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第2話 公害ブルース(2)

僕と西条くんは、さらにその数日後にレコード屋さんを訪ねました。
「おや。君たち、ひさしぶりだねー」
「おじさん、表の 公害ブルースってなぁに?」
しらじらと僕たち。
「ああ。あれね。あんまり問い合わせが多いんで、いっぱい仕入れたんだけどねー。どういうわけか1枚も売れないんだな。セイヤングとかじゃすごいらしいんだけど・・」
そりゃそうだ。
それにしても「セイヤング」って。口からデマカセなのに、人の噂とは恐ろしいものです。
「ふーん。じゃぁ返品すれば?」
と、なげやりに西条くん。
「いや。返品枠って決まってるからね。あんまり返せないんだよ」
返品枠。僕たちは、この言葉を初めて知りました。
そうだったのか・・・。
「じゃぁ、僕たちが1枚買おうか?」
「え!ほんと?ありがたいなぁ。やっぱり持つべきはお得意さんだね!」
「うん。でも、本屋さんに、あいつらは怪しいって言ったでしょ?」
核心です。
僕たちは、濡れ衣をはらすためだけに400円を投資したのです。
「え?ナニそれ?」
「ほら。こないだ僕たちが駐在さんともめたとき・・・」
「んー。君らはいつも駐在さんともめてるからなー。こないだも護送されてたろ?」
やっぱりそう見えてたか・・・・。護送じゃないっちゅうに!。
「あー。こないだの本屋さんでのこと?」と、レコード屋さん。
強くあいづちをうつ僕たちに向かって、
「あれは違うよ。それを言ったのは電気屋さん」
え!で、で、電気屋ぁ???
「だ、だって、本屋さんのご主人が、レコード屋さんがそう言ってたって・・・・」
「え~?本屋さんも年だからなぁ。でも、それを言ったのは電気屋さんだよ」
どうやらこっちが信憑性高です。
「長い付き合いだもの。僕が君らのこと、そんなふうに言うわけないじゃないかー」
「え? そうなの・・・ですか?」
突如へんな敬語に変わる僕と西条くん。
「そう。電気屋さん。それでね。あんたんとこは盗まれるような小物ないじゃないかって、大笑いしたんだよ」
「はぁ・・・・。そうなの・・・ですかぁ」
信憑性は確信に変わりました。
「それがどうかしたの?」
「い、いえ。『公害ブルース』、もう1枚もらえます?」
※文化放送さん。あの日から毎日毎日『公害ブルース』をリクエストしたのは僕たちです・・・・。
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僕と西条くんは、さらにその数日後にレコード屋さんを訪ねました。
「おや。君たち、ひさしぶりだねー」
「おじさん、表の 公害ブルースってなぁに?」
しらじらと僕たち。
「ああ。あれね。あんまり問い合わせが多いんで、いっぱい仕入れたんだけどねー。どういうわけか1枚も売れないんだな。セイヤングとかじゃすごいらしいんだけど・・」
そりゃそうだ。
それにしても「セイヤング」って。口からデマカセなのに、人の噂とは恐ろしいものです。
「ふーん。じゃぁ返品すれば?」
と、なげやりに西条くん。
「いや。返品枠って決まってるからね。あんまり返せないんだよ」
返品枠。僕たちは、この言葉を初めて知りました。
そうだったのか・・・。
「じゃぁ、僕たちが1枚買おうか?」
「え!ほんと?ありがたいなぁ。やっぱり持つべきはお得意さんだね!」
「うん。でも、本屋さんに、あいつらは怪しいって言ったでしょ?」
核心です。
僕たちは、濡れ衣をはらすためだけに400円を投資したのです。
「え?ナニそれ?」
「ほら。こないだ僕たちが駐在さんともめたとき・・・」
「んー。君らはいつも駐在さんともめてるからなー。こないだも護送されてたろ?」
やっぱりそう見えてたか・・・・。護送じゃないっちゅうに!。
「あー。こないだの本屋さんでのこと?」と、レコード屋さん。
強くあいづちをうつ僕たちに向かって、
「あれは違うよ。それを言ったのは電気屋さん」
え!で、で、電気屋ぁ???
「だ、だって、本屋さんのご主人が、レコード屋さんがそう言ってたって・・・・」
「え~?本屋さんも年だからなぁ。でも、それを言ったのは電気屋さんだよ」
どうやらこっちが信憑性高です。
「長い付き合いだもの。僕が君らのこと、そんなふうに言うわけないじゃないかー」
「え? そうなの・・・ですか?」
突如へんな敬語に変わる僕と西条くん。
「そう。電気屋さん。それでね。あんたんとこは盗まれるような小物ないじゃないかって、大笑いしたんだよ」
「はぁ・・・・。そうなの・・・ですかぁ」
信憑性は確信に変わりました。
「それがどうかしたの?」
「い、いえ。『公害ブルース』、もう1枚もらえます?」
※文化放送さん。あの日から毎日毎日『公害ブルース』をリクエストしたのは僕たちです・・・・。
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- 3章:第3話 公害ブルース(3)
- 3章:第2話 公害ブルース(2)
- 3章:第1話 公害ブルース(1)
阿漕な悪戯をやるのに、仁義は通す。
少年らしい短絡的な浅はかさ。
でも、犯した過ちを償う(その方法も、子供らしいのですが?)姿勢。
爽やかで、好感を抱いてしまうから不思議?
夜明けが来る前に語りあおお~う~。
「はぁぃ、ママチャリさんいらっしゃい。」
「ママチャリさんからのリクエストで、『公害ブルース』をどうぞ。」
犯罪ギリギリって感じがスリリングで良いですね。
それでいて憎めない無邪気さがただよってる。
まぁ、時代が良かったんでしょう。
今なら迷惑防止条例あたりで御用かも・・・
好き
もう大好きだ作者様
賛否両論あったとしてもみんな憎めないよー
好き
もう大好きだ作者様
賛否両論あったとしてもみんな憎めないよー
最後のオチ(?)にヤラれました(/∀`*)
隣りで子供が寝てるのに、吹き出して起こしちゃいました
(´・ω・`;)
oh my gat 人違いかよ