*****BOYS SIDE
考えてみたら、さっきからコイツ、鼻かきっぱなしだ。
人のことは分析しておきながら、自分に応用できないとは・・・・。
なんてアホなヤツ・・・・。
と・・・考えて、さっきの夕子のついた「ウソ」が気になった。
もともと妹は、ウソをつくような子じゃない。
だから、行動にも現れたのだろうが。
だからと言って、なにを「ウソをつく必要」があるのかは、皆目見当がつかない。
あ・・・・・
ひょっとして男の子から・・・・?
夕子だって、それくらいの年齢だ。
いや・・・母は敦美ちゃんからと言っていた。・・・・ということは・・・・。
「夕子ーーーーーーー」
”なあにーーーーーー”
呼んだとたんに、妹はもどって来た。
「さっきの電話だけどさ」
「だ、だから敦美ちゃんからだってば」
ホントだ・・・
鼻に手がいく・・・・
「うん。で、敦美ちゃんの用事は?」
「えっとーーーー・・・・・」
妹は、別に答える必要もないところで、言葉につまった。
「・・・・・日曜日、買い物行こうって」
「今日が日曜日だろ?」
「え・・・?あ・・・、だから来週のだよ、来週の~」
我が妹ながらウソがヘタだ。
(来週・・・・きっと男の子がいっしょなんだ?)
父が知ったらなんと言うだろう?
と、言いつつも。
妹が成長するにつれ、自分が父に似た感情を持ち始めていたことに、自分でも気づいていなかった。
なのに、ここで、ジュ・・・ジュリーが、
「来週?町に行くんだったらさ、ケーキただで食べられるとこあるよ?夕子ちゃん」
「え!ホントに?」
「ホントホント。ただし、柿ぬすまないとダメだけど」
「柿?ドロボーすんの?」
「そうそう!おもしろいよ?」
なんだ、盗まないとダメって・・・・。
これか。守屋が言ってたのは・・・・。
「君、夕子をへんなことに誘わないでくれる?」
と、言って気づいた。
その言葉が、父と酷似していたことに。
僕は、なぜか、それがたまらなく嫌に思えて。
「・・・・・じゃあ、僕も行こうかな?」
「え~~~~!お兄ちゃんも行くの?」
「え~~~~!お義兄ちゃんも行くの?」
ジュリーの義兄になった覚えはない。
「行っちゃ悪い?」
「そんなことないってーーー!大歓迎だってーーーー!」
また鼻かいてる・・・・。コイツは・・・・。
わかったことは、夕子への電話は「デート」じゃなかったってことと、
そして「ジュリーは大マヌケ」ということだ。
*****GIRLS SIDE
「お母さん、知ってるの?」
「そりゃ知ってるわよ。有名だもの」
「へーーーー。そうなんだ?」
「どんな息子さん?やっぱり頭いい?」
「うーーーーん」
どっちかって言えば馬鹿だ。
が・・・・
その質問が、私によからぬ「企み」を与えた。
私は、私が「お姉ちゃんと同じ人を好き」、ということが
母から、お姉ちゃんに伝わるのが怖かった。
だから・・・・
「素敵な子だよ?」
「でしょうねぇ」
「つきあっちゃおうかなーーー、なんてネ♪」
「タカさんの息子さんと?」
「ウン」
でも、あれはトンビだよ。
トンビだってよかった。母が私に抱いている「疑念」さえ払拭さえできれば。
「あなたには早すぎますよ。ホホ・・・」
母の答えには、岡村センパイのことも含まれてた。
あなたには早すぎる・・・・。
いっつも、そう。
「じゃ、お姉ちゃんはどうなの?」
「お姉ちゃんは・・・・・」
「ふたつしかちがわないわよ?私」
「それはそうだけど・・・・」
これが余計だった。
「じゃぁ、その子、ウチに連れていらっしゃい」
「そ・・・その子って?委員長を?」
「そう。タカさんなら、お母さんも知らない人じゃないから」
母は頭がいい人だ。
そのタカさんって人とは比べられないけど。
私の裏の裏まで読んでる・・・・。女親ならでは、ってとこ。
「今日、会うんでしょ?井上さんちで」
「う・・・・うん。会うけど・・・・・」
私は・・・・
こんなとこで、「負けず嫌い」の性が出た。
お姉ちゃんの交際は許して、
私は子供扱いってとこが気に入らなかった。
「わかった!今日、連れてくるから。会ってみて?」
「え・・・・?」
ほらね。ぐうの音もない。
この場は私が勝った。
勝ったけど・・・・・・・・・
どうしよーーーーーーーーー?
