<おことわり:本日2話連続アップです>
「アニキ!また家の家電品持ち出して!」
聞き慣れない怒声が後ろからして、僕たちは一斉に振り向きました。
一緒に振り向いた先生が
「う、うるさい」。
「あ・・・君はさっきの・・・」。
ミニクーパーの助手席にいた女性です。
先生、
「あ~~~。紹介しよう。彼女は私の助手で、ピ・・・・」。
まで言って、孝昭くんと目が合ってしまい
「ピ・・・ピノヨ・・・」。
なんだそのバッタ屋のまがい品みたいな呼び名は?
「な~~~にがピノヨよ!ざけんじゃないわよ!」
あ・・・なんか強そうな雰囲気。
それでも僕たちは、雁首を揃えて
「あ。こんにちは~~~。はじめまして~。ピノ・・・ヨさん」。
頭を下げました。
目の前にして見る彼女は、上下ジーンズというボーイッシュな恰好で、車でちょっと見たときの「美人」という印象とは違いましたが、いかにも利発そうな顔立ちで、なかなかなものでした。
「あ。ごめんなさい。私、妹の奈々です」。
ペコリと頭を下げ返す彼女。
「妹さん?」
「へぇ・・・」
「奈々さん・・・?」
「大場奈々さん?」
「大バナナ?」
最後はまたも孝昭くん。
先生。これを聞いて
「わははははは」。
そうか。妹の場合は笑うんだ。
なんてやつ。
が、奈々ちゃん。孝昭くんに
「今度、その呼び方したら、殺す」。
「ご、ごめん・・・・」。
あ~。ややこしい名前の兄妹。
僕が
「ひょっとすると君、フランダースの犬とか好き?」
「え?大好きだけど。なんで?」
「やっぱし・・・」。
大きくうなづく僕たち。
「ピノ・・・ヨ。車からサラシとホース用意してくれ」。
BJは、どうやらピノヨで通す気のようです。
スポットライトの電源が入れられると、突然の明るさに動揺したのか、クイーンがブルルと、初めて小さく暴れました。
先生は、クイーンの顔をつかむと、自分の顔をくっつけて
「どぉーーー、どぉーーーー。心配ないぞーー」
なだめ始めました。
するとどうでしょう?クイーンは、それ以上暴れ出すこともなく、小さくいななくと、また静かになりました。
奈々ちゃんが
「サラシとホースね?」
車の方へと走って行きました。
これを確認しながら先生。
「妹は君らと同じだな。高3なんだ」。
「へぇ~~~~」
「歳離れてるんですね」。
先生は、見た目30歳近くに見えます。
少なくともピンクバイの五十嵐さんよりは上。駐在さんよりちょっと下くらい?
「うん。4人兄弟の末っ子だから」。
「可愛いですね」。
「お世辞はいいよ。妹だし。ま~~~生意気盛りで。君らも怪我させられないようにな。こいつと違ってジャジャ馬だから」。
「はぁ・・・」。
「気をつけます」。
『フランダースの犬』好きが、いかに要注意か、僕たちは、文字通り痛いほど知っています。
その奈々ちゃんが重そうに大きく束ねられたホースと、白いサラシを持って戻って来ました。
「アニキー!持って来た!吊るすの?」
どうやら奈々ちゃんは、こういう治療に立ち会うのが初めてではないようです。
「なんです?このホース」。
僕がたずねると
「ああ。消防署のお古だよ。ロープなんかより食い込まない上に丈夫だからね」。
なるほど~~~。
BJ。まんざらでもないかも。
奈々ちゃん。
「あ。兄貴、こんなんだけど腕は確かだから」。
「こんなんだけ余計だ!」
まんざら不仲でもないようです。BJ兄妹。
「よし。吊るそう。君たち、手伝ってくれるかい?」
「はい!」
「ピノ・・・ヨも」。
「はいはい。ピノヨね」。
僕たちも手伝って、チャーリークイーン吊り下げ作戦です。
先生の指示は、実に手際良く、サラシとホースを使って、15分ほどで吊り下げ作業完了。
「すげ!」
「はや!」
しかしこのひとことがよくなかった。
「フ・・・。みなさん、よくそうおっしゃる・・・」。
また入っちゃった?
