<シリアスモードで続きます。今回はなんとグレート父さん!>
*****Kaoru's Side
井上父です。
いつも息子がお世話になっております。
タカさんが追いかけて来て、「息子と娘を先に帰した」とおっしゃるので、
わたくしども夫婦としましても、ようやく安堵してタクシーで帰宅することにいたしました。
親バカと笑われるかも知れませんが、まぁ、子は宝。
ましてや娘は年端もいかぬ小学生ですからな。
ここのところ、世の中は物騒です。
「ホントに無事に帰ったのかしら?」
家内はまだ半信半疑のようでしたが、
「まぁ、タカさんが言うんだから」
「あなたは、なんでもタカさんタカさんねぇ」
「いや・・・・」
家内は、結婚以前より、タカさんのことは存じておりました。
タカさんびいきは、別にわたくしに始まったことではなく、わたくしの父、息子にとっては祖父ということになりますが、つまりは家族をあげて、神童に「お熱」だった、とも言えますな。
それゆえ、家内を嫁にもらう段階でも、ちょくちょく会話には出ていたわけです。
では、なぜタカさんを嫁にしなかったか?とも思われましょうが、
そもそもが、家内とは許嫁でしたから。
それを小学校時代に、少々縁があったから、と言って、突然変えられるはずもないわけで。
それにこう言ってはなんですがな。
ハタで見てるぶんにはいいですが、
わたくし程度が「アレ」を嫁にもらったら、かなり大変でしょうな・・・。ははは。
父もそこは心得ていたようで、話をすすめたりはしませんでしたな。
ちなみに息子にも許嫁があります。
中学生程度でバカな、と言われても、それが代々の家を守った「しきたり」というものなのです。
けれども、あらかじめ決まっていた、とは言え家内も女ですから。
都度都度、同級生の女の名が出るのも不愉快であろう、と、当初はわたくしも父も気を使っていたのですが、
わたくしと違い、もともとが才女である家内は、田舎の「神童」にたいへん興味を抱いたのです。
今回も、わたくし、と言うよりは、家内が招きたがった、のが真相。
「さすが南方熊楠(みなかた くまぐす)の生れ変わりって言われてるだけあるわ~」
「ははは。そうかな」
南方熊楠と言うのは明治の学者で、子供の頃に、やはり「神童」と呼ばれていた天才です。
南方には、幼少のぎみ、知人宅で100冊の本を読み、それをまる暗記して家で書写したことで周囲を驚かせた、という逸話があるのですが、
タカさんは、小学校入学前にこれとほぼ同じことをやってのけたため、「神童」と呼ばれることになったのです。
情報が発達していれば、新聞に載るほどの、それはそれは大騒ぎだったとか。
南方の大ファンでもある家内は、たまたま息子が同学年になってくれたのを期に「ぜがひでも会いたい」と申した次第で。
南方熊楠は、天才ゆえの奇行でも知られていますが、
「そこも似てますよね?」
「あ?まぁ、そうだな。ははははは」
「あなたが憧れるのもわかる気がします」
「いや・・・憧れるだなんて。へんな誤解するなよ」
そしてタカさんは、家内のメガネに叶った、か、それ以上だったようです。
なんと言いますかな。
娘の夕子は、家内似ですから。タカさんの息子さんに興味を抱かないか心配です・・・。
「まさかぁ。夕子はまだ小学生ですよ?」
と、家内は言いますが、
「だといいんだが・・・・」
わたくしの目から見れば、
あの息子さんは、神童の母から、ネジを2本抜いて、いらんとこに1本加えたような・・・
そんなふうに映りました。
そんな話をしていて、ふと気づきました。
「そうだ。運転手さん、うちの息子たちが、どのタクシーに乗ったかわからんかな?」
「あ、わかりますよ?」
この町にタクシー会社は1社だけ。
うちの一族は、その大お得意ですから。
「無線で確認してくれんかね?」
「ええ」
タクシーは、田舎じゃ最も連絡網が発達した乗り物です。
パトカーにだって全車配備される以前から、ほぼ全車に無線がついております。
(発祥は北海道のタクシー会社。当時タクシー車両が60万円だったものに無線機1台が40万以上した)
ところが。
「なに?他へ向かった?」
「ええ。途中で下ろされたそうです・・・・」
「どこだ?どこへ向かったって?」
なんと!息子は娘とともに、家から折り返して、まったく別の所へ向かったと・・・・・。
もう一度、無線をつないでもらって、行く先を確認しますと
「なにやら、藤木さん宅とか言ってたみたいですけど。途中で降りたんでなんとも・・・・」
「藤木?藤木って・・・あの藤木か?」
藤木という家は、このへんには2軒しかなく。
・・・・・あまり芳しくない噂のある家。
そう言えば「問題の娘」が、息子と小中と一緒・・・・・・
と言うことは、タカさんの息子とも?