つづく・・・・・
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『ラフマニノフの憂鬱』第22話へ→
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考えてみたら、さっきからコイツ、鼻かきっぱなしだ。
人のことは分析しておきながら、自分に応用できないとは・・・・。
なんてアホなヤツ・・・・。
と・・・考えて、さっきの夕子のついた「ウソ」が気になった。
もともと妹は、ウソをつくような子じゃない。
だから、行動にも現れたのだろうが。
だからと言って、なにを「ウソをつく必要」があるのかは、皆目見当がつかない。
あ・・・・・
ひょっとして男の子から・・・・?
夕子だって、それくらいの年齢だ。
いや・・・母は敦美ちゃんからと言っていた。・・・・ということは・・・・。
「夕子ーーーーーーー」
”なあにーーーーーー”
呼んだとたんに、妹はもどって来た。
「さっきの電話だけどさ」
「だ、だから敦美ちゃんからだってば」
ホントだ・・・
鼻に手がいく・・・・
「うん。で、敦美ちゃんの用事は?」
「えっとーーーー・・・・・」
妹は、別に答える必要もないところで、言葉につまった。
「・・・・・日曜日、買い物行こうって」
「今日が日曜日だろ?」
「え・・・?あ・・・、だから来週のだよ、来週の~」
我が妹ながらウソがヘタだ。
(来週・・・・きっと男の子がいっしょなんだ?)
父が知ったらなんと言うだろう?
と、言いつつも。
妹が成長するにつれ、自分が父に似た感情を持ち始めていたことに、自分でも気づいていなかった。
なのに、ここで、ジュ・・・ジュリーが、
「来週?町に行くんだったらさ、ケーキただで食べられるとこあるよ?夕子ちゃん」
「え!ホントに?」
「ホントホント。ただし、柿ぬすまないとダメだけど」
「柿?ドロボーすんの?」
「そうそう!おもしろいよ?」
なんだ、盗まないとダメって・・・・。
これか。守屋が言ってたのは・・・・。
「君、夕子をへんなことに誘わないでくれる?」
と、言って気づいた。
その言葉が、父と酷似していたことに。
僕は、なぜか、それがたまらなく嫌に思えて。
「・・・・・じゃあ、僕も行こうかな?」
「え~~~~!お兄ちゃんも行くの?」
「え~~~~!お義兄ちゃんも行くの?」
ジュリーの義兄になった覚えはない。
「行っちゃ悪い?」
「そんなことないってーーー!大歓迎だってーーーー!」
また鼻かいてる・・・・。コイツは・・・・。
わかったことは、夕子への電話は「デート」じゃなかったってことと、
そして「ジュリーは大マヌケ」ということだ。
*****GIRLS SIDE
「お母さん、知ってるの?」
「そりゃ知ってるわよ。有名だもの」
「へーーーー。そうなんだ?」
「どんな息子さん?やっぱり頭いい?」
「うーーーーん」
どっちかって言えば馬鹿だ。
が・・・・
その質問が、私によからぬ「企み」を与えた。
私は、私が「お姉ちゃんと同じ人を好き」、ということが
母から、お姉ちゃんに伝わるのが怖かった。
だから・・・・
「素敵な子だよ?」
「でしょうねぇ」
「つきあっちゃおうかなーーー、なんてネ♪」
「タカさんの息子さんと?」
「ウン」
でも、あれはトンビだよ。
トンビだってよかった。母が私に抱いている「疑念」さえ払拭さえできれば。
「あなたには早すぎますよ。ホホ・・・」
母の答えには、岡村センパイのことも含まれてた。
あなたには早すぎる・・・・。
いっつも、そう。
「じゃ、お姉ちゃんはどうなの?」
「お姉ちゃんは・・・・・」
「ふたつしかちがわないわよ?私」
「それはそうだけど・・・・」
これが余計だった。
「じゃぁ、その子、ウチに連れていらっしゃい」
「そ・・・その子って?委員長を?」
「そう。タカさんなら、お母さんも知らない人じゃないから」
母は頭がいい人だ。
そのタカさんって人とは比べられないけど。
私の裏の裏まで読んでる・・・・。女親ならでは、ってとこ。
「今日、会うんでしょ?井上さんちで」
「う・・・・うん。会うけど・・・・・」
私は・・・・
こんなとこで、「負けず嫌い」の性が出た。
お姉ちゃんの交際は許して、
私は子供扱いってとこが気に入らなかった。
「わかった!今日、連れてくるから。会ってみて?」
「え・・・・?」
ほらね。ぐうの音もない。
この場は私が勝った。
勝ったけど・・・・・・・・・
どうしよーーーーーーーーー?
