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<おことわり>本日2話連続アップです。できれば夜にお読みください。
あ。おいらデートリッヒ。
ベルリン生まれ。シティ派の熊だ。
まぁ、どんなもんにだって天敵ってのはいるもんだ。
ぬいぐるみは、食物連鎖入ってないから安心、とか思ったのは大間違いだったよ。
夕子はあいつ、そうクソぼっちゃまが来ると必ず部屋から出る。
おいらがいっしょのときもあれば、そうじゃないときもあるんだが。
夕子がちょっと油断しておいら手放そうもんならな。
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<おことわり>本日2話連続アップです。できれば夜にお読みください。

あ。おいらデートリッヒ。
ベルリン生まれ。シティ派の熊だ。
まぁ、どんなもんにだって天敵ってのはいるもんだ。
ぬいぐるみは、食物連鎖入ってないから安心、とか思ったのは大間違いだったよ。
夕子はあいつ、そうクソぼっちゃまが来ると必ず部屋から出る。
おいらがいっしょのときもあれば、そうじゃないときもあるんだが。
夕子がちょっと油断しておいら手放そうもんならな。
ほらな。
すぐな。
げ!また孝昭!
さ、西条もいっしょ?
無敵変態タッグか?
だ~か~ら~!スリスリすんなっつってるだろぉが!
こ、こら!
なに足広げてんだよっ!
なんにもねぇって言ってんだろ?
というか、なにもないのが仇だった。
な、なに履かせてやがる!
って
豹柄!?
なんだって熊に豹柄はかせんだ!こら!
「あははははは。似合う~~~」。
「2枚重ね部分がいろっぺ~~~」。
「小股切れ上がり~~~」。
似合わねぇよ!だいたい同じネコ目でもおいらはクマ科なんだって!
なんだってネコ科にするんだ!こら!
それに「小股」の使い方間違えてるぞ!孝昭!
「こら!おまえら!また夕子の熊に!なにやってんだ!」
鬼玉が気づくと
「すんませ~~~ん」
その言葉に微塵も反省の意図がないな。こいつら。
く、くそ!豹柄パンツなんか履いちまったぜ・・・。クマ科最大の屈辱だな・・・。
あ。おいらデートリッヒ。
夏になるとな。本物もそうだろうが、毛だらけのぬいぐるみはつらい。
なんてったって着ぐるみ着てるようなもんだからな。中綿だし。
あ~~~。なんだってこうあっついのかな~~~。
あ?夕子。な、なんだそのあられもない姿!
うわ・・・。ま、まぶしいぜ!
そそ、そうか。水着試着かぁ・・・。
いやぁ。昔風呂一緒に入るってダダこねた時以来だからよ。
おいら童謡しちゃったぜ。どうよう。
♪さっちゃんはね~~~ロマンスってつかないんだ、ほんとはね~~
ってくらい童謡しちゃったぜ!
って、なんの話だっけ?
あ。おいらデートリッヒ。
「いろっぽい?ねぇ。デートリッヒ~」。
いや・・・色っぽいかって・・・。
なんでそんなこと気にすんだよ。熊によっ!
ん?プールに行く?
あ。そっか・・・クソぼっちゃまも来るのかぁ・・・・。なるほどな。
そう言えば、鬼玉言ってたっけな。西条の招集がかかったって。
夕子もいっしょかぁ。あぶねぇなぁ。
おいらプールとかって苦手だからよ。
ってーか、たまに小ちゃいプール入るけどすぐ泡だらけにされていい思い出がひとつもねぇ。
「デートリッヒ。あたしって・・・。どうしてこんなに胸ちっちゃいのかな・・・」。
う~~~ん。おいらの綿、わけてやりてぇけど。そうもいかねぇしなぁ・・・。
でも、そんなことで悩むことないって!
夕子、じゅうぶん可愛いんだからよ!
悲しそうな顔すんなって!
牛乳でも飲んでりゃでかくなるって!
