分、窃盗、火薬取締法、ならびに消防法違反の容疑で逮捕する」※
僕はこの日、生まれて初めて手錠をかけられました。
それは思ったよりは軽く、そして冷たいものでした。
※(ここに書いた容疑はテキトーです)。
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「ちゅ・・・・駐在・・さん?・・・・・なんで?」
見渡すと、橋の上には駐在さんのシビックパトカー。
いつの間に来ていたのでしょう?
「ママチャリい・・・お前がここまで馬鹿とは思わなかったぞ」
僕たちは覚悟を決めました。
が・・・・
バタン‥。
向こうで、車のドアの乾いた音がすると
心なしかパトカーがトロトロと動いているように見えました。
他にも警察官が乗っているのか?
ところが
ブオ━━━━‥
パトカーが突如、猛烈な勢いで走り出したではありませんか!
「あ?」
「え!?」
これに最も驚いたのは、言うまでもなく駐在さんです。
「げ!ま、まてーーーーーー!パトカー泥棒!」
僕たちをそっちのけで、パトカーを走って追いかける駐在さん。そりゃそうだ。
これはシャレになってない!
しかし、いかに駐在さんが元陸上部でも、さすがに車には追いつけません。
逃げるパトカー!と、全力で追いかける駐在さん!
当たり前ですが生まれて初めて見る光景です。
なにが起こったか、あっけにとられていると、
「おまえら!逃げろ!はやく!」
堤防の上に数人の人影。
「井上・・・・・・・」
そうです。
それは今回、実行メンバーから外れていたグレート井上くんたちの姿でした。
「どうしたんだ?お前ら・・・!」
グレート井上くん。
「やっぱり花火がどうなるか気になって。さっきまで西条のとこにいたんだ。でも花火上がったから」
「え? じゃぁ、あのパトカーは?」
「ああ。来てみたら駐在さんがいたからさ。あれ、村山だ」
やっぱり・・・。
なぜなら僕たちのグループで、車を「非公式でも」運転できるのは、村山くんしかいません。
(村山くんが、西条くんより1度停学が多いのは「車の無免許運転」)
「いや・・・ありがたいけど、パトカー泥棒って、花火泥棒より罪重くないか?」
「ん──。なにしろ意外な事態だったから。他に手段考えつかなかったんだ。大丈夫。村山はつかまんないよ。あっちで千葉たちが手助けしてる」
手助けって逃亡の?
なんかスゴいことになってます。
確かに村山くんが逃亡に失敗することは、考えにくいことではありました。
彼はめったにドジを踏まないことで信頼があったのです。もっとも、僕たちグループの中では、という限定がつきますが。
「とにかく、お前ら逃げるか隠れるかしろ!パトカーは乗り捨てだ。もうすぐ駐在、もどってくるぞ!」
この言葉を受けて、ジェミー以外のメンバー全員が茂みに身をかくしました。
「お前も逃げろよ!」グレート井上くんがせかします。
が・・・・
「・・・・いや。僕はいい。駐在さん、ママチャリって呼んでた。逃げようがないよ」
「そっか・・・・・ジェミー、お前は?」
「んー。僕もいいです。他に誰もいないと、全員尋問されちゃうでしょ?」
ジェミー、めずらしく正気な正論でした。
「井上、お前らはどうするんだ?」
「ああ。僕たちは一旦西条のところへもどって善後策を練る」
「時間、大丈夫か?」
「ああ。全員花火大会に行ってることになってる。まだ大丈夫だ」
「そう・・・か」
やがて身をひるがえして、井上くんたちが現場を去ろうとしました。
「井上!それにみんな!」
ふりかえるメンバーたち。
「サンキュ。うれしかったよ」
みんなは手を上げながら、それぞれ去って行きました。
そこにどこで見つけたのか、とうとう、駐在さんのパトカーがもどってきました。
「まったく・・・。お前らのやることはメチャクチャだな・・・・・」
パトカーから降りながら、意外にサバサバした様子の駐在さん。
「お前たち、2人だけか?」
「ええ。2人だけです」
「間違いないな」
「はい。間違いありま・・」
ところが・・・・
「ぶはーーーーーーーーーーーー!」
「ばっ、ばかやろぉーーーーーー!」
突如下から大声が聴こえて来ました。
さきほど茂みに逃げ込んだ残り実行班メンバーたちです。
「なんだってこんなとこにク○するんだよっ!」
「え!お前らがそこの茂みにやれって言ったんだろう?」
「あほーーーっ!逃げ込む前に同じ茂みって気づけないのか?馬鹿!」
「暗いからわかんねーんだよっ!あせってたしよっ!」
「誰だ?踏んだの?おっかなくて俺、靴嗅げねーよっ!」
「ふーーー。まったくとんでもねーめに会ったぜ!」
そうです。彼らが逃げ込んだ茂みは、実はさっき久保くんがハウドゥユドゥに耐えきれずに、ウ○コしにいった茂みそのものだったのでした・・・・・。
馬鹿だ・・・・コイツら・・・・。
グレート井上くんたちの苦労は水の泡です。
孝昭くん、
「ア、アレ?おまわり?・・・・もどったのか・・・・?」
「どうやら2人ってことはなさそうだな。ママチャリ・・・」
「はぁ・・・どうやらそのようで・・・・」
「おい、孝昭。それから久保と・・・。お前らも全員こっちに来い」
「はーい・・・・」「へいへい・・・」
久保くんのウ○コのせいで捕まることになったメンバーたち。ウ○コで捕まるとは、泣くにも泣けません。
「首謀者は誰だ?」
「僕です」「俺です」「俺です」「オレです」
「かばい合うのはいいが。窃盗だぞ?わかってるのか?」
「はい・・・」「はい」「はい」「はい」
「まぁ。友情は美しくてけっこうだが・・・・主犯はママチャリだな?」
「ええ・・・こいつらは僕の指示で動いただけです」
「手ぇ出せ」
「え?」
「手を前に出せ」
「20時22分、窃盗、火薬取締法、ならびに消防法違反の容疑で逮捕する」※
僕はこの日、生まれて初めて手錠をかけられました。
それは思ったよりは軽く、そして冷たいものでした。
※(ここに書いた容疑はテキトーです)。
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- 5章:第31話 流星(2)
- 5章:第30話 流星(りゅうせい)
- 5章:第29話 上がれ!オッパイ花火!