※本日2話連続アップ。13章-第6話へどうぞ



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「アニキ!また家の家電品持ち出して!」
聞き慣れない怒声が後ろからして、僕たちは一斉に振り向きました。
一緒に振り向いた先生が
「う、うるさい」。
「あ・・・君はさっきの・・・」。
ミニクーパーの助手席にいた女性です。
先生、
「あ~~~。紹介しよう。彼女は私の助手で、ピ・・・・」。
まで言って、孝昭くんと目が合ってしまい
「ピ・・・ピノヨ・・・」。
なんだそのバッタ屋のまがい品みたいな呼び名は?
「な~~~にがピノヨよ!ざけんじゃないわよ!」
あ・・・なんか強そうな雰囲気。
それでも僕たちは、雁首を揃えて
「あ。こんにちは~~~。はじめまして~。ピノ・・・ヨさん」。
頭を下げました。
目の前にして見る彼女は、上下ジーンズというボーイッシュな恰好で、車でちょっと見たときの「美人」という印象とは違いましたが、いかにも利発そうな顔立ちで、なかなかなものでした。
「あ。ごめんなさい。私、妹の奈々です」。
ペコリと頭を下げ返す彼女。
「妹さん?」
「へぇ・・・」
「奈々さん・・・?」
「大場奈々さん?」
「大バナナ?」
最後はまたも孝昭くん。
先生。これを聞いて
「わははははは」。
そうか。妹の場合は笑うんだ。
なんてやつ。
が、奈々ちゃん。孝昭くんに
「今度、その呼び方したら、殺す」。
「ご、ごめん・・・・」。
あ~。ややこしい名前の兄妹。
僕が
「ひょっとすると君、フランダースの犬とか好き?」
「え?大好きだけど。なんで?」
「やっぱし・・・」。
大きくうなづく僕たち。
「ピノ・・・ヨ。車からサラシとホース用意してくれ」。
BJは、どうやらピノヨで通す気のようです。
スポットライトの電源が入れられると、突然の明るさに動揺したのか、クイーンがブルルと、初めて小さく暴れました。
先生は、クイーンの顔をつかむと、自分の顔をくっつけて
「どぉーーー、どぉーーーー。心配ないぞーー」
なだめ始めました。
するとどうでしょう?クイーンは、それ以上暴れ出すこともなく、小さくいななくと、また静かになりました。
奈々ちゃんが
「サラシとホースね?」
車の方へと走って行きました。
これを確認しながら先生。
「妹は君らと同じだな。高3なんだ」。
「へぇ~~~~」
「歳離れてるんですね」。
先生は、見た目30歳近くに見えます。
少なくともピンクバイの五十嵐さんよりは上。駐在さんよりちょっと下くらい?
「うん。4人兄弟の末っ子だから」。
「可愛いですね」。
「お世辞はいいよ。妹だし。ま~~~生意気盛りで。君らも怪我させられないようにな。こいつと違ってジャジャ馬だから」。
「はぁ・・・」。
「気をつけます」。
『フランダースの犬』好きが、いかに要注意か、僕たちは、文字通り痛いほど知っています。
その奈々ちゃんが重そうに大きく束ねられたホースと、白いサラシを持って戻って来ました。
「アニキー!持って来た!吊るすの?」
どうやら奈々ちゃんは、こういう治療に立ち会うのが初めてではないようです。
「なんです?このホース」。
僕がたずねると
「ああ。消防署のお古だよ。ロープなんかより食い込まない上に丈夫だからね」。
なるほど~~~。
BJ。まんざらでもないかも。
奈々ちゃん。
「あ。兄貴、こんなんだけど腕は確かだから」。
「こんなんだけ余計だ!」
まんざら不仲でもないようです。BJ兄妹。
「よし。吊るそう。君たち、手伝ってくれるかい?」
「はい!」
「ピノ・・・ヨも」。
「はいはい。ピノヨね」。
僕たちも手伝って、チャーリークイーン吊り下げ作戦です。
先生の指示は、実に手際良く、サラシとホースを使って、15分ほどで吊り下げ作業完了。
「すげ!」
「はや!」
しかしこのひとことがよくなかった。
「フ・・・。みなさん、よくそうおっしゃる・・・」。
また入っちゃった?
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- 13章-第6話 獣医師BJ(6)
- 13章-第5話 獣医師BJ(5)
- 13章-第4話 獣医師BJ(4)
キャラがいいですね~、ますます楽しいせりふが期待できそう~。
チャーリークイーン頑張って!良くなりますように!!
