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<おことわり>本日も2話連続アップです~~
Y市。大和中学校で下車した僕たちは、その足で北女へと向かいました。
この時、スケ番お欄は中3で、まだ北女には入っていません。
麻生くん(チャーリー)は、僕のとなりを歩きながら、さかんに話しかけてきます。
「女子校ってのは考えたなぁ~」。
「うん。中学生は、持っているお金たか知れてるからね」。
「確かに」。
「これが男子高校生になるとね。からまれたりする上に、まとまった金使うからダメなんだ」。
「まとまった?」
「ほら。それこそバイクとか。ま、金遣い、荒いよね」。
「ふんふん」。
「その点で女子高生はさ。ファッションにかける金、ハンパじゃない」。
「なるほどな~~~」。
「OLさんとかならもっとお金あるんだろうけどね。でも流行は望めないし」。
ケンとメリーのステッカーは、けして女子高生の間だけの流行ではありませんでした。
この頃には、さまざまな「スカイライン以外」の車にさえ、ケンとメリーのステッカーが貼ってあったものです。
特に女性ドライバーの車には、例外がない、というほどに貼られていたものでした。
やがて北女、校門前。
「ここここ、ここがじょしこぉ~~~~~」。
「麻生くん。なに興奮してんの」。
「だ、だ、だってだってだって、初めてなんだもん」。
「もっとさりげなくしてよ。お姉さん迎えに来たくらいの雰囲気」。
「あ、あ、あねき、いねぇからわかんねぇ」。
すっかり興奮状態の麻生くん。大丈夫でしょうか?
「よ、よ、よ、よし!じゃ、販売始めるか!」
意気込みだけはあるようです。
「え?麻生くん。ひとりずつ捕まえて売ってたんじゃ夜になっちゃうよ」。
「えええ?ちがうの?」
「うん。女子はね。男子と違って小グループつくるから。広まってせいぜい3、4人がいいとこだ」。
「んじゃどうするわけ?」
「えっとねぇ。女子校は2種類の人間おさえればいいの」。
「2種類?」
「うん。ひとつは生徒会派。そしてもうひとつはねぇ・・・」。
そこへちょうど数名の女子が下校してきました。
校章の横に学年章。どうやら2年生。
「あの~~~。すいませ~~~ん」。
「あら?なぁに?なにかご用?」
「ええ。2Bの島津さんって人に会いたいんですが・・・」。
「え?シマちゃん?あたしのクラスだけど・・・」
「あ。ちょうどよかった!呼んで来ていただけませんか?3番ホルンが来てるって言っていただければわかります」。
「3番ホルン?うん。わかったわ。いいよ」。
校舎へともどるお姉さん。
「3番ホルンってなんだ?」
「ああ。僕のブラスバンドのパート。ここにOGがいるんだ」。
「へぇ?うちの学校の?」
「そうそう。僕の担当楽器の元パートリーダー。今、ここの生徒会執行部やってるんだ」。
やがてOGの島津さんが、さきほどの同級生につれられてやってきました。
島津さんは、友達に軽くお礼をすると、僕の前に満面笑顔で現れました。
「先輩!ひさしぶりです~~~」。
「うん。ひさしぶり。どう?みんな元気でやってる?」
「はい。もう県大会近いし。練習きついですけどね~」。
「そう言えば今日は練習は?ちゃんとやんなきゃダメよ?」
僕と島津先輩は、それこそどこの先輩後輩でもしそうなありふれた会話をしたあと
「で?今日は?例のもの、持って来たの?」
「はい。今日は30枚手にいれましたよ~」。
「あー。よかった。欲しいって子、けっこう多くて困ってたのよね~」。
「それから、これ先輩に。三菱の『すりぃだいや』です。6月から9月号まで」
「あーーー!うれしーーー!これのちひろの表紙、大好きなのよー」。
「じゃ、先輩。ステッカーお願いしますね!これでも入手苦労したんですから」。
「まっかせて!今引く手あまただから、これ。おっきいの50円だっけ?」
「はい。小さいのも4枚単位にしてありますから50円です」。
「ん!オッケー!とにかく50円ね。はけたら教える。たぶん2、3日で全部なくなるわ!すっごい人気だから」。
先輩は僕からステッカーの束をうけとると、
「ごめん。まだ役員会の会議中なの。もどるね!」
手を振りながら校内へともどっていきました。
この一部始終を、あんぐりと見ていた麻生くん。
「30枚・・・はけたんだな・・・・」。
「そう。いくらなんでもひとりずつ売ってられないから。これで6000円ね」。
「ろ、ろくせんえん・・・。一瞬だ・・・・」。
「あとから先輩に1000円くらいバックリベートするから実質5000円だな」。
価格体系を複雑にすると、こういう仲介販売はやりにくくなります。
このために、小さいステッカーは4枚ひと組みとし、大きいステッカーと同じ「一律50円」になるように仕組んだわけです。
「あとはねぇ・・・。おかしいな。昨日、電話で待ち合わせしたんだけど・・・」。
校門からななめに学校内を覗く僕たち。
すると麻生くん。
「げ!なんかやばい集団が来るっ!」
それは北女のスケ番グループらしきものでした。
長いスカートをひきずるように、10人近くで徒党を組んで歩いて来ます。
「あ!あれあれ。あの人達だよ。待ち合わせしてんの」。
「え~~~~~!」
と、僕の後ろに隠れる麻生くん。
「おーーーー!またせたな!」
「あ。くまえさん。ひさしぶりです!」

ボスッ!!
