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第7話 ドラゴン大会(1)

あの神主、お正月の余り物くれやがったな?
しかし。「お守り」の御利益か、少なくともグレート井上くんにはまさしく神様のお恵みがありました。いえ、安産じゃなくって。
それは神社の掃除も終えて、心臓破りの階段を降りていた時のことです。
すでにあたりは暗くなりはじめ、神社の杉木立からはヒグラシの声。
下から、階段を上って来る女性の姿が見えました。
それがなんと!
駐在さんの奥さんの妹さん、つまり美奈子さん!
「あっ!」
「あれ?君たちは昨日の・・・」
「こんにちは~美奈子さん♪」
「変態高校生一味!」
「ちがいますよ・・・・」
掃除の疲れがどっと吹き出す僕たち。
「なにかしてるの?神社に」
えっと。聞き方、おかしくないですか?
普通「神社で」でしょう。
なんなんでしょうか。「神社に」って。
「だって君たち、毎日どっかで悪さしてるって、義兄が・・・・」
駐在~!
「ち、違いますよ。今日はボランティアで掃除してきたんですよ。神社を」
「ふーん。えーっと、それで、それはなんの罰なの?」
この方、どうもよくわかっていない、と言うか、よくわかっていると言うか・・・。
「それより、美奈子さんこそなにしてるんです?こんな夕暮れ時に」
♪よびだしたりしてごめんごめん (← わかる方だけわかっていただければけっこうです)
「デートですかぁ?」
西条くんの質問に、うつむいてしまったのはグレート井上くん。
そうです。当時、田舎のデートスポットや待ち合わせ場所としては、けっこうポピュラーな場所でした。神社。
即座に西条くんに対しローキックをくらわす村山くん。
美奈子さん、
「ウフフ。ちがうわよ。こっちに知り合いなんかいないもの。星がよく見えるところを探しているの」
抱えた大きな望遠鏡を指差して言いました。
「あ。そうだ!君たち、どっか星がよく見える場所知らない?」
「あ!俺の部屋、それも布団の上からとってもよく見えます!」
と言う西条くんに、激しくエルボーをくらわす村山くん。
「そうですね~。このあたりだったら姫沼あたりがいいと思いますよ」
「姫沼?」
姫沼は、僕と西条くんが駐在さんに置き去りにされかけた、例の「森のくまさん」の沼。
ほとりには広場があり、街の光が遮断される姫沼は、星の観測にはまさに格好の場所でした。
が、なにより、姫沼はグレート井上くんの家が通り道にあったのです。
「そこ、星よく見えるの?」
「ええ。よく見えるなんてもんじゃありません。M78星雲で暮らすウルトラマン一家が肉眼で確認できるんですよ」
「うん。こないだピクニック行ってるのが見えたよな。ウルトラマン一家が」
「そうそう。ウルトラの母が5mくらいあるオニギリ持ってきてた」
「タロウがおいしいおいしいって食べてました」
「ウフフ。声まで聴こえるの?アナタたちってホント面白いのね。姉の言う通りだわ」
「コイツの家、近いから、井上に案内してもらうといいですよ」
「じゃぁ、お言葉に甘えようかしら?」
おお!うまくいった!
「ええ。でも、夜は危ないから、こいつについてってもらうといいですよ。なぁ。井上、いいだろう?」
「え、ええ、もちろん」
「そうです、そうです。危ないから俺もついてきますよ!」
と、余計な茶々を入れる西条くんに、村山くんがアックスボンバーをくらわせながら
「西条、今日、電車、6時が終電なんだってさ。乗り遅れるとたいへんだぞ」
どうやら村山くんも、親友井上くんの「恋心」に気を使っているようです。
しかし、終電6時って、どういう過疎村でしょう?
村山くんの配慮にようやく気づいた西条くんも
「あ。そうだ。俺、そう言えば母ちゃんが重い病に倒れたんだった。帰らなくちゃ」
そりゃ初耳。ですが、この友情にはちょっと胸をうたれました。正直なところ。
が、グレート井上くん、
「うん、でもやっぱり一人じゃぶっそうだから、誰かほかにもつきあってくれよ」
「そうか・・・・。それも言えているな」
姫沼は、その広場と隣の市に近いという立地から、週末ごとに不良がたむろすという噂がありました。
そして今日はその週末。
「じゃぁ、やっぱり西条か孝昭にでも来てもらえば安全かな?」
別な意味で安全じゃないようにも思いますが・・・。
「西条君ってそんなに強いの?」
「強いなんてもんじゃないすよ。こないだなんかキングギドラと渡り合ったくらいですから」と、千葉くん。
当の西条くん、
「ああ、でも、アイツ、首3つもあるんで口喧嘩は強かったな。3つの悪口、同時に言えるんだぜ」
ここでも「ぷっ」と吹き出す美奈子さん。
か、か、か、かわゆい♪
お姉さん(駐在さんの奥さん)より上かも?
