ぼくたちと駐在さんの700日戦争

＜おそらく、小学館公開はここまででしょう。30米ではハードルが低すぎたので50米に増やします。協力してがんばってくださ〜い＞

「♪律子さん〜〜〜〜、律子さん〜〜〜〜」
「♪さ・わ・や・か・律子さん〜〜〜」

すでにテーマソングとなりつつある『さわやか律子さん』を合唱しながら駐在所。
ああ、ワクワクが止まりません。

さて。問題は設置場所です。

なにしろ16ポンド。あまり思いっきり蹴って、複雑骨折とかされてはかないませんので、
「テキトーに弱く蹴るのがよい」という思いやりから、駐在所の駐車場を選びました。

駐在所の駐車場は、幅1間。
つまり180cmあまりで、奥行きが9mほど。
車2台を縦に駐車するのがせいいっぱいで、
後ろにマイカー・スミレちゃん（日産バイオレット）手前にシビックパトカーが停まっており、すぐ手前が道路です。

シビックパトカーが出るには、サッカーボールをのけなくてはなりません。

が、なにしろ駐車場は幅1間と狭いので、手でどかすか、軽く転がしてどかすしかありません。

そのどちらであってもリアクションは楽しめそうです。

パーフェクッ！


僕たちは、その様子を道路を挟んだ向かい側から見守ることにしました。

しかし。

「出て来ない‥‥」

駐在さん、待てど暮らせど出て来ません。

それはそうです。時間的に警らの時刻はとっくに過ぎていますから。

「よし！まかせろ！」
西条くん、トラックのマイクを引きずりだすと、

“♪駐在所で〜ご不要になりました〜〜〜、古新聞〜〜、古雑誌〜、古女房などございましたら〜〜〜”

「西条！加奈子さんを『古女房』はないだろ」「そうだそうだ！」「謝れ！」

内輪の猛烈な反発がありましたが‥‥。

「誰が古女房だっーーーーーーーーー！」

出て来た！まんまと！

住居部から外に出るには、必ず駐車場を通らなくてはなりませんので
さっそくシビックパトカーの前にある邪魔な球体に気づきました。



一見するとサッカーボールです。が、はたしてそうでしょうか？

駐在さん、あたりを見回して、

「フフン‥」

不敵な笑みを浮かべるや、

「喰らえぇえい！ガキどもぉおおお!!」

　え‥‥‥‥!?

「必殺！稲妻シューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー‥」

　ペクッ。


ヘンな音がしました。


　第5話へ→

　▲目次へ

---

関連記事

• 第5話 16ポンドの衝撃(2)
• 第4話 16ポンドの衝撃(1)
• 第3話 護美は世につれ(3)