書籍発売記念!『Side by Side』
2007年04月24日23:11
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いろいろと問題をかかえながらも、一応、本日より大手書店には書籍版『ぼくちゅう』が並び始めたようです。本日は、書籍発売を記念いたしまして、1巻書き下ろし『Side by Side』触り部分のみ、お届けいたします。
Mixiコミュ『くろわっさんといっしょ』より、少し長め。
番外編:Side by Side
第1話 一触即発「しかるに~~~。君たちの未来は~~~」。
校長先生の話はまだ続いていました。
それは僕たちが出会った日。そうです。入学式の日のことです。
「なげ~~~~。ここで正月迎えるつもりか?あの校長」。
麻生くんがぼやいています。
(麻生くんは6章からチャーリーというあだ名で登場します)
「馬鹿だなー。お前。
その前に盆が来るんだぞ」。
これは千葉くん。
そういう問題ではないと思うのですが
「そうだっけ?」
いや。そうだっけって・・・。
そんなことも知らずに高校よく入れたな・・・。
「そっかー。
うるう年だ!」「どういう関係あるんだよ。うるう年がよ!」
こそこそと縦列で話し合う僕たち。
この会話にクスクスと周囲の女子達が笑います。
「プール開きまでには終わってほしいなぁ・・・・」。
と、中学では水泳部のエースだった千葉くん。
「いや、プール開きじゃまた校長の挨拶あるだろ?」
「げ!
エンドレスじゃん!」
「このまま
卒業式まで話し続けるつもりじゃないだろうなぁ?あの校長」。
「やだな。
そのまま卒業ってのも」。
そりゃそうだ。
とにかく、それほどに長い校長先生のご挨拶。
すでにお歴々の挨拶まで聴かされていた僕たちは、ほとほと飽きていました。
もとよりじっとしていること自体が苦手な麻生くん。
「あーあ。さっさと
3つの袋の話でもして終わってくんねぇかなぁ」。
いや・・・。
入学式で3つの袋の話はしないだろう。
これに千葉くん。
「なんだ?
3つの袋って?」
「え?そんなことも知らねぇのか?」
麻生くん。さっそく得意ぶって説明を始めます。
「まずな。ひとつめが
堪忍袋」。「おお!」
「ふたつめが
我慢袋」。ん?そうか?
「で、3つめが
忍耐袋だ」。我慢ばっかりかよっ!やな人生だなー。
「なんでそうなるんだよ!馬鹿」
「ん?
給食袋だったかな?」
絶対ちがう。
お前だけ一生大事にしろ。給食袋。
「そこ!うるさい!しずかに!」「ほら。てめぇのおかげで怒られた」。
「いや。俺のせいじゃぁないだろー」。
「じゃ、誰のせいなんだよ」。
「んーーーーー、校長?」
「そこ!うるさい!」「ほら。てめぇのおかげで怒られた」。
「いや。俺のせいじゃぁないだろー」。
「じゃ、誰のせいなんだ・・・」。
「そこーーーーーーー!」しかし我々が恐れるよりは、3年も早く、プール開きも待たずして校長先生のお話は終わりました。



★書籍書き下ろしへ続く→
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カテゴリ : 番外編
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