*****INOUE'S SIDE
「どんまいコントロールってなぁーに?」
「マインドね、マインド」
僕はマインドコントロールに興味を抱いたことはなかった。
が。実は僕たちよりも少し上の世代。
ちょうど村山のアニキあたりの世代では、かなり話題になった話だ。
きっかけは、『睡眠学習』などの通信販売なんかで、
もちろん、そんなものに効果なんかはなかったのだけれども、
それから、「憧れの彼女をふりむかせる」だの、「クラスの人気者になる」だののキャッチコピーが踊るようになった。
小学生だった僕に、そんなものはどうでもよかったし
「成績がグングン上がる!」にも「クラスの女子がみんな君のもの!」にも関心はなかったから、詳しく調べたりはしなかったけれども、世の中には、そういう「都合のいい話」もあるのだなぁ、程度には知っていた。
兄のいる村山は、僕よりも目にした回数が多いはずで、
「アニキの『高2時代』(旺文社)には載ってた気がした・・・・」
やはりその世代。
「へぇーー。おもしろかった?」
「よくわかんなかった・・・・。漢字、フリガナないし・・・・マンガしか読まなかった。ただ・・・・」
「ただ?」
「やっぱりアニキの自動車の本に、レーサーが『スピードに対する恐怖感をなくす方法』ってのがあって・・・ああ、これもそうかなって・・・・」
「なるほどね・・・」
ジュリーは、クラスでも、あるいは我が家でも、次々に突飛な行動をとってみんなの興味を引いた。
それを見る限りでは、
『クラスの女子がみんな君のもの!』を、実践しているようにも思えてくる・・・・。
当然ながら、効果のあるヤツとないヤツはいるだろう。
「はあ?あのニワトリ野郎がぁあ?」
少なくとも、小島なつみには、まったく効果がないようだ。
そして、
「よくも知らないクセに~!」
一番幼い妹には、効果テキメン・・・?
「夕子だって、よく知らないだろ?」
なんで怒ったように言う?
なにを怒っている?
「そりゃあ・・・・そーだけど・・・・」
「あ!夕子ちゃんって、ひょっとして~~~ひょっとした~~~?」
小島は、ホントに、美容院の子らしく、なんでもそこに持ってく。
耳年増なんだ。
「そ、そんなんじゃないわよ!」
妹も・・・・小島といると、小学生ながらリッパに「女子」だ。
夕子がこんなに成長してたなんて、ちっとも知らなかった。
「ま~たまた~~。隠さなくってもいいよ~?」
「ちがうってば!」
「カレ、夕子ちゃんみたいな子、タイプかもぉ~~~~」
「え?ホントに?」
「でも三歩以上歩いたから、もう忘れてるわね。きっと」
「え~~~~~?」
「だってニワトリだもん。いまごろ和美のもんだわ」
「小島・・・・。妹をからかうのはよしてくれよ・・・・」
「ゴメンナサイ。だって夕子ちゃん、かわいくってー」
そんなふうに言ったら、なおのこと夕子が興味を抱いちゃうだろ?
「夕子ちゃん、どんまいコントローーーーーーール!」
「マインド!」
けれども。仮にもし。
もし、そういうことができたとしたならば。
できるとするならば、
彼のやったことは、
藤木にとって、まさに「革命」であったにちがいない。
守屋もそう言ってた・・・・。
そう言えば。
ショスタコービッチの交響曲第5番が、『革命』・・・・だ。
どうでもいいか・・・・。
*****Mothers Side
『精神操作』については、恥ずかしながら、わたくしは息子ほどに詳しくございません。
ただ、人の行動を決めているものはなにか?ということを突き詰めてまいりますと、必ず、なんらかの形で「意識の中の無意識」というものに辿り着きます。
実は、心理学者が書かれた『褒めて育てる』にも出てまいります。
いえ、それほどむずかしいものではございません。
虫にくっつかれて声をあげるとか、
はたまた歩くとか、頭をかくとか、
人の行動のほとんどは、実は無意識に行われております。
そうそう。アクビをするとか。
たいくつな授業では、どこの子だってアクビをするもの。
誰に教えられたわけでもございません。
しかし、この「たいくつな授業」の最中に、先生が、まったく関係のない「自分にかかわること」をひとつだけおっしゃったとします。
するとおもしろいもので、この言葉は、他のどんな為になる授業の、どんな為になる言葉よりも、意識に残ったりするわけです。
それこそ生涯に渡って。
これは「眠い」というトランス状態に、入り込むかららしく、
つまり、脳が無防備な状態だからです。
<以下、試してはいけません。はしょって書きます>
少し眠い時に両手を組み、ずっと見続けて<中略>すると、どんなに力を入れても手が離れなくなります。
腕枕で寝てたら手が動かなくなった、というのとはちがいますよ?