「でも、やっぱり悪いわ・・・。」
「いいえー。僕たち、明日は休みですし。夜遊びは僕たちの課外活動のひとつですから」
「あ!そうだ。こないだ間違って買った花火あるからさ。みんなで姫沼に集まるってのはどうだ?」
そうです。ジェミーが間違えて買ってしまった花火が手つかずで残っています。
「ナイスアイディア!みんな呼ぼう!そうすりゃ安全だし」
「どうです?美奈子さんは」
「ウン。楽しそう♪ うれしいわ」
「花火、いっぱいあるんだろ?ジェミー」
「ええ。あります!線香花火が20本と〜。あとドラゴン40個」
なんだそりゃっ?
「だって。ドラゴン好きなんですもん」
みんな・・・・・来るかなぁ・・・・・・。
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あの神主、お正月の余り物くれやがったな?
しかし。「お守り」の御利益か、少なくともグレート井上くんにはまさしく神様のお恵みがありました。いえ、安産じゃなくって。
それは神社の掃除も終えて、心臓破りの階段を降りていた時のことです。
すでにあたりは暗くなりはじめ、神社の杉木立からはヒグラシの声。
下から、階段を上って来る女性の姿が見えました。
それがなんと!
駐在さんの奥さんの妹さん、つまり美奈子さん!
「あっ!」
「あれ?君たちは昨日の・・・」
「こんにちは~美奈子さん♪」
「変態高校生一味!」
「ちがいますよ・・・・」
掃除の疲れがどっと吹き出す僕たち。
「なにかしてるの?神社に」
えっと。聞き方、おかしくないですか?
普通「神社で」でしょう。
なんなんでしょうか。「神社に」って。
「だって君たち、毎日どっかで悪さしてるって、義兄が・・・・」
駐在~!
「ち、違いますよ。今日はボランティアで掃除してきたんですよ。神社を」
「ふーん。えーっと、それで、それはなんの罰なの?」
この方、どうもよくわかっていない、と言うか、よくわかっていると言うか・・・。
「それより、美奈子さんこそなにしてるんです?こんな夕暮れ時に」
♪よびだしたりしてごめんごめん (← わかる方だけわかっていただければけっこうです)
「デートですかぁ?」
西条くんの質問に、うつむいてしまったのはグレート井上くん。
そうです。当時、田舎のデートスポットや待ち合わせ場所としては、けっこうポピュラーな場所でした。神社。
即座に西条くんに対しローキックをくらわす村山くん。
美奈子さん、
「ウフフ。ちがうわよ。こっちに知り合いなんかいないもの。星がよく見えるところを探しているの」
抱えた大きな望遠鏡を指差して言いました。
「あ。そうだ!君たち、どっか星がよく見える場所知らない?」
「あ!俺の部屋、それも布団の上からとってもよく見えます!」
と言う西条くんに、激しくエルボーをくらわす村山くん。
「そうですね~。このあたりだったら姫沼あたりがいいと思いますよ」
「姫沼?」
姫沼は、僕と西条くんが駐在さんに置き去りにされかけた、例の「森のくまさん」の沼。
ほとりには広場があり、街の光が遮断される姫沼は、星の観測にはまさに格好の場所でした。
が、なにより、姫沼はグレート井上くんの家が通り道にあったのです。
「そこ、星よく見えるの?」
「ええ。よく見えるなんてもんじゃありません。M78星雲で暮らすウルトラマン一家が肉眼で確認できるんですよ」
「うん。こないだピクニック行ってるのが見えたよな。ウルトラマン一家が」
「そうそう。ウルトラの母が5mくらいあるオニギリ持ってきてた」
「タロウがおいしいおいしいって食べてました」
「ウフフ。声まで聴こえるの?アナタたちってホント面白いのね。姉の言う通りだわ」
「コイツの家、近いから、井上に案内してもらうといいですよ」
「じゃぁ、お言葉に甘えようかしら?」
おお!うまくいった!
「ええ。でも、夜は危ないから、こいつについてってもらうといいですよ。なぁ。井上、いいだろう?」
「え、ええ、もちろん」
「そうです、そうです。危ないから俺もついてきますよ!」
と、余計な茶々を入れる西条くんに、村山くんがアックスボンバーをくらわせながら
「西条、今日、電車、6時が終電なんだってさ。乗り遅れるとたいへんだぞ」
どうやら村山くんも、親友井上くんの「恋心」に気を使っているようです。
しかし、終電6時って、どういう過疎村でしょう?
