*****INOUE'S SIDE
カチャ・・・・ カチャ・・・・
用品店の前。
小島を待っている間も、
タクシーのメーターは着実に上がっていく。
小島は商店街には顔利きだから、どこのお店でもトイレくらいは貸してくれた。
さすがだけれど。
カチャ・・・・ カチャ・・・・
メーターは上がる(泣)
他の家庭は違うだろうけれど、僕の家は、タクシーチケットでのまとめて支払いだ。
(↑しかも支払うのは井上家ではない。詳しくは書けないが「ご良家ってスゲェ!」と理解すればよし)
それでも、ある程度の金額を超えたら、そりゃぁ僕も妹もただじゃすまない。
1000円を超えたあたりで限界。
我が家へ向かった料金を超えてしまう。
カチャ・・・・
「う、運転手さん。こ、ここで。もういいです」
「え?いいの?君ってわからないようにしておくよ?」
(↑で、タクシー会社は儲かるので、こういうことを平気で提案する。すげぇー)
「いえ・・・・・」
どこのお嬢様がタクシー待たせて用を足す?
これではグラム100円は超えてる。
なにが・・・って。グラムで計れるものだ。あまり考えたくないけど。
「藤木の家って・・・・複雑なんだな・・・・」
と、腹が痛いはずの村山。
なんで村山はトイレに行ってないんだ?
「まぁ、いろいろあるよね」
田舎っていうのは、世間がせまいから、そういう話はよく耳にする。
井戸端会議では、芸能界のゴシップなんかよりずっと多いのだけれど、
ただ、僕たちが子供すぎて、その内容に気づいていなかっただけ。
けれども、藤木は、本人だから、逃れたくても逃れられなかったはずだ。
どういう気持ちなんだろう?
自分の親が自分の親じゃないかも知れない、と耳にした時の気持ちって・・・・。
そこへ
「フゥ~~~・・・・スッキリ♪ アレ?」
もどって来た小島が、タクシーがないことに気づいた。
「わたしたちの馬車は?」
「料金オーバーでカボチャにもどったよ・・・・」
それでも、もう藤木の家は間近だったから、
僕たちはそこから歩いた。
少しだけ歩いてから、
「あ~~~、なんだってわたしたち日曜日の良き日にこんなことやってるんだろ~~~?」
小島がグチる。
「しかたないだろ?」
「しかたないって・・・井上クンはどうして?」
「え?」
「ゆいちゃんが好きだったとか?」
「ま、まさか!よせよ!」
と、言ってから。
ここにいる全員の奇妙な共通点に気づいた。
いや、正確には小島なつみを除いた全員、と言うべきだ。
ある時から。もっと言うなら今日から。
明確に「なにか」が変わった。
だから、ここにいる。
村山も。そして僕も。
あるいは守屋も。智枝子も。
だいたい人のことなどに関わりたくない方だ。
悪く言えば「ことなかれ主義」。
それがどうだろう?
「なに深刻な顔してんの?お兄ちゃん」
「いや・・・・」
特に幼い妹は顕著だ。
昨日の妹が、今日の妹を見たらビックリするにちがいない。
黙って家を出るような子ではないのだから。
なにかが変わった。
すると、村山が、
「アイツ・・・・変えるつもりだったのかな・・・」
「あ。村山も気づいてた?」
僕と村山は、互いに通じてるような通じてないような会話をした。
「うん・・・・さっき、藤木を見つけて走ってる自分を・・・・・」
「僕も、今、そう思ってた」
最もこういうことのニガテな村山がここにいるのだから。
僕たちが、今、ここを歩いているのが、なによりの証拠ではないのか?
そうだ・・・。
信じにくいけれども
世の中には、いるのかも知れない。
「ねぇ!なに言ってんの?」
イラついたように小島。
「カボチャを馬車にするヤツのことさ」
「はあ?」
そう。
人の心を変えることができる、ってヤツが・・・。
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カチャ・・・・ カチャ・・・・
用品店の前。
小島を待っている間も、
タクシーのメーターは着実に上がっていく。
小島は商店街には顔利きだから、どこのお店でもトイレくらいは貸してくれた。
さすがだけれど。
カチャ・・・・ カチャ・・・・
メーターは上がる(泣)
他の家庭は違うだろうけれど、僕の家は、タクシーチケットでのまとめて支払いだ。
(↑しかも支払うのは井上家ではない。詳しくは書けないが「ご良家ってスゲェ!」と理解すればよし)
それでも、ある程度の金額を超えたら、そりゃぁ僕も妹もただじゃすまない。
1000円を超えたあたりで限界。
我が家へ向かった料金を超えてしまう。
カチャ・・・・
「う、運転手さん。こ、ここで。もういいです」
「え?いいの?君ってわからないようにしておくよ?」
(↑で、タクシー会社は儲かるので、こういうことを平気で提案する。すげぇー)
「いえ・・・・・」
どこのお嬢様がタクシー待たせて用を足す?