脳が行動を勘違いするからなのですが、そうやって考えると、無意識のほうが「意識した行動」よりも強い、ということになります。
もし意識した行動のほうが、無意識の行動よりも強ければ、人は簡単に死んでしまうことでしょう。
身体でさえ、そうなのでございますから。
心自体はもっと簡単なのかも知れません。
問題は、息子がその方法を知っているとして。
それをどんなトンチンカンなことに応用しようとしたか、です。
育てた親が言うのもなんですが、息子の「あさはか」さは、筋金入りでございますゆえ。
あーーー『褒めて育てる』。渡すんじゃなかった!
「とにかく、ここで考えてても始まらないわ・・・・」
わたくしは、井上さん夫婦にはご帰宅いただいて、藤木さんのおじいさんを訪ねてみることにいたしました。
わたくしの考え通りであるなら、息子は・・・
彼は、今日、藤木さんのおじいさんに会っているはずでございます。
つづく・・・・
神童タカさんの『褒めて育てる』へ→
ラフマニノフの憂鬱 第80話へ→
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「どんまいコントロールってなぁーに?」
「マインドね、マインド」
僕はマインドコントロールに興味を抱いたことはなかった。
が。実は僕たちよりも少し上の世代。
ちょうど村山のアニキあたりの世代では、かなり話題になった話だ。
きっかけは、『睡眠学習』などの通信販売なんかで、
もちろん、そんなものに効果なんかはなかったのだけれども、
それから、「憧れの彼女をふりむかせる」だの、「クラスの人気者になる」だののキャッチコピーが踊るようになった。
小学生だった僕に、そんなものはどうでもよかったし
「成績がグングン上がる!」にも「クラスの女子がみんな君のもの!」にも関心はなかったから、詳しく調べたりはしなかったけれども、世の中には、そういう「都合のいい話」もあるのだなぁ、程度には知っていた。
兄のいる村山は、僕よりも目にした回数が多いはずで、
「アニキの『高2時代』(旺文社)には載ってた気がした・・・・」
やはりその世代。
「へぇーー。おもしろかった?」
「よくわかんなかった・・・・。漢字、フリガナないし・・・・マンガしか読まなかった。ただ・・・・」
「ただ?」
「やっぱりアニキの自動車の本に、レーサーが『スピードに対する恐怖感をなくす方法』ってのがあって・・・ああ、これもそうかなって・・・・」
「なるほどね・・・」
ジュリーは、クラスでも、あるいは我が家でも、次々に突飛な行動をとってみんなの興味を引いた。
それを見る限りでは、
『クラスの女子がみんな君のもの!』を、実践しているようにも思えてくる・・・・。
当然ながら、効果のあるヤツとないヤツはいるだろう。
「はあ?あのニワトリ野郎がぁあ?」
少なくとも、小島なつみには、まったく効果がないようだ。
そして、
「よくも知らないクセに~!」
一番幼い妹には、効果テキメン・・・?
「夕子だって、よく知らないだろ?」
なんで怒ったように言う?
なにを怒っている?
「そりゃあ・・・・そーだけど・・・・」
「あ!夕子ちゃんって、ひょっとして~~~ひょっとした~~~?」
小島は、ホントに、美容院の子らしく、なんでもそこに持ってく。
耳年増なんだ。
「そ、そんなんじゃないわよ!」
妹も・・・・小島といると、小学生ながらリッパに「女子」だ。
夕子がこんなに成長してたなんて、ちっとも知らなかった。
「ま~たまた~~。隠さなくってもいいよ~?」
「ちがうってば!」
「カレ、夕子ちゃんみたいな子、タイプかもぉ~~~~」
「え?ホントに?」
「でも三歩以上歩いたから、もう忘れてるわね。きっと」
「え~~~~~?」
「だってニワトリだもん。いまごろ和美のもんだわ」
「小島・・・・。妹をからかうのはよしてくれよ・・・・」
「ゴメンナサイ。だって夕子ちゃん、かわいくってー」
そんなふうに言ったら、なおのこと夕子が興味を抱いちゃうだろ?
