<おことわり>本日もシリアスモードで2話連続アップ。笑えません
「イヤーーーーーーーーーーーーー!!!!」
「奈々。お前も大人になればわかる」。
「なにが!?わかんなくっていいわ!そんなこと!」
「奈々!」
「しかたないでしょ?奈々ちゃん。誰がお世話するの?」
「世話してたもん!あたしたちちゃんと世話してたもん!」
「子供のぶんざいで生意気言うんじゃないっ!」
「叔父さまも叔母さまも大ッキライ!」
「奈々ちゃん!」
「ははは。言わせとけ!こどものわがままだ」。
「お姉ちゃん!なんとか言って?ねぇ!ウソなんでしょ?ねぇ!」
「・・・奈々・・・・」。
→ → → → →
雨は激しさを増していました。
「お、俺の女ぁ?」
「俺の女だぁ?」
「バカヤロー!誰が決めたんだ!このぉ!」
「ざけんじゃねーぞ!」
「俺も言ってみてーぞ!その台詞ぅ!」
さっそく仲間割れ。
相手にかかっていく前にこの有様。
ああ・・・これさえなきゃ。
しかも西条vs孝昭の闘いは、素人目にもハンパじゃありません。
「お前らなにやってんだよ。相手違うだろ?」
「あ。そうだった」。
そうだったじゃねーよ。
「ははは。ガキどもが」。
相手の男のひとりが吐き捨てるように言いました。
やはり聞き覚えのないイントネーション。このあたりの人間じゃない。
西条くん。
「ま。準備運動は終わりだ。やらせてもらうかぁ」。
相手がいっせいに身構えました。
「ん?」
西条くん。なにかに気づいたようです。
「ほー。琉球空手か・・・」。
「琉球・・空手?」
僕がたずねると
「ああ。もともと空手は沖縄が発祥なんだ。ティーつってな」。
西条くんも構えました。
「4人ともやってるってぇことは、どっかの道場か部活ってとこか」。
「ふん。てめーも少しは覚えがあるってか?」
「残念ながら少しじゃねぇ。お前らもやってんならそれくらいわかんだろ?」。
この時初めて相手が顔を見合わせ、困惑したようでした。
西条くんの構えには、それだけ隙がない、ということでしょう。
「俺のはなぁ。舞踊じゃねぇんだよ。スン止めはしねぇからな。え?」
「へ・・・へへ。望むトコだ」。
また不思議なイントネーションで男が強がりますが
今度はあきらかな動揺が見られます。
と、そこへ
バシャバシャバシャ!
誰かが走って来た気配がしました。
「君タチーー!だいじょうぶか?」
「あ?」「え?」「誰だ?」
振り向くと、ひとりの男が遠くで立ち止まって叫びました。
「今、今、警察呼ぶからなーーーー!」
そう言うと男はふりむきざま、また道路の方角へ走って行きます。
「あ・・・よかった・・・」。
安堵しているのはバナナちゃん。
が
「んん?」
と、西条くん。
僕と顔を見合わせました。
僕は、西条くんに首で合図しました。
うなづく西条くん。
「おい!こっち頼む!」
と言うなり、男を追いかけて走り出しました。
「ああ?どこ行くんだ?」
「いいから!」
走りながら叫ぶ西条くん。
「ぇえええ?」
急な展開に驚く孝昭くんたち。
「お前、100人乗っても大丈夫なんだろーーー?」
「いや。物置じゃねぇから」。
バナナちゃんは、もっとあっけにとられています。
「あれ?西条くん・・・」。
「うん。いいんだ」。
しかし西条くんの迫力に浮き足立っていた相手は、人数が減ったこともあり、とたんに勢いを取り戻していました。
「そいじゃぁやるかぁ。ええ?」
場をまかされた孝昭くん。
「しかたねぇ。二人は俺がやる。ミッチェル。もっと外にまわれ」。
「ミッチェルじゃねーーーーー!」
が。このやりとりに相手が
「ぷっ!あいつあの顔でミッチェルだと」。
「だはははははははー。こりゃいいや。ミッチェル」。
「わーーははははははは」。
大ウケにウケる男たち。
しかしこのスキを見逃す孝昭くんではありませんでした。
バッ!
地べたから泥をつかむと、おもいっきり相手にぶつけます。
「ブッ!ペペッ」
泥はすさまじい勢いで相手二人の顔に命中!
