携帯用カウンター 
←第8話 夕陽の決闘(2)へ|第11話 夕陽の決闘(4)へ→
←【10000アクセス御礼】へ
▼携帯用いきなりコメント欄
第10話 夕陽の決闘(3)
駐在所に潜入したメンバーは僕を含めて3人。
1番背の高い村山くんと、1番背の低いジェミー、こと丹下くん。そして僕です。
プラス1人が外で見張り役をしました。
西条くんの駐在さんを引き止める腕にかかっていましたが、僕たちの役割は、最も危険で、そして最も時間がありません。
村山くんは、入ったと同時に、駐在所の額縁を下ろしにかかりました。
ご存知ないかも知れませんが、駐在所、というか交番という交番には、なぜか警視総監か誰かの教訓が書かれた額縁があります。
これを下ろす作業があったために、背の高い村山くんが必要でした。
僕とジェミーは机周りです。
ジェミーは、逆に一番小さいので、隠れる作業に非常に適しておりました。
いわゆる適材適所というやつです。
「ところで先輩」
小声でジェミー。
「これって犯罪になんないんですかね?」
ししは16とか言っていた割合にするどいところをついてきます。
「馬鹿だな。モノを盗めば泥棒だけど、僕たちは物を置いていくんだぞ?」
「それはそうですけど・・・」
「例えば、お前の部屋に突然使い古しのパンティがあったらどう思う?」
「ものすごっうれしいっす!」
「だろう?人に喜ばれることをやって犯罪なものか」
「あ!そうか。それもそうですね!」
「自分がされてうれしいことは人にもやってあげなさいって、小学校で教わらなかったか?」
「はいっ!教わりました!」
扱いやすいぞ。コイツ。
では、僕たち設置班の作業を順番に説明いたしましょう。
作業は大きく4つありましたが、重要なのは2つで、あとは「撒き」です。
「まき」とは、僕たちの専門用語で、バレるためにある悪戯のことを意味します。
僕たちが持って来たのは、使用済み加工パンティ5枚と、西条くんの『○Mファン』から切り取った「とんでもねーグラビア」2枚。
まず、駐在所の机にかかっているビニールカバーを開けてここに1枚「とんでもねーグラビア」をはさみます。
これもご存知ないかも知れませんが、交番の机は、調書などをボールペンで書いてもらうために、客(?)の座る机には、たいていソフトビニールのカバーがかかっています。
このカバーの下には、さらに緑色のウレタン材のような下敷きがあり、ここの間に書類などを挟む事ができます。
グラビアの上には、駐在所の適当な書類を適当に上げて隠しました。
次に村山くんの下ろした額縁を開け、やはり中に「さらにとんでもねーグラビア」1枚をはさみ、元にもどします。警視総監もこんなグラビアが上にのるとは思ってもみなかったでしょう。
今となってはどうでもいいことですが、時間のない中では、これが最も大変な作業でした。さすが警視総監!
次に使用済みパンティ。
うち2枚は、すでに「ハンカチと見分けがつかない」状態にアイロンがけされておりました。
これを、駐在さんの上着のポケットに入れます。
1枚はゴミ箱の中に。おもいっきり広げてかけておきます。
そして。これが最もかんじんなのですが、1枚を電話機にかけます。
これがまた見事に電話カバーになるんですよ。判りにくいので、詳細図面入れておきました。
受話器受けのところなんか、もう芸術品なんですから。

当時は、まだ駐在所の電話もダイヤル式の黒電話でした。
交番には、さらにもう1台の黒電話があるのが普通でしたが、これは内線用、つまり警察署同士のやりとりのものらしく、少し形状が異なり型式も古いものでした。
余談ながら、このパンティ電話カバー。これより10年近くも経った頃、学生仲間がパンティをひろった時もやはり同じようにカバーにしておりました。
教えもしないのに、男の考えることってあんまりかわらないものだなぁ、と、つくづく感心したものです。
ただし。僕たちのパンティ電話カバーは、趣味ではありませんのでちょっと違うところがありました。
それは、極めてはずしにくく加工してあったことです。
僕たちは、3人でこれだけの作業を駐在さんがもどるまでに終わらせる必要がありました。
それは極めて短時間なことですから、手際の良さが必要です。
「よし!使用済みパンティ!」
「はいっ」
「つぎ!エログラビア!」
「はいっ」
「先輩!」
「なんだ?」
「なんかブラックジャックみたいでカッコイイですね!」
ブラックジャックが「エログラビア」なんて言うか?