「その名前、呼ぶなっつってんだろ?」
「す、すいません・・・・。あねご・・・・」。
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<おことわり>本日も2話連続アップです~~
Y市。大和中学校で下車した僕たちは、その足で北女へと向かいました。
この時、スケ番お欄は中3で、まだ北女には入っていません。
麻生くん(チャーリー)は、僕のとなりを歩きながら、さかんに話しかけてきます。
「女子校ってのは考えたなぁ~」。
「うん。中学生は、持っているお金たか知れてるからね」。
「確かに」。
「これが男子高校生になるとね。からまれたりする上に、まとまった金使うからダメなんだ」。
「まとまった?」
「ほら。それこそバイクとか。ま、金遣い、荒いよね」。
「ふんふん」。
「その点で女子高生はさ。ファッションにかける金、ハンパじゃない」。
「なるほどな~~~」。
「OLさんとかならもっとお金あるんだろうけどね。でも流行は望めないし」。
ケンとメリーのステッカーは、けして女子高生の間だけの流行ではありませんでした。
この頃には、さまざまな「スカイライン以外」の車にさえ、ケンとメリーのステッカーが貼ってあったものです。
特に女性ドライバーの車には、例外がない、というほどに貼られていたものでした。
やがて北女、校門前。
「ここここ、ここがじょしこぉ~~~~~」。
「麻生くん。なに興奮してんの」。
「だ、だ、だってだってだって、初めてなんだもん」。
「もっとさりげなくしてよ。お姉さん迎えに来たくらいの雰囲気」。
「あ、あ、あねき、いねぇからわかんねぇ」。
すっかり興奮状態の麻生くん。大丈夫でしょうか?
「よ、よ、よ、よし!じゃ、販売始めるか!」
意気込みだけはあるようです。
「え?麻生くん。ひとりずつ捕まえて売ってたんじゃ夜になっちゃうよ」。
「えええ?ちがうの?」
「うん。女子はね。男子と違って小グループつくるから。広まってせいぜい3、4人がいいとこだ」。
「んじゃどうするわけ?」
「えっとねぇ。女子校は2種類の人間おさえればいいの」。
「2種類?」
「うん。ひとつは生徒会派。そしてもうひとつはねぇ・・・」。
そこへちょうど数名の女子が下校してきました。
校章の横に学年章。どうやら2年生。
「あの~~~。すいませ~~~ん」。
「あら?なぁに?なにかご用?」
「ええ。2Bの島津さんって人に会いたいんですが・・・」。
「え?シマちゃん?あたしのクラスだけど・・・」
「あ。ちょうどよかった!呼んで来ていただけませんか?3番ホルンが来てるって言っていただければわかります」。
「3番ホルン?うん。わかったわ。いいよ」。
校舎へともどるお姉さん。
「3番ホルンってなんだ?」
「ああ。僕のブラスバンドのパート。ここにOGがいるんだ」。
「へぇ?うちの学校の?」
「そうそう。僕の担当楽器の元パートリーダー。今、ここの生徒会執行部やってるんだ」。
やがてOGの島津さんが、さきほどの同級生につれられてやってきました。
島津さんは、友達に軽くお礼をすると、僕の前に満面笑顔で現れました。
「先輩!ひさしぶりです~~~」。
「うん。ひさしぶり。どう?みんな元気でやってる?」
「はい。もう県大会近いし。練習きついですけどね~」。
「そう言えば今日は練習は?ちゃんとやんなきゃダメよ?」
僕と島津先輩は、それこそどこの先輩後輩でもしそうなありふれた会話をしたあと
「で?今日は?例のもの、持って来たの?」
「はい。今日は30枚手にいれましたよ~」。
「あー。よかった。欲しいって子、けっこう多くて困ってたのよね~」。
「それから、これ先輩に。三菱の『すりぃだいや』です。6月から9月号まで」
「あーーー!うれしーーー!これのちひろの表紙、大好きなのよー」。
「じゃ、先輩。ステッカーお願いしますね!これでも入手苦労したんですから」。
「まっかせて!今引く手あまただから、これ。おっきいの50円だっけ?」
「はい。小さいのも4枚単位にしてありますから50円です」。
「ん!オッケー!とにかく50円ね。はけたら教える。たぶん2、3日で全部なくなるわ!すっごい人気だから」。
先輩は僕からステッカーの束をうけとると、
「ごめん。まだ役員会の会議中なの。もどるね!」
手を振りながら校内へともどっていきました。
この一部始終を、あんぐりと見ていた麻生くん。
「30枚・・・はけたんだな・・・・」。
「そう。いくらなんでもひとりずつ売ってられないから。これで6000円ね」。
「ろ、ろくせんえん・・・。一瞬だ・・・・」。
「あとから先輩に1000円くらいバックリベートするから実質5000円だな」。
価格体系を複雑にすると、こういう仲介販売はやりにくくなります。
このために、小さいステッカーは4枚ひと組みとし、大きいステッカーと同じ「一律50円」になるように仕組んだわけです。
「あとはねぇ・・・。おかしいな。昨日、電話で待ち合わせしたんだけど・・・」。
校門からななめに学校内を覗く僕たち。
すると麻生くん。
「げ!なんかやばい集団が来るっ!」
それは北女のスケ番グループらしきものでした。
長いスカートをひきずるように、10人近くで徒党を組んで歩いて来ます。
「あ!あれあれ。あの人達だよ。待ち合わせしてんの」。
「え~~~~~!」
と、僕の後ろに隠れる麻生くん。
「おーーーー!またせたな!」
「あ。くまえさん。ひさしぶりです!」

ボスッ!!