ひとりは目に入ったようで、さかんに痛がっています。
「はっほ~~~~~~~~~~~♪」
「ぐぅっは!」
「会長!ミッチェル!こいつたのんだ!」
「おお!」
「いやミッチェルじゃねぇっつってんのに・・・」。
さらに一人に襲いかかる孝昭くん。
相手はすっかり虚をつかれました。
相手もそれなりの場数をふんでいたようですが、もはやこの状態で孝昭くんの敵ではありませんでした。
もうひとりに久保ミッチェルと河野会長がふたりがかりで襲いかかります。
この一人だけは、少しは骨がありそうでしたが、残ったひとりはとうとう逃げ出してしまいました。
「待てこらぁ!」
しかし誰も手を離せません。
が。
西条くんがここにさっきの「通報」男を連れてもどってきていました。
「ん~~?逃げんのか?カラテカー」。
西条くんが逃げてきた男に声をかけました。
男は、西条くんが一人を捕まえていることで油断したのか
「ヤロォー!」
勢いで西条くんに襲いかかりました。が
西条くん。片足だけでこれを秒殺。
あらためて西条。ほんと強い・・・。
世に中には見てくれの強そうな高校生はたくさんいますが、西条くんはまさしく桁違いです。
「西条。強すぎー」。
「俺の半分くらいまではなったなー」。
「なんだとー!?」
最後も仲間割れ。
※本日2話連続アップです。続けて13章-第46話へどうぞ→


人気ブログランキング
ブログ村ランキング
13章-第46話へつづく→
▲目次へ
「イヤーーーーーーーーーーーーー!!!!」
「奈々。お前も大人になればわかる」。
「なにが!?わかんなくっていいわ!そんなこと!」
「奈々!」
「しかたないでしょ?奈々ちゃん。誰がお世話するの?」
「世話してたもん!あたしたちちゃんと世話してたもん!」
「子供のぶんざいで生意気言うんじゃないっ!」
「叔父さまも叔母さまも大ッキライ!」
「奈々ちゃん!」
「ははは。言わせとけ!こどものわがままだ」。
「お姉ちゃん!なんとか言って?ねぇ!ウソなんでしょ?ねぇ!」
「・・・奈々・・・・」。
→ → → → →
雨は激しさを増していました。
「お、俺の女ぁ?」
「俺の女だぁ?」
「バカヤロー!誰が決めたんだ!このぉ!」
「ざけんじゃねーぞ!」
「俺も言ってみてーぞ!その台詞ぅ!」
さっそく仲間割れ。
相手にかかっていく前にこの有様。
ああ・・・これさえなきゃ。
しかも西条vs孝昭の闘いは、素人目にもハンパじゃありません。
「お前らなにやってんだよ。相手違うだろ?」
「あ。そうだった」。
そうだったじゃねーよ。
「ははは。ガキどもが」。
相手の男のひとりが吐き捨てるように言いました。
やはり聞き覚えのないイントネーション。このあたりの人間じゃない。
西条くん。
「ま。準備運動は終わりだ。やらせてもらうかぁ」。
相手がいっせいに身構えました。
「ん?」
西条くん。なにかに気づいたようです。
「ほー。琉球空手か・・・」。
「琉球・・空手?」
僕がたずねると
「ああ。もともと空手は沖縄が発祥なんだ。ティーつってな」。
西条くんも構えました。
「4人ともやってるってぇことは、どっかの道場か部活ってとこか」。
「ふん。てめーも少しは覚えがあるってか?」
「残念ながら少しじゃねぇ。お前らもやってんならそれくらいわかんだろ?」。
この時初めて相手が顔を見合わせ、困惑したようでした。
西条くんの構えには、それだけ隙がない、ということでしょう。
「俺のはなぁ。舞踊じゃねぇんだよ。スン止めはしねぇからな。え?」
「へ・・・へへ。望むトコだ」。
また不思議なイントネーションで男が強がりますが
今度はあきらかな動揺が見られます。
と、そこへ
バシャバシャバシャ!