「うーん。ボクってピノコ?」
「ああ。次はバイオニックピノコにしてやるよ」
「え~?あっちょんぶりけ?」
まんざらでもなさそうでした。丹下くん。
ああいうのが癖になるって、本当なんですね。
あっという間に仕掛けを終えた僕たちが、コソコソと駐在所から抜け出し、西条くんに合図を送ると、外は目にしみるような夕陽。
そして、その夕陽を背に、足早にこちらに向かっている杏子先生たちの姿が見えました。
さぁ、決闘だ!
←第8話 夕陽の決闘(2)へ|第11話 夕陽の決闘(4)へ→
←【10000アクセス御礼】へ
←第8話 夕陽の決闘(2)へ|第11話 夕陽の決闘(4)へ→
←【10000アクセス御礼】へ
▼携帯用いきなりコメント欄
第10話 夕陽の決闘(3)
駐在所に潜入したメンバーは僕を含めて3人。
1番背の高い村山くんと、1番背の低いジェミー、こと丹下くん。そして僕です。
プラス1人が外で見張り役をしました。
西条くんの駐在さんを引き止める腕にかかっていましたが、僕たちの役割は、最も危険で、そして最も時間がありません。
村山くんは、入ったと同時に、駐在所の額縁を下ろしにかかりました。
ご存知ないかも知れませんが、駐在所、というか交番という交番には、なぜか警視総監か誰かの教訓が書かれた額縁があります。
これを下ろす作業があったために、背の高い村山くんが必要でした。
僕とジェミーは机周りです。
ジェミーは、逆に一番小さいので、隠れる作業に非常に適しておりました。
いわゆる適材適所というやつです。
「ところで先輩」
小声でジェミー。
「これって犯罪になんないんですかね?」
ししは16とか言っていた割合にするどいところをついてきます。
「馬鹿だな。モノを盗めば泥棒だけど、僕たちは物を置いていくんだぞ?」
「それはそうですけど・・・」
「例えば、お前の部屋に突然使い古しのパンティがあったらどう思う?」
「ものすごっうれしいっす!」
「だろう?人に喜ばれることをやって犯罪なものか」
「あ!そうか。それもそうですね!」
「自分がされてうれしいことは人にもやってあげなさいって、小学校で教わらなかったか?」
「はいっ!教わりました!」
扱いやすいぞ。コイツ。
では、僕たち設置班の作業を順番に説明いたしましょう。
作業は大きく4つありましたが、重要なのは2つで、あとは「撒き」です。
「まき」とは、僕たちの専門用語で、バレるためにある悪戯のことを意味します。
僕たちが持って来たのは、使用済み加工パンティ5枚と、西条くんの『○Mファン』から切り取った「とんでもねーグラビア」2枚。
まず、駐在所の机にかかっているビニールカバーを開けてここに1枚「とんでもねーグラビア」をはさみます。
これもご存知ないかも知れませんが、交番の机は、調書などをボールペンで書いてもらうために、客(?)の座る机には、たいていソフトビニールのカバーがかかっています。
このカバーの下には、さらに緑色のウレタン材のような下敷きがあり、ここの間に書類などを挟む事ができます。
グラビアの上には、駐在所の適当な書類を適当に上げて隠しました。
次に村山くんの下ろした額縁を開け、やはり中に「さらにとんでもねーグラビア」1枚をはさみ、元にもどします。警視総監もこんなグラビアが上にのるとは思ってもみなかったでしょう。
今となってはどうでもいいことですが、時間のない中では、これが最も大変な作業でした。さすが警視総監!
