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第21話 ジェミー再び(1)
こうして、孝昭くん、ジェミー、新キャラ森田くんに、さらに河野くん・久保くんという新キャラを加えまして総勢6名になった「窃盗」実行部隊。
この事件の時は、いきなりメンバー構成が異なるので、新キャラを理解する上で、それぞれの系列を整理いたしますと
バカ度
井上 =< 森田 < 村山 <<< 千葉 =<久保 = 河野 << 孝昭 << 西条 論外:ジェミー
非常識度
村山 =< 井上 <森田 << 千葉 < 河野 << 久保 << 孝昭 << 西条 論外:ジェミー
スケベ度
井上 =< 村山 < ジェミー < 森田 <千葉< 久保 = 河野 <<< 孝昭 =< 西条
乱暴度
ジェミー < 森田 <= 井上 << 西条 < 村山 < 河野 <千葉 < 久保 <<< 孝昭
さて。この表をご覧いただいて、「バカ」で「非常識」で「スケベ」までの三冠を獲得している西条くんが、乱暴度では下位、というのが意外かと思われますが、西条くんは喧嘩こそ常識はずれに強かったですが、必ずしも乱暴者ではありませんでした。むしろ暴力沙汰を嫌い、みんなからは殴られ放題だったくらいです。
これに対し久保くんと河野くんは、すべての分野で秀でており(よくない意味で)、手に負えないという意味では若干久保くんに軍配が上がるものの、とにかく甲乙のつけがたい、よきライバル、よきコンビでした。
この画期的寄せ集めメンバーとなった実行部隊。ホントにこんなんで「窃盗」がうまくいくんでしょうか?
決行の日は、Y市の花火大会当日、つまり14日のことでしたので、わずか2日後。
僕たちには時間がありませんでした。
そこで、非実行班の大半を帰した後、そのまま作戦会議に入りました。
「問題はあの丸い形状のもんをどうやって盗むか、だな」
すると西条くん、
「いやいや、最大の問題は打上げ用の火薬のほうだ」
「なんで?粉だろ?」
「いや。なにしろすごい発火性があるらしいんだな。粉状のニトログリセリンと言っても過言じゃねえ」
「あんだって?」
もう初っぱなから暗雲が漂いました。
「バイトで手伝った時言われた。すぐ爆発するから気をつけろって」
「・・・・・」「・・・・・」「・・・・・」「・・・・・」
「なんかな。わずかな静電気でも、大爆発なんだってさ」
久保くん、
「んー。俺、なんか当日都合悪くなっちゃったかも」
河野くん、
「ぼく、読書感想文のこってるから、やっぱおりていい?」
窃盗で捕まるかも知れない上に、危険物・・・・。さすがにみんなおじけづきました。
しかし、ここで森田くんが言いました。
「どんなに発火性があろうと、花火大会には持って来れているんだから。それなりの運搬方法があるってことだろ?」
あー、森田くんがいて助かりました。
バカばっかでどうしようかと思っていたところに、この正論。素晴らしい!
そして僕たちが考えた「窃盗方法」は、極めて突飛なものでした。
それは、僕たちがインタビューと称して、花火屋さんを引き込んでいるうちに、ジェミーに玉を盗ませる、という作戦。
玉は丸いので、持って盗んで来ることは無理、と判断した僕たちは、ジェミーに女装させ、ブラジャーの中に2つの玉を入れて来よう、というものでした。
実にグッドアイディア。というか、めちゃくちゃ面白そうです。
退学までかかっているんですから、これくらい楽しくなくっちゃいけません。
しかし、胸に2つの花火をかかえることになったジェミーは
「え~?そのまま爆発したらどうなるんですかぁ?」
「よろこべ!翌日の全国ニュースのトップは間違いなくお前だ!」
うーん。爆発しなくても捕まればトップニュースな気もします。
「頼むよ。これはお前にしかできないんだ!」
「んー。じゃぁ、今回のグループ名は、ジェミーアンドヒズフレンズでいいですかぁ?」
「え~~~~!?」
「そいつはなぁ・・・・」
「ちょっと話が別だよなぁ・・・」
躊躇する僕たち。
なにしろ先ほどのジェミーの発表に一番つっこみを入れていた久保くん。
「別にグループ名・・・なくってもいいじゃん」
「いいえ。先輩。今回は結束が必要なんです!だからグループ名が必要なんですよ」
「だからって・・なぁ。ジェミー&ヒズフレンズ・・・って」
「じゃ。やりません」
「わ、わかった!そのグループ名でいいぞ!」
「なんかイヤイヤそうですね・・・別にいいんですよ?イヤなら」
「い、いや。そんなことないぞ!よかったよな!みんな!素敵なグループ名がついて」
「そうそう。なんか、今回の部隊は、いいグループ名欲しいと思ってたとこなんだよ」