誰かが走って来た気配がしました。
「君タチーー!だいじょうぶか?」
「あ?」「え?」「誰だ?」
振り向くと、ひとりの男が遠くで立ち止まって叫びました。
「今、今、警察呼ぶからなーーーー!」
そう言うと男はふりむきざま、また道路の方角へ走って行きます。
「あ・・・よかった・・・」。
安堵しているのはバナナちゃん。
が
「んん?」
と、西条くん。
僕と顔を見合わせました。
僕は、西条くんに首で合図しました。
うなづく西条くん。
「おい!こっち頼む!」
と言うなり、男を追いかけて走り出しました。
「ああ?どこ行くんだ?」
「いいから!」
走りながら叫ぶ西条くん。
「ぇえええ?」
急な展開に驚く孝昭くんたち。
「お前、100人乗っても大丈夫なんだろーーー?」
「いや。物置じゃねぇから」。
バナナちゃんは、もっとあっけにとられています。
「あれ?西条くん・・・」。
「うん。いいんだ」。
しかし西条くんの迫力に浮き足立っていた相手は、人数が減ったこともあり、とたんに勢いを取り戻していました。
「そいじゃぁやるかぁ。ええ?」
場をまかされた孝昭くん。
「しかたねぇ。二人は俺がやる。ミッチェル。もっと外にまわれ」。
「ミッチェルじゃねーーーーー!」
が。このやりとりに相手が
「ぷっ!あいつあの顔でミッチェルだと」。
「だはははははははー。こりゃいいや。ミッチェル」。
「わーーははははははは」。
大ウケにウケる男たち。
しかしこのスキを見逃す孝昭くんではありませんでした。
バッ!
地べたから泥をつかむと、おもいっきり相手にぶつけます。
「ブッ!ペペッ」
泥はすさまじい勢いで相手二人の顔に命中!
ひとりは目に入ったようで、さかんに痛がっています。
「はっほ~~~~~~~~~~~♪」
「ぐぅっは!」
「会長!ミッチェル!こいつたのんだ!」
「おお!」
「いやミッチェルじゃねぇっつってんのに・・・」。
さらに一人に襲いかかる孝昭くん。
相手はすっかり虚をつかれました。
相手もそれなりの場数をふんでいたようですが、もはやこの状態で孝昭くんの敵ではありませんでした。
もうひとりに久保ミッチェルと河野会長がふたりがかりで襲いかかります。
この一人だけは、少しは骨がありそうでしたが、残ったひとりはとうとう逃げ出してしまいました。
「待てこらぁ!」
しかし誰も手を離せません。
が。
西条くんがここにさっきの「通報」男を連れてもどってきていました。
「ん~~?逃げんのか?カラテカー」。
西条くんが逃げてきた男に声をかけました。
男は、西条くんが一人を捕まえていることで油断したのか
「ヤロォー!」
勢いで西条くんに襲いかかりました。が
西条くん。片足だけでこれを秒殺。
あらためて西条。ほんと強い・・・。
世に中には見てくれの強そうな高校生はたくさんいますが、西条くんはまさしく桁違いです。
「西条。強すぎー」。
「俺の半分くらいまではなったなー」。
「なんだとー!?」
最後も仲間割れ。
※本日2話連続アップです。続けて13章-第46話へどうぞ→


人気ブログランキング
ブログ村ランキング
13章-第46話へつづく→
▲目次へ
- 関連記事
-
- 13章-第46話 俺の女に手を出すな!(7)
- 13章-第45話 俺の女に手を出すな!(6)
- 13章-第44話 俺の女に手を出すな!(5)
西条君強すぎだ・・・。
西条さん、圧倒的っす
はっほー! 久々に出ましたね。
冒頭文に何だか嫌な予感がしました。
いえ、大事なテーマだとは思うのですが。
西条くん最強!
そして、どこでも直ぐ喧嘩するあの二人が最高です♪
けんかの前にこれだけの余裕!
サイジョーもたかあきくんもミッチェルもみんなかっこいいです!
みんな読むの早い…
にしても西条くん強いなぁ!
孝昭くんは相変わらずケンちゃんみたい
「はっほ~~~♪」って…
西条は一体誰を連れてきたの???
西条の戦闘力は
リーサルウェポン並みだ・・・
恐ぇ・・・
西条くん、、、つ、、つおい、、
やっぱりカッコいいなぁ~!!
孝昭君もカッコいいし、、、
ほんと、ママチャリ軍団はカッコいい男ばかり♪
西条クンの強さを 実際に自分の目で見てみたい気がする...