「運転手さん!悪いが、そっちに向かってくれ!」
「えっと・・・・藤木さんの家ですか?」
「息子を下ろしたという場所へだ!」
「あ・・・はい」
「早く!」
「は、はい!」
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井上父です。
いつも息子がお世話になっております。
タカさんが追いかけて来て、「息子と娘を先に帰した」とおっしゃるので、
わたくしども夫婦としましても、ようやく安堵してタクシーで帰宅することにいたしました。
親バカと笑われるかも知れませんが、まぁ、子は宝。
ましてや娘は年端もいかぬ小学生ですからな。
ここのところ、世の中は物騒です。
「ホントに無事に帰ったのかしら?」
家内はまだ半信半疑のようでしたが、
「まぁ、タカさんが言うんだから」
「あなたは、なんでもタカさんタカさんねぇ」
「いや・・・・」
家内は、結婚以前より、タカさんのことは存じておりました。
タカさんびいきは、別にわたくしに始まったことではなく、わたくしの父、息子にとっては祖父ということになりますが、つまりは家族をあげて、神童に「お熱」だった、とも言えますな。
それゆえ、家内を嫁にもらう段階でも、ちょくちょく会話には出ていたわけです。
では、なぜタカさんを嫁にしなかったか?とも思われましょうが、
そもそもが、家内とは許嫁でしたから。
それを小学校時代に、少々縁があったから、と言って、突然変えられるはずもないわけで。
それにこう言ってはなんですがな。
ハタで見てるぶんにはいいですが、
わたくし程度が「アレ」を嫁にもらったら、かなり大変でしょうな・・・。ははは。
父もそこは心得ていたようで、話をすすめたりはしませんでしたな。
ちなみに息子にも許嫁があります。
中学生程度でバカな、と言われても、それが代々の家を守った「しきたり」というものなのです。
けれども、あらかじめ決まっていた、とは言え家内も女ですから。
都度都度、同級生の女の名が出るのも不愉快であろう、と、当初はわたくしも父も気を使っていたのですが、
わたくしと違い、もともとが才女である家内は、田舎の「神童」にたいへん興味を抱いたのです。
今回も、わたくし、と言うよりは、家内が招きたがった、のが真相。
「さすが南方熊楠(みなかた くまぐす)の生れ変わりって言われてるだけあるわ~」
「ははは。そうかな」
南方熊楠と言うのは明治の学者で、子供の頃に、やはり「神童」と呼ばれていた天才です。
南方には、幼少のぎみ、知人宅で100冊の本を読み、それをまる暗記して家で書写したことで周囲を驚かせた、という逸話があるのですが、
タカさんは、小学校入学前にこれとほぼ同じことをやってのけたため、「神童」と呼ばれることになったのです。
情報が発達していれば、新聞に載るほどの、それはそれは大騒ぎだったとか。
南方の大ファンでもある家内は、たまたま息子が同学年になってくれたのを期に「ぜがひでも会いたい」と申した次第で。
南方熊楠は、天才ゆえの奇行でも知られていますが、
「そこも似てますよね?」
「あ?まぁ、そうだな。ははははは」
「あなたが憧れるのもわかる気がします」
「いや・・・憧れるだなんて。へんな誤解するなよ」
そしてタカさんは、家内のメガネに叶った、か、それ以上だったようです。
なんと言いますかな。
娘の夕子は、家内似ですから。タカさんの息子さんに興味を抱かないか心配です・・・。
「まさかぁ。夕子はまだ小学生ですよ?」
と、家内は言いますが、
「だといいんだが・・・・」
わたくしの目から見れば、
あの息子さんは、神童の母から、ネジを2本抜いて、いらんとこに1本加えたような・・・
そんなふうに映りました。
そんな話をしていて、ふと気づきました。
「そうだ。運転手さん、うちの息子たちが、どのタクシーに乗ったかわからんかな?」
「あ、わかりますよ?」
この町にタクシー会社は1社だけ。
うちの一族は、その大お得意ですから。
「無線で確認してくれんかね?」
「ええ」
タクシーは、田舎じゃ最も連絡網が発達した乗り物です。
パトカーにだって全車配備される以前から、ほぼ全車に無線がついております。
(発祥は北海道のタクシー会社。当時タクシー車両が60万円だったものに無線機1台が40万以上した)
ところが。
「なに?他へ向かった?」
「ええ。途中で下ろされたそうです・・・・」
「どこだ?どこへ向かったって?」
なんと!息子は娘とともに、家から折り返して、まったく別の所へ向かったと・・・・・。
もう一度、無線をつないでもらって、行く先を確認しますと
「なにやら、藤木さん宅とか言ってたみたいですけど。途中で降りたんでなんとも・・・・」
「藤木?藤木って・・・あの藤木か?」
藤木という家は、このへんには2軒しかなく。
・・・・・あまり芳しくない噂のある家。
そう言えば「問題の娘」が、息子と小中と一緒・・・・・・
と言うことは、タカさんの息子とも?