次に使用済みパンティ。
うち2枚は、すでに「ハンカチと見分けがつかない」状態にアイロンがけされておりました。
これを、駐在さんの上着のポケットに入れます。
1枚はゴミ箱の中に。おもいっきり広げてかけておきます。
そして。これが最もかんじんなのですが、1枚を電話機にかけます。
これがまた見事に電話カバーになるんですよ。判りにくいので、詳細図面入れておきました。
受話器受けのところなんか、もう芸術品なんですから。

当時は、まだ駐在所の電話もダイヤル式の黒電話でした。
交番には、さらにもう1台の黒電話があるのが普通でしたが、これは内線用、つまり警察署同士のやりとりのものらしく、少し形状が異なり型式も古いものでした。
余談ながら、このパンティ電話カバー。これより10年近くも経った頃、学生仲間がパンティをひろった時もやはり同じようにカバーにしておりました。
教えもしないのに、男の考えることってあんまりかわらないものだなぁ、と、つくづく感心したものです。
ただし。僕たちのパンティ電話カバーは、趣味ではありませんのでちょっと違うところがありました。
それは、極めてはずしにくく加工してあったことです。
僕たちは、3人でこれだけの作業を駐在さんがもどるまでに終わらせる必要がありました。
それは極めて短時間なことですから、手際の良さが必要です。
「よし!使用済みパンティ!」
「はいっ」
「つぎ!エログラビア!」
「はいっ」
「先輩!」
「なんだ?」
「なんかブラックジャックみたいでカッコイイですね!」
ブラックジャックが「エログラビア」なんて言うか?
「うーん。ボクってピノコ?」
「ああ。次はバイオニックピノコにしてやるよ」
「え~?あっちょんぶりけ?」
まんざらでもなさそうでした。丹下くん。
ああいうのが癖になるって、本当なんですね。
あっという間に仕掛けを終えた僕たちが、コソコソと駐在所から抜け出し、西条くんに合図を送ると、外は目にしみるような夕陽。
そして、その夕陽を背に、足早にこちらに向かっている杏子先生たちの姿が見えました。
さぁ、決闘だ!
←第8話 夕陽の決闘(2)へ|第11話 夕陽の決闘(4)へ→
←【10000アクセス御礼】へ
- 関連記事
-
- 4章:第11話 夕陽の決闘(4)
- 4章:第10話 夕陽の決闘(3)
- 4章:第9話 夕陽の決闘(2)
ドキドキしてきました。
次の展開が気になり眠れそうにありません。
(うそです。ベッドに入って5秒で爆睡です。)
引き続きぺこら~さん、ありがとうございますぅ。
ところで作戦には2枚ほどパンツが足りなくなってしまったのですが、ぺこら~さん、いただけませんでしょうか?
豹柄以外のやつを。
ランキング ベスト1 が待っている!
みんな あれに向かって進むんだ!
・
・
明日が楽しみ
はじめまして。
はじめてきて一気読みしました。
これはすごいですねー。おもしろいです!
今まで読んださまざまな青春コメディと言われる本と比較しても、ダントツの面白さです。
応援します!がんばって続けてください。
いつもいつもありがとうございます。
ほんとにねー。1位はおどろきですね。
独立してよかった・・・・。
この作戦。今日アップいたしました!
11話~12話に渡りますが、ぜひぜひお読みください。
本当に数少ない傑作な作戦でした。
ようこそおいでくださいました。
お褒めにあやかりまして光栄です。
この話、創作部分もあるとは言え、ノンフィクションなので最後まで流れが決まっています。
飽きられないようがんばりますので、ぜひぜひ続けてお読みください!
この頃はまだ扱い易かったんですねジェミー(笑)