つづく・・・・・
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- 外伝『ラフマニノフの憂鬱』第22話
- 外伝『ラフマニノフの憂鬱』第21話
- 外伝『ラフマニノフの憂鬱』第20話
井上くんは中学から推理派なんですね
何番だろ?
すごい頭いいな…
ママチャリの鼻って、かきすぎて赤くなってそう(笑)
いじらしいなぁ~。
ムズムズする。
たらくん
またマイナスくらうぞ…
女の子の心理可愛いですね♪恋愛したくなります!
これは大傑作になりそうな予感がプンプンしてきた~~~(笑)
母親には勝ったけど後先考えてませんね
よくあります(笑)
鼻かきまくってますね(笑
やっぱり女の子の気持ちわかるなぁ
私も負けず嫌いだから尚更です
先の展開が気になります~!
井上くん、ここからママチャリくんとの行動が始まったのね。
でも あんまり人のこと、言えない気が…(笑)。
話がどんどん思わぬ方向に転がっていきますね。
それにしても、藤木さんのことは どうなったんだろう…。
委員長はよくも悪くも人を巻き込みますね!
井上くんもこうやって、染まっていったのか…。
智枝子ちゃんの気持ちわかります。私も下の子ですが子供扱いされます。
井上がどんどん夕子ちゃんにべったりになっていく……。
井上くんの僕も行こうかな?これが井上を変えた原因なのかな?
ママチャリくん鼻かきすぎ 笑
鼻かきっぱなしだったか(笑)
>MARIOくん
そうですそうです。
一番載り認定!
+50pt
>ひっぽーちゃん
空振り~。
と、思ったら、いいコメントですね~~~
+70pt
>悠一天くん
+30pt
悠一天くんほどじゃないよ~~~
(鼻かいてます)
これから、どうなるんでしょうか・・・
男子って父親に似ているのは嫌なものなんでしょうか??
>mmmm♀ちゃん & SO ON
中学生くらいになると、女の子は「恋」中心に変わってきますね。
人間の本能って、よくできてるなー、と思います。
>パス助くん
>委員長はよくも悪くも人を巻き込みますね!
はい。そこは誰しも指摘するところです。今でも。
>なぎさん
>男子って父親に似ているのは嫌なものなんでしょうか??
そうとは限りませんが、自我が芽生えると「類似嫌悪」という感情が働きます。
まぁ、父親によるでしょうね。
マリオもルイージが嫌いだったと思います。
ルイージ嫌悪。
グレート父さんも、同じように思いながら大人になったのですかね~?