半分だけ強いって・・・・
十分強く感じ取れますよ。
ミッチェルが役に立ちましたねww
ミッチェルで隙が作れるなんてwww
チームワークが良いのか悪いのか(笑)
みんなかっこいい!!
孝昭&西条・・・・
やっぱ恐ろしいコンビだ
でも コイツ等見てると高校時代思い出す
内容はそのうちmixiにでも・・・
なるほど。さすが極あ・・じゃなくって明晰なママチャリくんと、喧嘩慣れしてる西条くんですねぇ。
正体見破ったり?
それにしてもミッチェルがこんなところで役に立つとは(笑
こいつらは何もんや?
西条君と孝明がいれば、百人力ですね。
気になる次話がまちどおしい。
ドンパチ始まりましたね。
ミッチェルと会長は本名じゃないから、呼んでも大丈夫ですね。
通報男は、警察じゃなくて、仲間呼びに行くつもりだったのかな?
さ、西条クンって…
“ヒト”なんですよね。
会っていなくてよかった…(;^_^A
さすが武闘派頼もしい&ママチャリ軍団の掟相手に名前を悟られぬように久保君は「ミッチェル」?
ケンカに圧勝するシーンは大好きですけど、最初の回想シーンが気になります。
西条くんかっこよい♪
…孝昭くんとくだらない仲間割れしなきゃいいのに。
あっ、でもその子どもっぽいとこも母性本能くすぐられていいんだよね(*^-^*)
にゅぉ~!!武闘派大暴れだァ!!
さぁ次行きま~す♪
>もみの木さん 級長はこっち!
+30点
一番載り認定!
>西条君強すぎだ・・・。
はい。個人的には、亀田さんのところの息子さんより強いと信じて疑いません。
最初の回想シーンがものすごく気になります(^o^;)
西条、すごいですね。
彼は現在どんな人なのだろう・・・?
「こどものくせに」とか
「こどものぶんざいで」とか、
こどもが一番傷つく言葉ですね。
わたしも、こどものころ言われたの思い出しました。
反論もなにもできなくて、心臓が縮こまってしまいます。
奈々ちゃんがどれだけ傷ついたか・・・
胸が痛みます。
西条くんのケンカは読んでいて気持ちがいい。
孝昭くんのは、・・・泥・・・
最初のは取り囲んだ連中じゃなかったんですね
そういう落ちかと思ってしまいました
さ、次々
っと、その前にランクリランクリ
このコメントは管理人のみ閲覧できます
さすが西条クン…
やる時ゃ決める漢だ(*´艸`)
そして、孝昭クン…
そつのない漢だ( ̄▽ ̄;
泥…やると思ってたよ(ノ∀`*)ノ彡☆
さて…通報野郎はどいつかな(´・ω・`)
西条くんったら相変わらず、アホっぽいけど強いなぁ。
ママチャリくんったら相変わらずこういう場面は何してるんでしょう?
二人ともかっけー
はっほ~~~~! だ!
ミッチェルだ~~~!!
叔父さん? 叔母さん?? 謎です。
警察呼ぶからと声をかけてきた人もアヤシイってこと、
ままちゃり君は冷静な判断能力で、
西条クンは武闘派の本能で、見抜いちゃうんですね。
どっちもすごいです!
冒頭のバナナちゃんの過去らしきお話が気になりますが・・・。
相変わらずチームワークがいいんだか悪いんだか・・・。
ミ、ミッチェル・・・相手を油断させるためにも有効なのか。
西条くん、武道?に関する知識もすごいんですね。
ほんと、戦いのときは別人だ~。かっけ~。
久保くん好き中学生のほうのみいすけです。
みなさんかっこいいですね♪
久保くんのつっこみ最高です。
琉球空手っていうことは相手は沖縄?
それにしても孝昭くんは手段を選ばないな
まぁケンカは勝たないとダメだけど
西条くんはすごいな~
武術やってるとこういうときに役に立つんだな
孝昭っ!!
ケンカのスタイルは様々だが、せっかくバナナcがいるんだから、正々堂々と戦ってみようぜ!?
それでこそオトコだろっ!!
それにしても、最初の回想シ~ンって・・?
ミッチェルが重要ってここ(笑)!?
西条くん、さすがですね。
強すぎ!
なんともらしい西条ですね。ところで会長の車ではふざけなかったのかしら?