これって本とかにならないかなぁ。あー、映画とかでもいいかも。
早く続き読みたーい
本当ですね。映画になったらいいのになー。
「リョウ君の空」でほろっとしたら、次がウンコっていうコントラストがなんともすばらしいです(笑
花火打ち上げの描写はもう少しほしかったかなーなんて思います。
ほんとに映画で見たいです
でも、逮捕されちゃったんですね。。。。
今後の展開が楽しみです
毎回楽しく拝見させてぃただぃてます(笑)
全部 俺たちゎ風系かと思ったらドラマチックな面もぁって、高校生ゃのに濃ぃ人生送ってんなぁ!!ってめっちゃ感動しました☆カツオ君を更に悪くしてぃっぱぃ集めた感じ的なイメージで読んでましたが、やっぱりちょっと違う独自な悪戯野郎集団に憧れます(笑)私も高校生でィロ②ゃったらょかった(笑)大学生じゃさすがにぃくら田舎でもここまで出来へんなぁと読ませて頂きながら毎回思ってます(笑)
まだまだ続きが楽しみです☆
こんにちはー。
本、なるかも知れません。ぜんぜんわかりませんけど。
でもブログ、無料ですから(笑)。
たぶん最終回まで無料でご覧いただけるかと・・・。
こんなにアクセスあるなら、アフィリエイトでもするんだった・・・・(泣)
はじめまして。
そうですねー。ここロマンチック、あんまり長続きしません(笑)。
花火の描写は、そもそもが「どーん」という擬音からしてむずかしくて、うまく表現できませんでした。
反省ばしちょります。
あ。番組に穴あけましたね?
29話にコメントがありません(笑)。いまからでも遅くないので書いておくよーに。
かんじんな花火大会です。
あとわずかです。5章。
あーーーー。悲しい。
はじめましてー。ご愛読賜り、ありがとうございますぅ。
そうですねぇ。大学生でやってれば馬鹿ですね、って高校生でもかなり馬鹿な部類でしたが。いえ。僕じゃなくって西条くんとか。
しかし、思うのですが、寄せ集まった時点では、手もつけられないような連中の集まりで、全員、カツオくんにはほど遠い存在でした。しかし、こんなしょーもないことばかりでも、目標を持つと人間変わるものです。
最近のコンビニにベタ座りしている高校生のかたとか見ていると、目標がなくてかわいそうだなぁ、などと、よく思います。
5章。もう終わっちゃいます。そのあまりに意外な結末。ひきつづきお楽しみくださいませ。
なんか感動しちゃいました。
ここ見つけてよかった!って、本当に思います。
やっとここまで読み終わりました。
気づけば親に隠れてインターネット・・・
しかし面白い○茎の意味が分かってしまった
僕は・・ orz
>厨房くん
そっかー。早いなー。
たいへんだったでしょう?
あと、少しで5章、終わりですね。
親に隠れてやること。ひとつふたつあってもいいと思いますよ。
だって、君は一人の男なんだから。
空き巣泥棒は、験をかつぐ為に、盗みに入る家の前でウ○コする(運がつくように…。ギャフン)そうですが。
ウ○コの逆襲ですね。
しかし…非実行組の実行ぶりは、胸が熱くなりました!!!
ほんとに、本にも映画にもなりましたね。
おめでとうございます。
しかし、、、しゃれになんなくなってきましたね…。
容疑っててきとーだったんですか?!まず、そこに驚きでした!!いやぁ、ここに来て良かった…。本には書いてなかった(気がする)
にしても、ホンット
いいはなし
手錠・・・
ママチャリさんの青春は濃いなぁ・・・。
久保さん、ちゃんと埋めとかなきゃダメじゃないですか。
山に登る人の当然の心得ですよ(ここは川ですが)。
駐在さん、もしかしたらママチャリさん達にやるだけのことはやらせてあげようと思って
花火が打ち上がってからやって来たのかな。
だって、タイミング良すぎますよね。
やるだけやらせてやって、でも今後自信を付けて暴走することのないように
しっかりお灸をすえるつもりでやって来たのでしょうか。
駐在さん以外の人がママチャリさん達を捕まえてしまったら
ママチャリさん達大変なことになっちゃうだろうし。
深読みしすぎですか?
でもその位の深い考えがあるんじゃないかと思わせる方です、駐在さん。
ウ〇コで全員見つかるって…、ある意味すごいマンガみたいだねw