ぼくたちと駐在さんの700日戦争

ジェミーは、女子にも男子にも人気があるので、年末は大忙しです。

ナマイキにスケジュール帳などめくりまして、

「先輩〜、ちょっと予定変更していただけませんか〜？」

「なんの予定？」

「えっと〜〜〜。30日の午後5時からだったら空いてます！」

「だからなんの予定？」

「え？先輩がゴチソウしてくれるって〜〜〜」

「そんな約束した覚えないぞ？」

「いえ、スケジュール帳に書いてあるんで〜」

「だから、そんな約束した覚えないぞ？」

まったく身に覚えがありません。

「困ったな〜〜〜。5時まではクラスの忘年会だし〜〜〜〜」

「勝手に行けばいいだろ？」

なに、自分で勝手に書いた予定で困ってるんだ？

「じゃぁ、こうしましょう！30日の午後5時ってことで！」

「いや・・・・話もどってるし・・・・・・・」

今までの会話はなんだったのでしょう？

「決めました〜！30日の午後5時から『先輩にゴチソウしてもらう』・・・と・・・・」

「コラコラ！勝手に書き込むな！」

ジェミーから手帳を奪うと、

なんと！来年まで予定がビッチリ書き込んであり、

しかも予定には、

『おじさんからお年玉1万円もらう』とか
『駅で財布を拾って届けたらお礼に5千円もらう』とか
『中学の後輩からラブレターが来過ぎて困る』とか
実に自分に都合のいい予定ばかり。

「人生ゲームか!?」

「いや、だってボクの予定ですから～～～」

予定というか、どっちかと言えば「目標」？

「じゃ、この『先輩と和美センパイが別れる』ってなんだ？」

「一応、前向きな予定として〜〜〜」

「前向きじゃないだろっ！」

コイツのスケジュールで人生決められてたまるか！

とんだ未来手帳です。

「いや、あくまで予定は予定として、あとは現実にすればいいことですから〜」

「あのなぁ。スケジュール帳ってそういうもんじゃないだろ!?」

なんという自己中心。
まぁ、ジェミーらしいと言えばジェミーらしいですが。

「そうですか〜〜？でも、たいてい現実になってますけど〜」

「え・・・・!?」

じゃあ・・・和美と別れるって・・・・？

「詳しいことは、30日に話します〜〜〜。午後5時に来てください〜」

「わ・・・、わかった」


ん？


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