ルイージ嫌悪ww
じゃあ僕はLUI-GI嫌悪だ(笑)
このコメントは管理人のみ閲覧できます
なんだかどんどん複雑なことになっていっている
そうそう、
上のきょうだいは下のきょうだいに対して
親のような気持ちを持つんですよね。
たとえ1つ、2つしか違わなくても。
でも下のきょうだいは上のきょうだいを
自分と横並びに見ようとしがちみたい。
その辺がきょうだい同士でも噛み合いませんよね・・・
ひさしぶりです
インフルエンザにかかりました↓
ぼくちゅうのおかげで耐えてます!!
上手いなあ~!
自称ジュリー、あっちにもこっちにも伏線はりまくり♪ですな。
そして、その伏線に時々つまずく自称ジュリー~。そうゆう、完璧未満な所も…実は計算済みなんでしょうか?リアルなり~。
和美ちゃんの700日戦争よみなおして中学生編の伏線を予習
鼻かきがこんなにおもしろいとは……(笑)
今日学校でそんな人いないか探してみます~
女の子って複雑ですね~
というかプライドが高いんでしょうか?
智枝子ちゃんとお母さんとのやり取り 面白いです
下の子って 親からするといつでも小さいイメージがあるんですよね~
やっぱり、女の子の方がませてますね。
井上君、ジュリーがすごくいいにくそう・・・・。
夕子ちゃんうその下手さがまたかわいい・・・・。
ジュリーか・・・・・・
いいやすいとおもうけどなぁ…(ポリポリ)
先が気になりますねぇ^^
井上君ってまだお固い人
だったんですね。
中学生は
甘やかしてほしくない
年頃ですからね
視点が変わるっていいですね。
いつもママチャリからの視点だけだったので新鮮味があります。
すでに ママチャリ軍団(ジュリー軍団)の一員に片足突っ込んでますね
あらら…智恵子ちゃん自分で自分を追い込んじゃった中学生ってなにかと難しいお年頃ですもんね。
はじめまして ついに入手できました バナナ色の憎いやつ いざレジでお支払というところで ひとつなぎの財宝も見つけてしまい あまりのシアワセを報告したくて初登校してしまいました(^з^)-☆
複雑だな~
井上くんがどんどんジュリー色に…(笑)
チエコちゃんどうするんだ…?(笑)
このコメントは管理人のみ閲覧できます
ややこしく、めんどくさ~いっ!
いろいろ複雑になってきた・・・
>ミカときどき久保さん
よろしくぅ~
皆なんか複雑だなぁ…
自分で墓穴掘っちゃうこと
多々あります~泣
後から散々後悔するんですよね…
井上君
ココからママチャリとつるむのか・・
じゃあピーチもデイジーが嫌いだったんですかね~^^
デイジー嫌悪
鼻かきすぎ・・・(笑)
おもしろくなってきたー。
中学2年生だけどこんなに男女交際とかしませんねー。類似嫌悪
嘘ついて鼻かゆくなったことない・・・
今はうそをつくと鼻をかかないから気付いたのかな?
そうやって、墓穴を掘ったり恥をかいたりしながら、だんだんに
大人になっていくんですね~^^
本人にとっては「大変な」時期でしょうけど、遠くなってしまうと
ただただ懐かしい、甘酸っぱい時期ですよね~^^
今はすましてる大人たちにも、みんな、こういう時期があったんっすよね。
で、ついつい、からかいたくなったりして。
そして、負けん気全開の若いもんに真っ向から反抗されてうろたえてみたり。
いちいち、うんうん、とうなずいてしまいます。
くろわっさんのお話には、いつも勉強させられます。
ありがとうございます。
たつさん、インフル速く治りますように。お大事に。
嘘つくと鼻掻くのがとってもよく分かってしまう
いろんな事が一気に起きててこれから凄い楽しみです!
どうやったらこんなに面白い学生生活を送れるんだ(^_^;)
誘い文句が………(^◇^;)
委員長・・・
鼻かかないほうが(笑)
母娘でも女の駆け引きしてしまうんですね…。
なんか怖いんですけど(汗)
しかし、彼女はそんなに積極的に、先輩にアプローチしてる訳ではなさそうなので、母親もあんまり探らない方がいいと思うんですがね?
下手に刺激すると藪ヘビになりそうでドキドキします。