ぼくたちと駐在さんの700日戦争

＜出先からアップなので校正なしです＞

当時GTOのようなスポーツカーを運転する女性など、まず、見ることはできませんでしたが、GTOを駆る早苗さんのカッコいいこと！
持ち主である菊池さんより、ずっとカッコいい。

もっとも、菊池さんはGTOよりは、フォークリフトとかの重機のほうが似合うタイプですが。

「はああ？アタシの卒業式に？」

運転席から早苗さん。

「ええ・・・。お母さんが出れない、という話だったので・・・」

「だからって、なんで弟を出す!?」

早苗さん、僕たちのおせっかいが、お気に召さなかったようです・・・。

「それで、わざわざ背広まで借りて来たのか？マッポから？」

「はい・・・・・」

「ずいぶんとボロボロな背広だなぁ。あのマッポもそんなボロキレみたいなの貸してよこしたのか？」

いえ。元はボロキレではありませんでした。
孝昭くんが、これを着たまま大活躍されたので、ボロキレみたいになってったわけですが。
元はブルーベリーです。

「だいたい、血だらけじゃねーか？」

「ええ。2日めで・・・・」

　ドスッ！

「う・・・・・・！」

お気にめさなかったようです・・・
運転席から着実にヒットさせるところは、さすが早苗さん。

「血の汚れは、すぐ洗えばどってことないが、時間経つとやっかいだぞ？」

「そうなんです・・・」

すると早苗さん、

　ギャギャギャ！

前後左右周囲の車を一切無視して、いきなりGTOをUターン！

「さ、早苗さん！あぶないですよ！」

「大丈夫だ。ぶつけても菊池の車だから」

いえ。僕は自分の身のことを言ったんですけど・・・。


早苗さんがGTOで乗り付けた先は・・・

「よし！着いて来な！」

「いや・・・着いて来いって・・・言われても・・・」

なんと。
母校北女！

「校長が今日の挨拶で言ってた。ここはあなたがたの家だから、もどりたくなったら、いつでももどって来い、ってよ！」

もどりたくなるのが早すぎませんか？

「さっさと来い！」

「でも・・・・」

僕は男子高校生。
北女には入れません。

「大丈夫だ。今日は卒業式だからよ。いろんなのがいるから」

「そ・・・・そうですか？」

なんと職員玄関から堂々の入場！

「おお！わが母校！なつかしーなー」

さっき卒業したばっかでしょ？

しかし、早苗さんの言った通りでした。
途中、誰だかわかんない職員と遭遇しましたが、軽い会釈でなんなく通過。

早苗さん、あたりを見回してから、『家庭科準備室』なる部屋へ、僕を押し込むように入れると、扉を締め切りました。

「よし！脱げ！」

「え・・・・・・」

「さっさと脱げ！」

「いや。早苗さんが先に・・・・エヘ・・・」


　バキィィィィッ!!!


血しぶき、大量増・・・。



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