ぼくたちと駐在さんの700日戦争

学校では、チャーリー他が集まって、マミー会議。

「もう、母ちゃんカンカンだよ・・・。なんとかしてくれよ・・・」

「なんとかしてって言われてもなぁー・・・」

所詮、中学生。
昨日なんともなってないものを、今日なんとかなるはずもないのですが。

「和美、なんとかならない？」

「ウチは・・・・むずかしいよ・・・・・・」

ここで千葉くんが、

「麻生。あの小屋は？」

「え・・・・・スティングレイのか？」

「ああ。あそこならピッタリだろー」

「いや・・・あそこは・・・・・・」

チャーリーは、渉くんとの思い出の自動車小屋を、最後の最後まで拒みました。

僕もチャーリーの気持ちは、よく理解できましたから、

「しかたない。ここは・・・・・」

僕は、小学校の時のノートをカバンから引きずり出しました。

「あーーーー！それはーーーーー！」

と、その正体を知っている千葉くん。

「なつかしいだろ？千葉」

A小のメンバーは知りません。

「なぁに？それ？」








「森田。なにそれ？」

森田くん、なにか袋いっぱいに入ったものを携えてます。

「あ、これ？マグネシウム」

「マグネシウムって・・・・・」
「きな粉みたいに金属単体を・・・・・」

「え？なにか変？」

「変だと思う」
「絶対、変だ」
「かなり変だ」

「そう？」

あまり、マグネシウム単体を持ち歩く高校生って聞きません。

「よく燃えるんだよ！」

「そうか・・・・」
「よかったね・・・・」

そのうれしそうな主張に、他の誰も口ごたえできませんでした。

森田くんの一句、

「マグネシウム　アルミニウムより　よく燃える」

「今のって句になってたか？」
「なってねぇよな・・・・」
「マグネシウムが季語か？」

結論は、

「やっぱ、あの爺ぃの孫だ」

「なんか言った？」

「いや・・・いい句だよ。森田！」


交差点にさしかかると信号は赤。

みんなで待っていると、対向車線側から

「やぁ」

「あ、村山ぁ！」「おーーーー！」

「来たんだ？」

「当たり前じゃないか・・・。今、車停めてくる」

「駐在所か消防署でいいんじゃね？」

「その発想が好きだよ・・・。西条」

「俺、なんか変なこと言った？」

「いや」「普段どおりだ」「西条だ！」

信号では、さらにもう1台。
ズンチャカブンチャカ、賑やかな音がして

「ん？」「誰だ？」

♪タリラリラリラリラリラリ〜

聞き覚えのあるクラクション。
ゴッドファーザー愛のテーマ。

「あーーーー！ニワトリ仮面！」

「誰がニワトリ仮面でぃ！」


　ヘッダーの言葉へ→

---

関連記事

• 続・和菓子屋のレフティ(1)
• 『和菓子屋のレフティ』第16話
• 『和菓子屋のレフティ』第15話