「その名前、呼ぶなっつってんだろ?」
「す、すいません・・・・。あねご・・・・」。
さすが策士!!
色んな所に人脈を持っているんですね~
ほぉ~!!
凄いな~、、ママチャリ♪
あらゆる伝手を利用してる。。本当に中学生?!
ちゃんとバックリベートってコトバ
知ってる所が凄いと言うかコワイ。
あねご・・
名前はダメなんですね。
くまえさ(ボスッ)…あねご。
さすがお欄さんの先輩ですね。同じ匂いがします。
次行ってみよ~!
>「ろ、ろくせんえん・・・。一瞬だ・・・・」。
高校生の頃、一日精米所の手伝いで5千が相場でした。
10年ほどジェネレーションの違いがあると考えると・・・・・・・・・・
すばらしい策略と人脈・・・。
くまこってかわいい名前に笑っちゃいました。
すでに販売網が完成されているとは…。それも女子高。おそれいりました。
中学生なんですけど・・・
考えてることが同年代じゃね~~~!!
凄すぎ(・口・;)
ママチャリくんの人脈って…一体どこまで広がってるんだろう。
それにつけてもオヤツはカール……イヤイヤ…
くまえサン、流石はお欄姐サンの先輩だわwww
同じかほりがプンプンします(*´艸`)
もう呆然
その頭脳を社会平和に役立てれば、まじノーベル平和賞くら余裕で取れるのではないでしょうか?
ううん。早く、次話を御願いします。
それにしても、ママチャリさんの生き様は参考になります。
>しげさん1番載り!
級長任命~~~。
24話へひきつぎます。
「あら?なぁに?なにかご用?」
と
「その名前、呼ぶなっつってんだろ?」
が
同じ学校の生徒が発する言葉とは、驚きです。
生徒会からスケバンまで。幅広いお知り合いをお持ちで。
興奮しても見た目変わらないチャーリー、昔も今も女子高生好きなママチャリくん、何故かママチャリくんが賢く思えてしまいます。
ボスッって。
ママチャリ君子の頃から…哀れ。
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>「あ。くまえさん。ひさしぶりです!」
>ボスッ!!
芸名(?)つけるのは北女の伝統だったのでしょうか?(笑)
それはさておき、次行きます。
北女の挨拶はパンチだったね!!?
言葉はいらない?
次いってみよう!!
熾烈なコメント合戦がほほえましい。
がんばれー。
(*゚・゚)ン?
ってことは今回の売り上げ
ママチャリくんの取り分も発生するのかな?
スティングレイ2号の事情聞いたから手間賃くらいで済むだろうけどw
あねご→お欄さん→孝昭君という流れで友達になったのでしょうか?
そうするともしかしたらお欄さんの後継者とも仲良くなってたりして?
それにしても。
北女のレディはファイティング・ネームを持ってるのですね。
芸名(?)路線はそのまま引き継がれているのですね。
お欄さんが最初だと思っていました^^;
次行こ~!
なるほどぉ~!!島津先輩の存在ねぇ~
いくらママチャリが悪辣とは言え中学生がココまでの販売形式思いつくとは思わないもんなぁ~
まぁ過半数の作戦はママチャリとしてぇ……販売形式に島津先輩の知恵を拝借ってトコかぁ~
んでそのままスケ番グループへ流用ってトコだな♪
チャーリー、女子高ってだけで興奮してんのが、かわゆい~
ママチャリはお欄さんの前の北女のスケバンから知り合いだったんですね。
…しかもみぞおちくらってるし(^o^;)
策士のうえに人脈まで・・・びっくり中学生ですね。
ママチャリくん・・・すごいの一言に尽きます~
ママチャリさんは音楽好き(おんなのほうがすきだったぁ???)だったのは、中学でもブラスバンドやってたんだぁ・・・。
それも3番ホルンって、ホルンも吹けたって事ですかぁ・・・。
それと”くまえ”さん=あねごにもかわいがられているしぃ・・・。
ママチャリの人脈超広いなー。すげー。
高校の執行部や、はたまた、スケバンと知り合い
だったり・・・。しかも、極悪非道だし、やり方。
ホントに、中学生なのか、ママチャリ・・・。