「うん。結束固そう」
「あ、ああ!そうだとも。ビバ!ジェミー&ヒズフレンズ!」
「本当でしょうねぇ?先輩がた」
「うんうん!ほんとほんと」
くっそー。この馬鹿図にのりやがって・・・。
「そいじゃ。結束固める意味で、エールやりましょう!」
「え、え~る~??」
「いいですか、先輩。僕が ”ジェミー&!” って言いますから、みんなでおっかけて ”ソーオン!” って言ってくれます?」
いや。だからまた「その他」になっちゃってるんですけど・・・・。
「それ3回繰り返して、最後、”ファイ オー!” でしめます。いいですね?」
「え”! ここでか?」
だってここは病院の中庭。いろんな通路や病室からまる見えです。
そんなとこで ファイオー! なんてできるわけありません。
が
「ジェミーーーーーーー アンドォ?」
勝手にはじめちゃいました。
「・・・・・・」
「あれ?先輩がた。ちゃんと ”ソーオン!ソーオン” お願いしますよ。なんてったって僕は命かかってんですよ?」
「はい・・・やります・・やります・・・」
「ジェミーーーーーーー アンドォ?」
「ソーオン!ソーオン!ソーオン!」
「ジェミーーーーーーーー!」
「ファイ!」
「おーーーー!」
恥ずかしいどころの騒ぎではありません。
初めてでした。人前で「その他」って叫んだの。
「いいですねー。先輩。これ、明後日の花火大会の会場でもやりましょうね!」
くそーーーー。作戦終わったら、こいつぶっ殺してやる。
なにも言いませんでしたが、みんなの目には殺気がみなぎっていました。
「アンタたち!うるさいわよ!ここどこだと思ってんの!」
西条くん担当の看護婦さんの声。
ごもっともです。
ジェミーーーーー アンドーーー「騒音 騒音 騒音」
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こうして、孝昭くん、ジェミー、新キャラ森田くんに、さらに河野くん・久保くんという新キャラを加えまして総勢6名になった「窃盗」実行部隊。
この事件の時は、いきなりメンバー構成が異なるので、新キャラを理解する上で、それぞれの系列を整理いたしますと
バカ度
井上 =< 森田 < 村山 <<< 千葉 =<久保 = 河野 << 孝昭 << 西条 論外:ジェミー
非常識度
村山 =< 井上 <森田 << 千葉 < 河野 << 久保 << 孝昭 << 西条 論外:ジェミー
スケベ度
井上 =< 村山 < ジェミー < 森田 <千葉< 久保 = 河野 <<< 孝昭 =< 西条
乱暴度
ジェミー < 森田 <= 井上 << 西条 < 村山 < 河野 <千葉 < 久保 <<< 孝昭
さて。この表をご覧いただいて、「バカ」で「非常識」で「スケベ」までの三冠を獲得している西条くんが、乱暴度では下位、というのが意外かと思われますが、西条くんは喧嘩こそ常識はずれに強かったですが、必ずしも乱暴者ではありませんでした。むしろ暴力沙汰を嫌い、みんなからは殴られ放題だったくらいです。
これに対し久保くんと河野くんは、すべての分野で秀でており(よくない意味で)、手に負えないという意味では若干久保くんに軍配が上がるものの、とにかく甲乙のつけがたい、よきライバル、よきコンビでした。
この画期的寄せ集めメンバーとなった実行部隊。ホントにこんなんで「窃盗」がうまくいくんでしょうか?
決行の日は、Y市の花火大会当日、つまり14日のことでしたので、わずか2日後。
僕たちには時間がありませんでした。
そこで、非実行班の大半を帰した後、そのまま作戦会議に入りました。
「問題はあの丸い形状のもんをどうやって盗むか、だな」
すると西条くん、
「いやいや、最大の問題は打上げ用の火薬のほうだ」
「なんで?粉だろ?」
「いや。なにしろすごい発火性があるらしいんだな。粉状のニトログリセリンと言っても過言じゃねえ」
「あんだって?」
もう初っぱなから暗雲が漂いました。
「バイトで手伝った時言われた。すぐ爆発するから気をつけろって」
「・・・・・」「・・・・・」「・・・・・」「・・・・・」
「なんかな。わずかな静電気でも、大爆発なんだってさ」
久保くん、
「んー。俺、なんか当日都合悪くなっちゃったかも」
河野くん、
「ぼく、読書感想文のこってるから、やっぱおりていい?」
窃盗で捕まるかも知れない上に、危険物・・・・。さすがにみんなおじけづきました。
しかし、ここで森田くんが言いました。
「どんなに発火性があろうと、花火大会には持って来れているんだから。それなりの運搬方法があるってことだろ?」
あー、森田くんがいて助かりました。
バカばっかでどうしようかと思っていたところに、この正論。素晴らしい!