村山くんの配慮にようやく気づいた西条くんも
「あ。そうだ。俺、そう言えば母ちゃんが重い病に倒れたんだった。帰らなくちゃ」
そりゃ初耳。ですが、この友情にはちょっと胸をうたれました。正直なところ。
が、グレート井上くん、
「うん、でもやっぱり一人じゃぶっそうだから、誰かほかにもつきあってくれよ」
「そうか・・・・。それも言えているな」
姫沼は、その広場と隣の市に近いという立地から、週末ごとに不良がたむろすという噂がありました。
そして今日はその週末。
「じゃぁ、やっぱり西条か孝昭にでも来てもらえば安全かな?」
別な意味で安全じゃないようにも思いますが・・・。
「西条君ってそんなに強いの?」
「強いなんてもんじゃないすよ。こないだなんかキングギドラと渡り合ったくらいですから」と、千葉くん。
当の西条くん、
「ああ、でも、アイツ、首3つもあるんで口喧嘩は強かったな。3つの悪口、同時に言えるんだぜ」
ここでも「ぷっ」と吹き出す美奈子さん。
か、か、か、かわゆい♪
お姉さん(駐在さんの奥さん)より上かも?
「でも、やっぱり悪いわ・・・。」
「いいえー。僕たち、明日は休みですし。夜遊びは僕たちの課外活動のひとつですから」
「あ!そうだ。こないだ間違って買った花火あるからさ。みんなで姫沼に集まるってのはどうだ?」
そうです。ジェミーが間違えて買ってしまった花火が手つかずで残っています。
「ナイスアイディア!みんな呼ぼう!そうすりゃ安全だし」
「どうです?美奈子さんは」
「ウン。楽しそう♪ うれしいわ」
「花火、いっぱいあるんだろ?ジェミー」
「ええ。あります!線香花火が20本と〜。あとドラゴン40個」
なんだそりゃっ?
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- 5章:第7話 ドラゴン大会(1)
- 5章:第6話 御利益(ごりやく)
1位じゃなくなってる!
ひさしぶりです。スパイダーマンDXです。
ランキングクリックしたら、なんと1位から脱落?
しかもしかも。1位がめちゃくちゃヘンなのなんだけど。
なんだあれ?
あれってインチキだよな。間違いなく。
はらたつ~~~~のり。
うーん。私の不徳の致す所でございまして、まことに申し訳ございませぬ。
スパイダーマンさん、おひさしぶりでしたねー。
でもまぁ、ここもついひと月前までは30位でしたから。それでもずいぶんと喜びますた。
あせらずとも面白ければみんな読み続けますし、面白くなければ読まなくなると思います。
ただ、ここはドキュメントなんで終わりがあるんですよねぇ。
せめて終わる前に、もう一度返り咲きたいものです。
どんだけドラゴン好きなんでしょう… もう夜中だと言うのに、笑いが止まりません(*´∇`*)
ぃぁぃぁ。
ほんと面白すぎですよ!!!
休日出勤する程仕事に追われてるのに
仕事が手につかなくなっちゃいましたょ!!!
どぅしてくれるんですか!
といいつつポチッっとなw
爽やかな風、吹いてきましたね。
美奈子さんと、西条くん達のやり取りが目に見えるようです♪
恋したから、見分けられる。
うん。素敵ですね。
懐かしい歌でした。色付きの文字
呼び出したりしてごめんごめん♪
思わず歌ってしまいました。
面白くて楽しくて喜んで読ませてもらってます。
でも、まだここ(笑
ほのぼのあったかいお話しを ありがとうございます。
今日のUPに追いつける日はいつかな?
>りりさん
いらっしゃいまし。
ここから5章フィナーレまでいっきにお楽しみください。
▲---------
>小鳥枝さん
>恋したから、見分けられる。
うん。素敵ですね。
はい。とっても不思議です
▲---------
>禅さん
>仕事が手につかなくなっちゃいましたょ!!!
どぅしてくれるんですか!
申し訳ない・・・
♪よびだしたりしてごめんごめん
高2の夏によく口ずさんでました。
懐かしさのあまり ついカキコ。
ひょっとして作者様は同世代?
映画楽しみにしてます。
♪よびだしたりしてごめんごめん
わかっちゃったよ10代なのに・・・
母が好きなのでよく聞かされてました。
呼び出したりしてごめんごめん。そんなにふくれちゃあいやあだよ。ユウヤケ時は・・・
すみません。小学生にみえないですね。うん
じゅんれんか歌います。
すぅっきでっすすぅっきですこっころぉから~
すみません。ひらがなばかりで・・・。
「ええ。よく見えるなんてもんじゃありません。M78星雲で暮らすウルトラマン一家が肉眼で確認できるんですよ」。
「うん。こないだピクニック行ってるのが見えたよな。ウルトラマン一家が」。
「そうそう。ウルトラの母が5mくらいあるオニギリ持ってきてた」。
「タロウがおいしいおいしいって食べてました」。
ありえねぇ―――― 笑
めっちゃウケる☆