これではグラム100円は超えてる。
なにが・・・って。グラムで計れるものだ。あまり考えたくないけど。
「藤木の家って・・・・複雑なんだな・・・・」
と、腹が痛いはずの村山。
なんで村山はトイレに行ってないんだ?
「まぁ、いろいろあるよね」
田舎っていうのは、世間がせまいから、そういう話はよく耳にする。
井戸端会議では、芸能界のゴシップなんかよりずっと多いのだけれど、
ただ、僕たちが子供すぎて、その内容に気づいていなかっただけ。
けれども、藤木は、本人だから、逃れたくても逃れられなかったはずだ。
どういう気持ちなんだろう?
自分の親が自分の親じゃないかも知れない、と耳にした時の気持ちって・・・・。
そこへ
「フゥ~~~・・・・スッキリ♪ アレ?」
もどって来た小島が、タクシーがないことに気づいた。
「わたしたちの馬車は?」
「料金オーバーでカボチャにもどったよ・・・・」
それでも、もう藤木の家は間近だったから、
僕たちはそこから歩いた。
少しだけ歩いてから、
「あ~~~、なんだってわたしたち日曜日の良き日にこんなことやってるんだろ~~~?」
小島がグチる。
「しかたないだろ?」
「しかたないって・・・井上クンはどうして?」
「え?」
「ゆいちゃんが好きだったとか?」
「ま、まさか!よせよ!」
と、言ってから。
ここにいる全員の奇妙な共通点に気づいた。
いや、正確には小島なつみを除いた全員、と言うべきだ。
ある時から。もっと言うなら今日から。
明確に「なにか」が変わった。
だから、ここにいる。
村山も。そして僕も。
あるいは守屋も。智枝子も。
だいたい人のことなどに関わりたくない方だ。
悪く言えば「ことなかれ主義」。
それがどうだろう?
「なに深刻な顔してんの?お兄ちゃん」
「いや・・・・」
特に幼い妹は顕著だ。
昨日の妹が、今日の妹を見たらビックリするにちがいない。
黙って家を出るような子ではないのだから。
なにかが変わった。
すると、村山が、
「アイツ・・・・変えるつもりだったのかな・・・」
「あ。村山も気づいてた?」
僕と村山は、互いに通じてるような通じてないような会話をした。
「うん・・・・さっき、藤木を見つけて走ってる自分を・・・・・」
「僕も、今、そう思ってた」
最もこういうことのニガテな村山がここにいるのだから。
僕たちが、今、ここを歩いているのが、なによりの証拠ではないのか?
そうだ・・・。
信じにくいけれども
世の中には、いるのかも知れない。
「ねぇ!なに言ってんの?」
イラついたように小島。
「カボチャを馬車にするヤツのことさ」
「はあ?」
そう。
人の心を変えることができる、ってヤツが・・・。
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- 外伝『ラフマニノフの憂鬱』第79話
- 外伝『ラフマニノフの憂鬱』第78話
- 外伝『ラフマニノフの憂鬱』第77話
久コメです!
人の心を変える人…
会ってみたいなぁ
一番?なわけないか。
支払いは井上家ではないとか‥‥。なんかよくわかんねーけどすげぇ。
グラムではかれるって・・・
女子でもハウドゥユドウは想像したくありまへん。
人の心を変える…。
そうそう、できるもんじゃないですね~。
彼ならでは、か…。
チビチャリくんは人の心をこんなにかえたんですね。
う~~ん、国際関係・・・そのまま読まないように。。。
というかご無沙汰ぶりーふです(^-^)
ママチャリ君 自覚なしで人の意識を変える能力があるのかも。
そういや、横の最新コメント欄に「帰ってきたぞ」なる記事が見えるのですが、もう消えてるようで・・・
どんな内容だったんでしょうか?
ママチャリが周囲に与える影響力は凄いですね!
いい意味でも悪い意味でも。
井上家がオーナーの会社の経費?
メーターの上がる音は庶民の心臓には悪いです。
ようやっと「マインドコントロール」に帰ってまいりました~。長かった~(長過ぎ!)
>サンタさん
一番載り認定。
今年のクリスマスまで来ないかと思ってましたよ~
+50pt
>剣心一如くん
一般家庭では、タクシー料金は「経費」として認められませんが、税金対策としてタクシー料金を払いたくてしかたない所があるわけですね。
エライ人は、タクシー代はかからなかったのです。
+30pt
>エービィくん
あー。最新刊の情報を書いたブログです。
+30pt
>愛修羅さん
ひさしぶりだねぇ~
忘れさってしまうところでした。
・・・ったく。
これだからオナゴのトイレは・・・
これが日本初の、有料トイレですか
人を動かすというのはまさにこういうことですね
それにしても井上家ハンパねぇ…
とりあえず、井上家凄え!
た、た、たったかったった、たったかったかすぎ
でしょ!