「運転手さん!悪いが、そっちに向かってくれ!」
「えっと・・・・藤木さんの家ですか?」
「息子を下ろしたという場所へだ!」
「あ・・・はい」
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- 外伝『ラフマニノフの憂鬱』第81話
- 外伝『ラフマニノフの憂鬱』第80話
- シリーズ『神童タカさんの褒めて育てる』
に
Kaoru's side …
なんかイメージが…(笑)
グレートな追跡ですね(笑)
間違えて変なコメントしちゃいました。ごめんなさい
すべてがグレートだ…
うーん…
なんだか井上両親がそっちに向かうとなると
色々また面倒なことになりそうな予感です。
さすが神童ですね
薫さんもグレートですね
>か さん
意味はわかりませんでしたが
一番載り認定です!
+50pt
>幹さんGOLDが
ひさびさの上位!
+30pt
>カメさん
グレートでしょ?
+30pt
ポイントって何ですか?
びばたかさんWw
和歌山でしたね…
研究して居た場所でしたね…(記憶あやふや)
熊野古道の近くだったかな?
偉大なる天才だったと思います…
引き合いに出される程に凄い人物だったのですね……
偉大なる母ですね………
しかし…
息子は…………(泣)
私はすっかりグレート父さんが招いたものだと思ってました~。
これ下ったから降りたんですけどね 真相は
やっぱここで藤木かぁー
重要な場面になりそうですね♪
それにもう一つの問題が絡んで来るのかな?
>ジョンくん
このブログは、コメントを通して交流するために、ポイント制を導入しています。
ポイントをためると、いいことがあるのですよ!
中には悪いことがあった人もいますが。
タカさんってすごいんですね~。
>papaさん
なにが下ったって?
降りたってなにを?
意味わかんないんですけど?
>銭形のくん
ほんとよく知ってんな~~~~
驚きを隠せません。
このコメントは管理人のみ閲覧できます
まさかのグレート父さんSide!
グレート母さんの方がタカさんを招待したがってたのは意外でした。
それにしてもなんだかますます波乱の予感ですね!
グレィィト父さん&神童タカさん
かっこいい~
そういえば……
どこでかは忘れましたが井上くんが
父がお前のことを
カタさんからネジを2本抜いて、いらんとこに1本加えたようだ
って言ってたって言ってましたね~。
しかも井上くんはその通りだと思うって言ってましたし…。(笑)
無線機高い…
この時代でタクシー1台60万って、現在に換算するといくらくらいでしょうか…。
和美ちゃんどこいったーーーゎら
い、いやドラえもんの
暗記パンにはかなわんさ
胃がもてばね…
くろわっさんって相当切れるんだろうなー
南方熊楠!俺も知ってます~。野草の研究、細菌の研究で有名ですよね。確か、野草の採取をするときはスッポンポンで行ったって言いますよね‥‥。
どうやら幸いにもタカさんとママチャリはそんなことはなかったようですね。
もりやくんがそろそろ来るんかいな?
>ジョンくん、ジョンくん
ポイントは、1話に1回しかつかないから(笑)
昔何かで読んだ記憶が在ります…
植物雑誌か何かだったと思います…
笑
ちなみに最初のコメントの か って奴俺なんで♪
初投稿なんでよろしくっす☆
くろわっさん話術が上手いねー
偉そうですいまそん
まさかの井上父
それにしても、タカさんの逸話はいつ聞いても凄いですね~
グレート父さん、すごい。
この回転具合が、おかしな方向に走らなきゃいいんだけど。(^◇^;)
パパさんの「下ったから降りた」て、なつみちゃんのトイレの話でないか?
違うか。。。?