そんなに・・・気になるのか・・・あいつ・・・。
だが夕子は、その日の夕方たいそう上機嫌で帰って来た。
プール楽しかったみたいだな。夕子。
よかたよかた。
よかたの星だよ。宮沢賢治だよ。
あ。おいらデートリッヒ。
そいでな。この日、誰も気づかない、小さな異変においら気づいたね。
「そいでね。ミカちゃんって子、村山先輩がオンブしたんだ」。
村山。
ここしばらくでは、めずらしかった。
クソぼっちゃま以外の男の話。
「なんかお父さんみたいで素敵だったよ」。
ふむぅ。
けど、クソぼっちゃまは、もっとド派手なことやらかした。
なんと。花火盗んで打ち上げたとよ。
人間のガキって信じらんね~~~~~。
おかげでこの月、おいらは耳にタコが住み着くほどにクソぼっちゃまの話聴かされてな。
もういつ耳から八本足が出て来ても不思議ないくらいだった。
でもな。こんとき、村山が夕子の心に少しだけ割り込んだのは事実だったんだな。
ま、後からわかったことだが。
おんぶに弱いな。夕子。
それからしばらく平和な日々が続いた。
おいら思ったね。平和な日々こそ幸せなんだってな。
もっとも平和な日々は、夕子にとってのことであって、おいらには違う。
なんてったって天敵孝昭!!
ま~~~~。飽く事なくおいらを付けねらう。
なんなんだ?あいつは。
いつしか鬼玉のともだちなんかは「孝昭の熊」などと呼ぶようになりやがった。
誰があいつの熊なんかにっ!!
一番つらかったのは、こいつがおいらの唇を狙って来る事だった。
「秘技!間接キッス~~~~!!」
まったく人間ってのは変なもんをありがたがるもんだな。
おいらたちの親戚だって、シャケ、間接キッスなんかで喜ばねぇぞ?
やっぱダイレクトがいいよな。ダイレクト。
壮絶な攻防戦がおいらと孝昭で繰り広げられるさなか、秋だったかな。
夕子。思わぬことでクソぼっちゃまに、思いを伝えることができた。
いや。できたっていうより、失敗して伝えてしまった。
ま~~~~。この日を堺に井上家。
オトタマ、オカタマ、鬼玉巻き込んでの大騒ぎだ。
肝心の夕子はって~と、それなりに幸せそうだった。
おいらにはわかるよ。夕子。
だって・・・えっと・・・何年かな。なにしろ指くっついてんで、片手で1までしか数えらんねぇからわかんねぇけど。
まぁ。とにかく長いことおいらにしか言わなかったことだからな。
けど、その幸せもそんなに長くはなかった。
ある日の夜な。
夕子、おいらを抱いたままベッドに入った。
「だめだ~~~。かなわないよ~。デートリッヒ~」。
なにが?
誰に?
あれ?なんか胸のあたりが・・・。
つ、つめてっ!
こ、こら!夕子、おもらしかぁ?かなわねぇなぁ・・・って違う。
涙だ・・・。
泣いてんのか?夕子・・・?。
まぁ・・・。おいら水分吸収力すぐれてっからよ・・・。
多い日も安心なくらいだ。しかも夜用。あはははは。
笑ってくれよ・・・夕子・・・。
こんな夜が。
何日も続いたっけかなぁ・・・。
おいらデートリッヒ。
いいかげんおいらの体の真綿も水分吸いすぎたな、って頃にな。
夕子。いきなり
「どうしよ?デートリッヒー。あたし告白されちゃった!」
ん?
クソぼっちゃまにか?
いや。夕子はもともとラブレターやらもらい慣れてる。
それをわざわざおいらに言うのはそれしか考えられねぇ。
って思ったけど。
これが違ってた。
「それがねぇ。村山先輩なの・・・。どうする?」
む、むらやまぁあ?
そうか。村山も「もし生まれ変わったら喰いたいリスト」に追加しなきゃ!
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すぐな。
げ!また孝昭!
さ、西条もいっしょ?
無敵変態タッグか?
だ~か~ら~!スリスリすんなっつってるだろぉが!
こ、こら!
なに足広げてんだよっ!
なんにもねぇって言ってんだろ?
というか、なにもないのが仇だった。
な、なに履かせてやがる!
って
豹柄!?
なんだって熊に豹柄はかせんだ!こら!
「あははははは。似合う~~~」。
「2枚重ね部分がいろっぺ~~~」。
「小股切れ上がり~~~」。
似合わねぇよ!だいたい同じネコ目でもおいらはクマ科なんだって!
なんだってネコ科にするんだ!こら!
それに「小股」の使い方間違えてるぞ!孝昭!