この兄妹、名前が・・・
苗字が大場じゃなくてよかったな。
消防署のロープですか。
BJさんと発想が似てるような、似てないような・・・
ピノヨって・・・w
追記;二連続アップお疲れ様です。これからの展開がわくわくです。
も~フランダースの犬が元気印?のバロメータなんてどうしましょ~。かくいう私も心奪われた一人でございますが・・・・・ご・ご想像にお任せいたします。(うえーん、半分正解!なんちって)
この兄妹どうにかならんか?
こんなになったらもう病気だよ・・・
手塚さんが見たらどう思うだろうな・・・
入っちゃった(笑
大バナナ~~~(o_ _)oヾwwwww
ピノコで通せなかったんだ・・・。BJ無念。
しょうがない、あマイワールドだし・・・。
でも、チャーリークイーンなだめるとことか、
手際のよさとかは、信頼できそうな獣医さんです。
それ以外は・・・楽しい方のようで・・・。
大バカさんに大バナナさんですか。
親御さんは、名前をつけた時、思いも
よらなかったのでしょうか?
でもBJとピノヨで通すみたいですから一安心。
アッチョンブリケ~。
ちぇんちぇえ、ピノヨってなにさ~(笑)≧(´▽`)≦
ピノヨ・・・・・
中国の遊園地にいそうだ(^▽^;)
妹さんの奈々ちゃんはマトモでよかった…(^^)ホッ
お兄さんも、入んなきゃイイ医者なのにな~
ほほぉ…、ピノコさんですか。同い年のこういうキャラはいませんでしたな。なにか恋愛にでも発展するのかしら?
しかしこの一言がって…いったい??
>saraさん 級長。
一番載り認定!
リクエスト応えたばっかしなのにすごいですね~
>チャーリークイーン頑張って!良くなりますように!!
これが長い闘いになります
駐在さんの奥さんが、BJと結婚しなくて本当によかった。
ピ、ぴ、ピノ・・・ヨってそこまで通したいのかよ。
大ババナもストライクです。ばい。
この妹さん、お兄さんのいい手綱役ですね。
世の中うまいことできているものです(?)
大場久美子と岡田奈々足して2で割った?
それは無いか!
お欄さん2号
でも、BJって意外に名医
フランダースの犬を好きな人がみんな危険とは限らないんじゃ?
BJは腕だけは確かなようで安心です。
おはようございます!
あ、、、良かった、、、何となく大丈夫そう? (笑)
BJ頑張って~!
ピノヨさん、、、かぁ、、(笑)面白くなりそう!
パトラッシュ~~!!
あたしもなきましたよぅ!!
奈々ちゃん、早苗おねぇさんに続いて、あたし好みの女の子!!
うふふふふ、楽しみだわぁ
大ばなな!?
大場家の人ネーミングセンスありすぎ☆
今日の標語
早めに聞いておこうフランダース好き
お欄さま再来か・・・・・?
大バカ先生に大バナナさんですか
大葉家ってきっと面白い家なんでしょうねw
でも腕が確かみたいなので安心しました
「君、フランダースの犬とか好き?」 と尋ねる時点で、みんなのトラウマ度わかりますねぇ。
ばななちゃんが、お欄さんといっしょの思考&行動パターンの人だったらどうしよう。
刃物が身近にあるぶんだけ、ばななちゃんの方がキケンかも。
…オイラも、フランダースの犬…好きよ(´・ω・`)
危険ですか?(T▽T)
大バナナ(爆)
BJ、腕は確かなようで一安心です
ちゃんとやってるじゃん!BJ先生。
妹の奈々ちゃんも頼りがいがありそうだし、とりあえず安心~。
でも、変なスイッチ入っちゃった…(笑)?
つづきつづき…
バナナちゃんは普通の人なんですね。
あ、でも『フランダースの犬好き』だからあながち普通でもない…かも。
変なスイッチ。次回はまた大変そう…。
Dr.BJ腕は確かなようで一安心
おおばななちゃんには「フランダースの犬」だけじゃなくて、「母をたずねて三千里」が好きかも聞いたほうがいいかも?
うーん。なんていうか、ばななチャンに少し親近感・・・
おぉ!!またもやドSな女キャラが♪
ぼくちゅう最大の魅力だね♪
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これで「ロボトミー」まで言い出したら完璧だなw
「フランダースの犬」…………
催眠効果でもあるのか?
それとも、暴れん坊少女が「フランダースの犬」に惹きつけられるのか?
大場さんって名前付けるの大変なんだなあ。
うんうん。