ぼくたちと駐在さんの700日戦争

守屋くんSIDEが続きます。

＊＊＊＊＊BOYS SIDE

しかしアイツはヤバい。

そう考えてたら、急に智枝子が気になり出した。
ってか、他のヤツはどうでもいいが、智枝子だけは譲れないぜ。

だいたい、智枝子のヤツ、ケーキ屋の帰りにすでにアイツの腕に抱きついてた。
抱きついてたってことは、智枝子のかなり控えめな胸でもくっついた、ってことでーーー

やっぱ許せねぇっ！

いても立ってもいられなくなった俺は、智枝子に再び電話してた。

”なぁに？守屋くん。まだなんか用事？”

智枝子。心なしかいつもより冷たい。
いや、いつも冷たいが、今日はさらに冷たい。
アイスノンくらいに冷たい。

「その・・・・ヤツから電話あったか？」

”なんでそんなこと知りたいの？”

俺は「ヤツ」を誰とも言わなかったのに、
智枝子は、察した。

もう、それだけでも十分だった。

俺が電話した直後に、山猿は智枝子に電話したんだ。

きっとその時には、
いいや、もっと以前から、
智枝子はコントロールされてる！に、ちがいない！

くそぉ！あんな山猿に智枝子をとられてたまるか！

が・・・・・

今までのA小の連中とちがって、アイツは、ひと筋縄ではいかない。

なんてったって、人の心を操る悪魔みたいなヤツだ。
言ってみりゃ、メフィラス星人だ。


＜メフィラス星人=ウルトラマンに登場する宇宙人で、なんとIQ10000！　知性派で、人間だけでなく宇宙人の心も操る事ができる。が、IQ10000なのに、なぜか地球代表にそのへんの子供を選んで「地球をくれ！」と交渉するが決裂。お気の毒＞

なんとかしないと、なんとか・・・。
メフィラス星人に地球侵略される前に・・・。

少なくとも2年まではなんとかしないと、
中学の生徒会副会長戦では、俺が破れることになる・・・。
いや、立候補すら危うい。


待てよ？

今なら、K小とA小は、しっくりきていない。
特にA小の連中は、K小連を快く思っていない。

それを利用して・・・・

　いっそ「全面対決」に持ってけばいいんじゃないのか？

そういうことを面白がるヤツは、A小にもいっぱいいる。

勝てるのか？K小に・・・。
メフィラス星人までいるのに・・・。

そうだ！
A小にだって井上がいるじゃないか！

だいたい新聞記者の一件でも、山猿の出方を計算できていたから、あんな技ができたわけで・・・。
ってことは、井上のほうが1枚も2枚も上ってことだ！

井上さえ味方につけられれば・・・

　A小に勝機はある！

井上のご機嫌をとるのは簡単だ。
「ふとんがふっとんだ！」でも、十分上機嫌になる。

いや、井上も、もう中学生だからな。
もうひとひねりくらいほしい・・・

「ふとんがコットンだ！」

ダメだ・・・・。
シャレでもなんでもねーじゃん・・・。
ただの木綿の布団だ・・・。

「もめんがコットンだ！」

ダメだ・・・。
ただの解説だ・・・。

あきらめた。
俺にシャレの才能はない。

なんか他の方法・・・・他の・・・・

待てよ？井上の妹が誘拐どうとか言ってたな？
出所はわかんないが、これって使えないか？

そこにジャストタイミング。
なんと井上本人から電話が入った。

”もしもし？守屋？”

「ふとんがムートンだ！」

”アハハハハハ！”

ウ・・・・ウケた・・・・

信じられん・・・・・。

（※A小 対 K小　井上vsチビチャリ対決は別章です）


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