「夕子ちゃん、どんまいコントローーーーーーール!」
「マインド!」
けれども。仮にもし。
もし、そういうことができたとしたならば。
できるとするならば、
彼のやったことは、
藤木にとって、まさに「革命」であったにちがいない。
守屋もそう言ってた・・・・。
そう言えば。
ショスタコービッチの交響曲第5番が、『革命』・・・・だ。
どうでもいいか・・・・。
*****Mothers Side
『精神操作』については、恥ずかしながら、わたくしは息子ほどに詳しくございません。
ただ、人の行動を決めているものはなにか?ということを突き詰めてまいりますと、必ず、なんらかの形で「意識の中の無意識」というものに辿り着きます。
実は、心理学者が書かれた『褒めて育てる』にも出てまいります。
いえ、それほどむずかしいものではございません。
虫にくっつかれて声をあげるとか、
はたまた歩くとか、頭をかくとか、
人の行動のほとんどは、実は無意識に行われております。
そうそう。アクビをするとか。
たいくつな授業では、どこの子だってアクビをするもの。
誰に教えられたわけでもございません。
しかし、この「たいくつな授業」の最中に、先生が、まったく関係のない「自分にかかわること」をひとつだけおっしゃったとします。
するとおもしろいもので、この言葉は、他のどんな為になる授業の、どんな為になる言葉よりも、意識に残ったりするわけです。
それこそ生涯に渡って。
これは「眠い」というトランス状態に、入り込むかららしく、
つまり、脳が無防備な状態だからです。
<以下、試してはいけません。はしょって書きます>
少し眠い時に両手を組み、ずっと見続けて<中略>すると、どんなに力を入れても手が離れなくなります。
腕枕で寝てたら手が動かなくなった、というのとはちがいますよ?
脳が行動を勘違いするからなのですが、そうやって考えると、無意識のほうが「意識した行動」よりも強い、ということになります。
もし意識した行動のほうが、無意識の行動よりも強ければ、人は簡単に死んでしまうことでしょう。
身体でさえ、そうなのでございますから。
心自体はもっと簡単なのかも知れません。
問題は、息子がその方法を知っているとして。
それをどんなトンチンカンなことに応用しようとしたか、です。
育てた親が言うのもなんですが、息子の「あさはか」さは、筋金入りでございますゆえ。
あーーー『褒めて育てる』。渡すんじゃなかった!
「とにかく、ここで考えてても始まらないわ・・・・」
わたくしは、井上さん夫婦にはご帰宅いただいて、藤木さんのおじいさんを訪ねてみることにいたしました。
わたくしの考え通りであるなら、息子は・・・
彼は、今日、藤木さんのおじいさんに会っているはずでございます。
つづく・・・・
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- 外伝『ラフマニノフの憂鬱』第79話
- 外伝『ラフマニノフの憂鬱』第78話
ドント マインド!
ドント ぽっちぃ
くろわっサン、お疲れ様です
マインドコントロール…かなりすごい話しになってきましたね
あぁ~、中略の所知りて~!マインドコントロールって危険なんですね。
チビチャリは藤木さんの家に行って何をする気でしょう?
確か…
昔イタリアで禁止令がでた記憶が……
他人の無意識を利用するコツを知ると試したくなるのが…
心理ですが…
無意識をズラす事を覚えると掛からなくなる様です…
しかし…
肝心な部分が抜けてるから…
真似ても掛からないですね…
くろわっさんお疲れ様でした…
大昔からあったんですね・・・
使い方を間違えなければとってもいいものなのに・・・
無意識に怒っている人って損ですねえ。
どんまいコントロールできないものか。
この話って、ここまでの中間は、どーーでもいい話だなぁ(笑)
はぁ・・・・・・
>愛修羅さん
一番載りだよ!
+50pt
>マヒロちゃん
いえ、もともとその話だったのです。回り道が長過ぎただけで。
+30pt
>剣心一如くん
はい。解けなくなると危ないので。
まぁ、寝ればたいていのものは解けますけどね。
でもブログで書いたとなると話は別ですから。
+30pt
>銭形のくんは
ほんっとよく知ってるね~
書いてるこっちがビックリする。
実は伊集院光なのでは?