「こら!おまえら!また夕子の熊に!なにやってんだ!」
鬼玉が気づくと
「すんませ~~~ん」
その言葉に微塵も反省の意図がないな。こいつら。
く、くそ!豹柄パンツなんか履いちまったぜ・・・。クマ科最大の屈辱だな・・・。
あ。おいらデートリッヒ。
夏になるとな。本物もそうだろうが、毛だらけのぬいぐるみはつらい。
なんてったって着ぐるみ着てるようなもんだからな。中綿だし。
あ~~~。なんだってこうあっついのかな~~~。
あ?夕子。な、なんだそのあられもない姿!
うわ・・・。ま、まぶしいぜ!
そそ、そうか。水着試着かぁ・・・。
いやぁ。昔風呂一緒に入るってダダこねた時以来だからよ。
おいら童謡しちゃったぜ。どうよう。
♪さっちゃんはね~~~ロマンスってつかないんだ、ほんとはね~~
ってくらい童謡しちゃったぜ!
って、なんの話だっけ?
あ。おいらデートリッヒ。
「いろっぽい?ねぇ。デートリッヒ~」。
いや・・・色っぽいかって・・・。
なんでそんなこと気にすんだよ。熊によっ!
ん?プールに行く?
あ。そっか・・・クソぼっちゃまも来るのかぁ・・・・。なるほどな。
そう言えば、鬼玉言ってたっけな。西条の招集がかかったって。
夕子もいっしょかぁ。あぶねぇなぁ。
おいらプールとかって苦手だからよ。
ってーか、たまに小ちゃいプール入るけどすぐ泡だらけにされていい思い出がひとつもねぇ。
「デートリッヒ。あたしって・・・。どうしてこんなに胸ちっちゃいのかな・・・」。
う~~~ん。おいらの綿、わけてやりてぇけど。そうもいかねぇしなぁ・・・。
でも、そんなことで悩むことないって!
夕子、じゅうぶん可愛いんだからよ!
悲しそうな顔すんなって!
牛乳でも飲んでりゃでかくなるって!
そんなに・・・気になるのか・・・あいつ・・・。
だが夕子は、その日の夕方たいそう上機嫌で帰って来た。
プール楽しかったみたいだな。夕子。
よかたよかた。
よかたの星だよ。宮沢賢治だよ。
あ。おいらデートリッヒ。
そいでな。この日、誰も気づかない、小さな異変においら気づいたね。
「そいでね。ミカちゃんって子、村山先輩がオンブしたんだ」。
村山。
ここしばらくでは、めずらしかった。
クソぼっちゃま以外の男の話。
「なんかお父さんみたいで素敵だったよ」。
ふむぅ。
けど、クソぼっちゃまは、もっとド派手なことやらかした。
なんと。花火盗んで打ち上げたとよ。
人間のガキって信じらんね~~~~~。
おかげでこの月、おいらは耳にタコが住み着くほどにクソぼっちゃまの話聴かされてな。
もういつ耳から八本足が出て来ても不思議ないくらいだった。
でもな。こんとき、村山が夕子の心に少しだけ割り込んだのは事実だったんだな。
ま、後からわかったことだが。
おんぶに弱いな。夕子。
それからしばらく平和な日々が続いた。
おいら思ったね。平和な日々こそ幸せなんだってな。
もっとも平和な日々は、夕子にとってのことであって、おいらには違う。
なんてったって天敵孝昭!!
ま~~~~。飽く事なくおいらを付けねらう。
なんなんだ?あいつは。
いつしか鬼玉のともだちなんかは「孝昭の熊」などと呼ぶようになりやがった。
誰があいつの熊なんかにっ!!
一番つらかったのは、こいつがおいらの唇を狙って来る事だった。
「秘技!間接キッス~~~~!!」
まったく人間ってのは変なもんをありがたがるもんだな。
おいらたちの親戚だって、シャケ、間接キッスなんかで喜ばねぇぞ?
やっぱダイレクトがいいよな。ダイレクト。
壮絶な攻防戦がおいらと孝昭で繰り広げられるさなか、秋だったかな。
夕子。思わぬことでクソぼっちゃまに、思いを伝えることができた。
いや。できたっていうより、失敗して伝えてしまった。
ま~~~~。この日を堺に井上家。
オトタマ、オカタマ、鬼玉巻き込んでの大騒ぎだ。
肝心の夕子はって~と、それなりに幸せそうだった。
おいらにはわかるよ。夕子。
だって・・・えっと・・・何年かな。なにしろ指くっついてんで、片手で1までしか数えらんねぇからわかんねぇけど。
まぁ。とにかく長いことおいらにしか言わなかったことだからな。
けど、その幸せもそんなに長くはなかった。
ある日の夜な。
夕子、おいらを抱いたままベッドに入った。
「だめだ~~~。かなわないよ~。デートリッヒ~」。
なにが?
