町に2つしかない喫茶店、
純喫茶ポプラには
今日もいろんな人が、
いろんな荷物を持ってやってくる。
その荷物は
重かったり。
軽かったり。
SCENE1
女性。
見たところ27、8歳
注文はブレンド。
「あら。新しく入った子?」
「ええ」
「アルバイト?」
「いえ。強制労働です」
「強制?ウフフ・・・。おもしろい子ね。高校生?」
「はい」
「そこの?」
「ええ」
--------
「ねぇ、曲。変えてくれない?」
「これFMなんですよ。お嫌いですか?アリス」
「ええ・・・ちょっとね・・・」
「わかりました。いいですよ。僕もあんまり好きじゃないし」
--------
「アイツが好きだったのよねー」
「アイツ?・・・・・・・・あ・・・はい・・・」
「去年の今頃ねー。別れたんだよねー」
「ふーん・・・。そうでしたか・・・」
「ヘタの横好きでギター弾いてさぁ」
「へぇ、僕も弾きます。ギター」
「アリス?」
「んーーーー、やんないけど、今の曲くらいならできます」
「『遠くで汽笛を聴きながら』?」
「ええ、意外に簡単なんですよ」
「やってくれない?この店、ギターあるでしょ?」
「え?でも聴きたくないって・・・」
「やってよ・・・」
-----
「うまいね・・・。キミ」
「ありがとうございます」
「アイツより・・ずっとうまいや・・・」
「アイツより・・・ずっとうまいよ・・・」
「アイツよりうまいヤツ・・・いくらでもいるのにね・・・」
SCENE2へ→
▲『純喫茶ポプラ』目次へ
純喫茶ポプラには
今日もいろんな人が、
いろんな荷物を持ってやってくる。
その荷物は
重かったり。
軽かったり。
SCENE1
女性。
見たところ27、8歳
注文はブレンド。
「あら。新しく入った子?」
「ええ」
「アルバイト?」
「いえ。強制労働です」
「強制?ウフフ・・・。おもしろい子ね。高校生?」
「はい」
「そこの?」
「ええ」
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「ねぇ、曲。変えてくれない?」
「これFMなんですよ。お嫌いですか?アリス」
「ええ・・・ちょっとね・・・」
「わかりました。いいですよ。僕もあんまり好きじゃないし」
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「アイツが好きだったのよねー」
「アイツ?・・・・・・・・あ・・・はい・・・」
「去年の今頃ねー。別れたんだよねー」
「ふーん・・・。そうでしたか・・・」
「ヘタの横好きでギター弾いてさぁ」
「へぇ、僕も弾きます。ギター」
「アリス?」
「んーーーー、やんないけど、今の曲くらいならできます」
「『遠くで汽笛を聴きながら』?」
「ええ、意外に簡単なんですよ」
「やってくれない?この店、ギターあるでしょ?」
「え?でも聴きたくないって・・・」
「やってよ・・・」
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「うまいね・・・。キミ」
「ありがとうございます」
「アイツより・・ずっとうまいや・・・」
「アイツより・・・ずっとうまいよ・・・」
「アイツよりうまいヤツ・・・いくらでもいるのにね・・・」
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