小島さん…
ママチャリくんの事悪く言い過ぎ
三歩歩いたら忘れるて…
伊集院 光さんですか?
彼処まで雑学は無いです…
心理学やトーキングの勉強は…
ヤンチャには、必須科目でした…
懐かしき…
思ひ出です…
どんまいコントロールww
全く関係ないけど足つってめっちゃ痛い(泣)
むぅ~…。
むっ難しい…。
マインドコントロールなんて一回は、
やってみたいですね。
ママチャリくんの言動は意識的だったんですね。
なにをたくらんでるんでしょう?
きになる・・・
心理が気になってきた・・・
中略めっちゃ気になる
スゴい・・・
真相めっちゃ気になるぅー
中略部が気になる・・・
が、理性がそれ以上は危険だと告げている。
どう展開していくのか、皆目見当がつかない…
マインドコントロール
昨日、「桜月夜」読み返してました。
「こっくりさん」も、
ここでいう「マインドコントロール」や「無意識」が関係してるように思います。
「金縛り」も、この
「自分の意識と体の感覚がつながってない」状態だと思ってます。
夢とうつつ、の境目とでもいいましょうか。。。。
「息子」は、また藤木のおじいさんに「正義をふりまわしてる」可能性もありますが、
この「ぼくちゅう」の基本的な精神としても、
また実際の人生でも
「どんまいコントローーーーーーーーール」
は、とっても大切だと思います。
マインドコントロール・・・
やれるとかっこいいなぁ・・・・・(笑)
どんまいとか(笑)
ゆうこちゃんはやっぱかわゆいねぇ~♪
ちょー可愛い♪♪♪
中略部分がスゴク気になる・・・
「金縛り」は脳が睡眠状態で体が活動状態で
体を動かそうとしたら脳が睡眠状態で
体が動かないから
だったと思います
マインドコントロール
調べてみたくなりました
タカさんはちびチャリ君の事をよく見ていますね
凄いですね
マインドコントロールか~
スパイ小説で幼い子供達をアサシンに育てる話に出て来たな~
中略が知りたい!
どんまいコントロール!!
なんか元気出ます(笑)
中略部分が知りたいです……
小学生のママチャリくんが、そんな難しいことを調べてものにしたなんて、考えてみると空恐ろしいですね。
おタカ母さんの心労も相当だったと思いますが、おおらかに見守ってたんでしょうね。
ママチャリ君を育てるためには、本当に膨大でナイロン・ザイルの様に強靭な忍耐力を要したんですね…。
何モノか解らない(何をしでかすか解らない)ママチャリを教育するより、K2登頂の方が生還できる可能性が高いかも。
…うっ、うっ、(涙)
くろわっさーん!
溜め息つかないで下さーい!(≧∀≦)/
肉付けではありませんか♪
に・く・づ・け♪
90分掛けて風邪を引いた理由を解説なさった
歴史学の老A教授の肉付けも
関係なさそうな短歌やお寺の話が
全て風邪を引いたという結末に繋がっていて
なるほど、風邪を引くということ一つを取っても
壮大な理由があるものだなと
非常に感銘を受けました(笑)!
どーーでもいいのではなく
壮ーー大なんです!(^へ^)/
壮ーー大なお話が 「ここに繋がっていたのか!」
と判明する瞬間は堪りません♪
私はくろわっさんの話の結び方が大好きですが
話の結びをしみじみ味わうためには
中間のお話も凄く重要です!(>_<)
これからも壮ーー大なお話を
楽しみにしています☆
(ショートも好きですが♪)
洗脳…夢ではないということか
さすがですね・・・・。
人間って、自分でコントロールできない部分の方が多いんですよね。
そのコントロールできないところにコントロールされてる様な。
人間て難しいです。
どんまいコントロールってどんなやつなんだろう?
あの井上くんの「革命」が一体どんな伏線になるのか( ̄▽ ̄)
ホントにあるんですね~ドンマイコントロール
マインドコントロールですかぁ…
なんか友達がそんなようなことやってたなぁー
結果は言わなくても分かりますよね~
無意識ってすげぇ!
マインドコントロールって、そんな簡単にできるんですか…。
怖っ!!
絶対真似しませーん!