そーいや、もーすぐ100000000HITだなあ。
去年のXmasにゴールデンウィークに行くと予言した気がするけど、すぎちゃったな・・
入院した時、朝の診回りに来た看護師さんに
「お小水、1500cc。大きい方、1000cc」て答えた事がありまーす。
ツッコミもせず無言でカルテに書かれ、黙って下痢止めを持って来られちゃったんで、素直に「ごめんない、もうしません」って謝っちゃいました。
ベテラン看護師さんって凄いなぁ~と思いました。
PCから
規制かかっちゃって見れなくなっちゃったんで
iPadからぼく駐です!
金がかかるトイレか・・・
絶対小島みたいな女子とはかかわりたくないな・・・
いろんないみでww
「変えられた」って気付くと楽ですよね。
だって
馬車がカボチャに戻っても、
「また馬車にすればいい」んだもの。
もしかして 委員長は 妖精さん?
そうか!
タクシーって止まってる間もメーター上がるんだ!
かぼちゃのまま馬車にならない物もあれば、元々素材の良いかぼちゃはサリーちゃんの魔法で馬車に生るのだ。
トイレに千円…考えられねぇ……
…ん?よく考えたら物価が違うのか?
ますます考えられねぇ…………
タクシーの件ですが、
今でも「医療費」のかかるかたは
「通院のタクシー代」にも
「節税」が適用されることもありますよね。
「病院へのタクシー代」の領収書は節税のために取っておく方が良い、と勧められたことがあります。
料金には勝てないカボチャの馬車…(笑)
ママチャリのカリスマ性、すごいですね
井上家すごいですねー
提案されても断るあたりが
井上くんて感じがします。
私なら運転手さんの
お言葉に甘えるなあ…
誉めて育て上げたオタカ様の忍耐力、すげ~っ!!!!!
ママチャリスゲ~~!
ゆうこちゃんやっとしゃべった~~♪♪
よし。
ご良家ってスゲェ!w
ママチャリくんの才能に気付きましたか…
ママチャリ、スゲェ~・・・
井上家もスゲェ~
ママチャリ、かっこいい!!
確かに
ママチャリは何かやってくれる人ですね
ハツコメです
チビチャリくんみたいな子が居たら学生時代もっと楽しかっただろうな…
自分もイタズラ色々しましたが、勝てる気がしません(笑)
ぼくちゅう 学生時代 思い出す
なんて、稚拙な句で失礼いたしました
これからもブログアップ応援してます
季節の変わり目、体調に気をつけてくださいね
私も、変えてもらいたいなぁ~
まだ出会ったばかりの人でさえ動かし、変えてしまうのは、まさにママチャリくんの魅力の為せる技でしょうね
そうか!
「マインドコントロール」 に帰ってきたのか!
学生時代の歴史学の最初の授業を思い出します。
講義時間の冒頭に 「風邪を引いてしまいまして・・・
どうして風邪を引いたかと言うと・・・」
と前置きした切り延々関係なさそうな短歌の解説や
奈良のお寺の解説等を続ける老A教授。
そろそろ90分経つぞという時に
「・・・それで風邪を引いてしまいました。」
と話が帰結した瞬間、
「私、この先生好き!」 と思いました(^∀^)
なつみちゃんは意外とキーパーソンですね♪
ほどんとが気付かないけれど人は変化し続けるものだと思います。
だって生きているんだもの。
でも変化に気付くくらい急激に変わるのは
やっぱり外からの影響あって、なんでしょうね。
予想外な展開なのか・・・
本編とは関係ありませんが、
ついに
「ドラゴンが発射」されてしまいました。
http://www.cnn.co.jp/video/9098.html
「ドラゴンが発射」されるなんて、
ぼくちゅうファンにはショックな出来事です。
また、時代が変わってしまいました。
グラム100円は想像したくない…(笑)
グラム100円ーwwww
委員長すごい・・。
他の人の視線が気になるから…
人助けや関わりを持ちたく無い人は…
何時の時代にでも居てますが…
人を突き動かす人物は余り居てないのですよね……
いい意味での委員長との触れ合いが切っ掛けで…
一歩前に進めたのは良かったのですが…
村山くん、井上くん……
君達の未来は…
凄く特殊ですよ…………
ヤマアラシのジレンマに陥らなくて喜ぶべき切っ掛けですよ……
小さな魔法使いですね(^^)
…なんか素敵な魔法使いだな~
わたしも、変えてほしい、な~
えっ?自分で変えろって?(笑)
魔法使いですねっ
普通タクシー止めてトイレ行くか?
小学7年生って感じだなやっぱり
ご良家ってすごいんですね。
ママチャリがすごいんだか
すごくないんだか
わからないですね(笑)
グラム100円・・・・・・・・・・・・
タクシーって止まっている間にも料金かかるのかあ。
ママチャリかっけー
井上家ってすごいですね………(笑)
グラム¥100→豚バラより高い(笑)
グラム100円で1000円かかったから•••
•••1kg!?
>杏花翠月さん 初登校!
いらっしゃいませ~
+100pt
はい。ブログ側、けっこうしんどくなってきましたが頑張りますねっ!
>杏花翠月さん
よろしくぅ~
かっこいいですね~
こうやって言われると