そして僕たちが考えた「窃盗方法」は、極めて突飛なものでした。
それは、僕たちがインタビューと称して、花火屋さんを引き込んでいるうちに、ジェミーに玉を盗ませる、という作戦。
玉は丸いので、持って盗んで来ることは無理、と判断した僕たちは、ジェミーに女装させ、ブラジャーの中に2つの玉を入れて来よう、というものでした。
実にグッドアイディア。というか、めちゃくちゃ面白そうです。
退学までかかっているんですから、これくらい楽しくなくっちゃいけません。
しかし、胸に2つの花火をかかえることになったジェミーは
「え~?そのまま爆発したらどうなるんですかぁ?」
「よろこべ!翌日の全国ニュースのトップは間違いなくお前だ!」
うーん。爆発しなくても捕まればトップニュースな気もします。
「頼むよ。これはお前にしかできないんだ!」
「んー。じゃぁ、今回のグループ名は、ジェミーアンドヒズフレンズでいいですかぁ?」
「え~~~~!?」
「そいつはなぁ・・・・」
「ちょっと話が別だよなぁ・・・」
躊躇する僕たち。
なにしろ先ほどのジェミーの発表に一番つっこみを入れていた久保くん。
「別にグループ名・・・なくってもいいじゃん」
「いいえ。先輩。今回は結束が必要なんです!だからグループ名が必要なんですよ」
「だからって・・なぁ。ジェミー&ヒズフレンズ・・・って」
「じゃ。やりません」
「わ、わかった!そのグループ名でいいぞ!」
「なんかイヤイヤそうですね・・・別にいいんですよ?イヤなら」
「い、いや。そんなことないぞ!よかったよな!みんな!素敵なグループ名がついて」
「そうそう。なんか、今回の部隊は、いいグループ名欲しいと思ってたとこなんだよ」
「うん。結束固そう」
「あ、ああ!そうだとも。ビバ!ジェミー&ヒズフレンズ!」
「本当でしょうねぇ?先輩がた」
「うんうん!ほんとほんと」
くっそー。この馬鹿図にのりやがって・・・。
「そいじゃ。結束固める意味で、エールやりましょう!」
「え、え~る~??」
「いいですか、先輩。僕が ”ジェミー&!” って言いますから、みんなでおっかけて ”ソーオン!” って言ってくれます?」
いや。だからまた「その他」になっちゃってるんですけど・・・・。
「それ3回繰り返して、最後、”ファイ オー!” でしめます。いいですね?」
「え”! ここでか?」
だってここは病院の中庭。いろんな通路や病室からまる見えです。
そんなとこで ファイオー! なんてできるわけありません。
が
「ジェミーーーーーーー アンドォ?」
勝手にはじめちゃいました。
「・・・・・・」
「あれ?先輩がた。ちゃんと ”ソーオン!ソーオン” お願いしますよ。なんてったって僕は命かかってんですよ?」
「はい・・・やります・・やります・・・」
「ジェミーーーーーーー アンドォ?」
「ソーオン!ソーオン!ソーオン!」
「ジェミーーーーーーーー!」
「ファイ!」
「おーーーー!」
恥ずかしいどころの騒ぎではありません。
初めてでした。人前で「その他」って叫んだの。
「いいですねー。先輩。これ、明後日の花火大会の会場でもやりましょうね!」
くそーーーー。作戦終わったら、こいつぶっ殺してやる。
なにも言いませんでしたが、みんなの目には殺気がみなぎっていました。
「アンタたち!うるさいわよ!ここどこだと思ってんの!」
西条くん担当の看護婦さんの声。
ごもっともです。
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最後の落ち
よかった。よかった。
これだけを楽しみに土日働きました~笑
やっぱり最高ですね~
円楽師匠。ありがとうございます。
こんばんは。
たまに自分でも、思い出し笑いとかしながら書くものがありますが、エールはまさにそれでした。
あと、最近では豚バラでしょうか。ショッキングなことは覚えているものです。
おおっ!
ということは、エールと豚バラはノンフィクションなんですね!
びつくりです。
豚バラ
もう一人の西条さんへ、お渡ししたんでしたね。
結構お喜びになったかも♪・・・ないか・・・。
上の<表>はとても参考になりますね。
サスペンスドラマの、中1時間頃に必ず出てくるホワイトボードの犯人相関図みたいで(例えが下手でごめんなさい!!)、とってもよく解りました!
>あらべすくさん
あはは。參考になりましたかぁ。なによりです
みんなに追いつけるよう頑張って読んでるkomです。
上のコメ消せませんでした・・・成績表みたいなものを作ろうと思ったのですが
失敗(笑)
消せるようでしたらバシッとお願いします。
>komさん 初登校~
はい。消しました。
がんばってねーーー
≪表≫に「僕」が入ってないのはなぜ?ほんとは3冠なのは「僕」だったり・・・(笑)
うんうん、ジェミーは命張るんだから好きなだけ騒音 騒音していただけばいいよ。
おーーーーーーーーー!(。・o・。)ノ
追いつけるように頑張ってょんでいます。
毎回爆笑ですが、⑤章での感動はまたぃいですね☆
騒音 騒音ーー!!
ジェミー最高です“((o(・Д・o*)
しかし、、、危篤状態だった別人の西条さんは、一体どうなったんでしょうね…。
豚バラは誰か食べたんでしょうか…。
やっぱこいつ等サイコォォォォ!!
やることと発想、面白す。
おもしろい!
表のどこに「僕」がはいるのか、
とても気になります!