以前は
カタさんからネジを3本抜いて、いらんとこに2本加えたようだ
だったと思います。
どうでもいいですけど。
で、普通に
「どこでおりたかわからか」と聞くことができるのがグレートですよね。
それから「母さん」は
「衣笠が良かったわ」だし、
「広島が勝っても、負けても、試合が無くても、飲む」し、
「引き分け」のときだけは飲まないのかな?
ネジ2本抜いて1本足した・・・結局1本足りんのですか・・・
このコメントは管理人のみ閲覧できます
グレート奥さんが、タカさんに興味を持っていたとは意外です~。それにしても井上家はもうちょっと緩くなってもいいんじゃないか…とよく思います(笑)
どないなんにゃろ…
これもまたよんでいて面白い・・・!
…
100冊の暗記・・・・・・
とても自分には出来そうもない………
タカさん真面目に覚えこんでいったのか…!?
もしそうだとすれば…(汗)
ご良家はよくわからない…(笑)
いったいどうなる!?
タカさんすげぇ……
僕は一生かけてもできなさそうだ。
タカさんやっぱスゲェ~
父親はグレートだけどゆうこちゃんは可愛い♪♪
ゆうこちゃんまたしゃべらなかった・・・
タカさんは、本当に神童ですね。
南方熊楠って、アンパン好きだそうですよ。
井上家 何事もグレート
許婚で井上家に嫁いだグレート母 おタカさんの名前が出てくると気分は穏やかでなかったはず。ずっと気になる存在だったでしょうね。
カープファンのグレート母が才女って印象はなかったけど やはり良家。
神童のおタカさん すごい『神童』で留まってある意味良かったのかも。
ママチャリくん 神童の母から受け継いだと思われるネジ2本をどこに置いてきたんでしょうね。 代わりに要らんネジを拾ったようで。。。
そのネジがみんなを引き寄せているんだろうな~
無線機が車の半分の値段
いや、既に大騒ぎか?
「おタカ様からネジを2本抜いて、いらんとこに1本加えたような」チュウーママチャリくん、どう治めるんでショナ~?
ワシ~、o(^o^)oですぅ~♪
「神童」 とは単に頭が良いのとは
まるで次元が違うんですね!
ただただビックリです☆(@_@)
それにしてもグレート井上さんや
グレート薫父さんの“嫌な予感”は凄いなぁ!
グレート母さんは 「夕子はまだ小学生」 と高を括っているのに。
一般的には兄や父親の方が 「まだ子供」 と考え勝ちだと思うのですが
夕子ちゃんへの思い入れの違いでしょうか?
勿論、才女のグレート母さんにとっても
利発な夕子ちゃんは可愛くて仕方がない娘に違いありませんが
(夫婦で探しに出てるくらいだし。)
夕子ちゃんへの思いに温度差があるように感じました。
ママチャリも本気を出せば100冊暗記ぐらいはできるんでしょうね(笑)
前にもありましたね~。2本抜いて、1本いらんとこに足してしまったやつ・・・(笑)
そしてやっぱり、1本は足りてないってことですね(笑笑 )
ママチャリはどこまで神童の血をひいているのか・・・・
何冊覚えられるんでしょう
なんだかんだで大集合っ!!(笑)
あれだけの知識を本から吸収しるのだとしたら、ママチャリもタカさんの才能をうけついでるんじゃないかな~??
問題の娘とは
聞き捨てならん言葉ですね。
くわばらくわばら
グレート父、嫌な予感はいいけど・・・
問題の娘ってひどい・・・
グレート!!
さすがグレート父ですね考え方がグレート井上くんに似てる気がする(^ ^)
だけど、何か決定的に違う部分も感じます(^ ^)
親バカでグレートだとああなるんですねw
あ。グレートだから親バカなのかw
みんな知ってるんだ、世間は狭いんですね…。
タカさんからねじを二本抜いて、いらんところに一本どころじゃない気が・・・
グレート父さん面白いです
ねじ2本って・・・
神童の母から、ネジを2本抜いて、いらんとこに1本加えたようって、残りの1本はなくしたんでしょうか(笑)
カオル君が暴走モードに入りそうですね~笑
グレート父さん、世の中物騒になってますよね。たしかにここのところ、神童さん家の次男坊が来たあたりから。
グレート母さん、タカさんの名前を聞いて機嫌を損ねるでもなく、逆に会いたいってだけでも凄いのに、認めちゃうんだから、グレート家に嫁いだだけの事はあるんだなぁ~。
残り一本のネジはどうなったんでしょうか・・・(笑)
タカさんはやっぱりすごい方なんですね~!
息子は・・・結局ネジ1本足りてない・・・笑笑