誰に?
あれ?なんか胸のあたりが・・・。
つ、つめてっ!
こ、こら!夕子、おもらしかぁ?かなわねぇなぁ・・・って違う。
涙だ・・・。
泣いてんのか?夕子・・・?。
まぁ・・・。おいら水分吸収力すぐれてっからよ・・・。
多い日も安心なくらいだ。しかも夜用。あはははは。
笑ってくれよ・・・夕子・・・。
こんな夜が。
何日も続いたっけかなぁ・・・。
おいらデートリッヒ。
いいかげんおいらの体の真綿も水分吸いすぎたな、って頃にな。
夕子。いきなり
「どうしよ?デートリッヒー。あたし告白されちゃった!」
ん?
クソぼっちゃまにか?
いや。夕子はもともとラブレターやらもらい慣れてる。
それをわざわざおいらに言うのはそれしか考えられねぇ。
って思ったけど。
これが違ってた。
「それがねぇ。村山先輩なの・・・。どうする?」
む、むらやまぁあ?
そうか。村山も「もし生まれ変わったら喰いたいリスト」に追加しなきゃ!
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いいな~
告白されて・・・
村山君やるねぇ~~~
お祝いのメッセージありがとうございましたあ。
とっても嬉しかったで~す。
夕子ちゃん、何でもデートリッヒに
相談してたんですね
それなのに、間接キスされたり
あげくに孝明くんの熊になんて・・
かわいそすぎるデートリッヒ
夕子ちゃんからじゃなく、村山君からだったんですね~。
え! む・村山くんから・・・・・。 へ~~~~こりゃ すんごい!!
おおっ
いよいよクライマックスか!
でも、デートリッヒ つらいなぁ。
また、ライバル出現か。
あ!村山君との馴初め!
平和な日々こそ幸せ、ホントそう思います。
え~村山君に・・・
夜用デタリッピ安心・・・豹柄パンツのデタリッピ見たい!
む、村山君~~?
これは以外でした、てっきり他のボンクラどもからされたのかと思いました。
デートリッヒ良い奴ですホント、親友の事だけを一番に考えててぬいぐるみなのがもったいないくらい
ええっ? いついつ? 友達の恋愛話全部知ってるはずのママチャリ君が本文で語ってないってことは、未来の出来事? 村山くん、ひそかに片思いしてたのかな? ああ、最終話が待ち遠しい!
口下手だってワリにはやるときゃやるねぇ、村山。
俺ちゃんも見習わねば。
夕子ちゃんのくまくれっ!
よし、照れずにいえた。
ん?僕の思い違いかもしれませんが、以前の記事で、夕子ちゃんが村山夫人になられたと書いてあったような・・・?
間違いならすいません<m(__)m>
えええええええええええ!?
そりゃ、事件ですね。
なんか、せつないですねぇ、デートリッヒ。
このコメントは管理人のみ閲覧できます
村山君からの告白に胸踊る夕子ちゃん。
方や落ち込むデートリッヒ。
悲しいね、デートリッヒ。
デートリッヒと孝昭くんが殴り合い?をしているのが思い浮かんでしまうのは私だけ・・・?
私の頭の中ではデートリッヒ、動き回ってますw
未来の話に突入ですね
そしてついに、最終話へ。
デートリッヒに幸せは来るのか?
シリアスな場面なのに、このひとことで笑ってしまいました。
いろいろなことが重なっていたのですね。
おおおお!
村山くん、勇気ある~!
おにたまがいるのにそんなっっっ(^^)
そっか。おんぶに弱いのね、夕子ちゃん。
メモっとこ。
おんぶおんぶ・・。
デートリッヒ、切ねえなあ。
今度生まれ変わるんだったら、変熊じゃなく、
豹が良いかも?
あっ、おいらデートリッヒ!!
shaさんがコメントしてる事は、私もそう思いまぁ~~~~すぅ。
前に”くろわっさん”のコメントで、確か出て来たようなぁ・・・???
ちょっと大人な村山君が、夕子ちゃんに告白ですかぁ・・・。
やさしいんだネ、村山君、オンブしてくれるんだものぉ。