「ん?なんだ?なにか音、しないか?」
最初に気づいたのは森田くん。
耳をすます僕たち。
ギシ ギシ
「ほんとだ・・・。なんの音だ?足音?」
「いや・・・。そういうリズムじゃないな・・・」。
そのうちに天井の材木の隙間から、小石がこぼれはじめました。
ギシ ギシ
「なんだろうなー。上から聴こえるみたいだけど」。
孝昭くんも不安げに、棒をかまえています。
ん?
「孝昭。その棒、なんだ?」
「え?降りて来るとき、最後のハシゴのとこにあったんだ。じゃまだからはずした」。
「最後のハシゴ?」
「うん。つっかえ棒みたいだったんで、頭突きではずした」
「え・・・・」。
ギシギシギシギシ
「ばかっ!それ本当につっかえ棒だ!もどせ!」
「ええええっ!?」
「森田!逃げろ!天井、くずれるぞ!」
「まさかこんな棒1本で・・・」
「違う!それトラップだ!孝昭!お前はさっさと棒もどせ!」
「わな?」
ギシギシギシギシギシギシ
「あーーーー!説明後だ!はやく棒もどして逃げろっ!」
僕は森田くんをハシゴに追いやると、孝昭くんと2人で、棒を元にもどし、大急ぎでもどりました。
そのスリル!
ぜぇぜぇ・・・・。
ようやく1階まで出て、床にへたりこむ僕たち。
「わ、わなかよ・・・」。
「ああ・・・隠れキリシタンの洞窟にはしかけられてたこと多いらしい・・。発見されたときに、役人ごと埋めるんだよ・・・」。
「証拠隠滅かぁ・・・」。
「ええええええ!じゃ、死ぬとこだったじゃん!俺ら!」
ああ。お前のせいでな。孝昭・・・・。
「お前、手当たり次第はずすなよ・・・。そういうものを」。
森田くんが苦言を言います。
「いや・・。違うよ。森田。わかんない人には、邪魔になるようになってるんだ。天井ささえてる柱なら頭突き程度じゃはずれないさ」。
「なるほどなー。古人の工夫かぁ・・・」。
「あー、おっかねぇーーーーー」。
しかし、さっきまでの音はやみました。
ところが僕たちが入った入口付近に人影が。
外で待機していたグレート井上くんです。
「おい!お前ら!森田のおじいさんが来るぞ!」
「え!やば!」
が、時すでに遅く
「こらーーーーーーー!お前ら!こんなとこでなにやってるーーーーー!」
げ!森田じじい!
「稔!ここには近づくなと言ってあるはずじゃ!お前らもひとんちでなに勝手やっとる!」
しかし森田じいさん。観念したような声で
「下に・・。降りたのか?稔」。
「う、うん」。
「そうか・・・・」。
ちょっと考え込むと
「見たのか?」
「うん・・・。少し・・・びっくりした・・・」。
「ま。いい。いつかは説明する日もあるとは思っていたからな・・・」。
「それにしても佐久間の孫だな。お前」。
じいさん、僕に向かって言いました。
「え?なんでです?」
「好奇心 孫の代まで 遺伝する」
また川柳かよ?
つきあいきれん。
「おじいさん。あれ、隠れキリシタンの・・・」。
「ん。その通りじゃ。お前らも学校で習ってるじゃろ?ここいらがキリシタン村だったことは」。
「ええ・・・」。
「なんでわかった?」
僕たちは、グレート井上くんが発見した円福寺と万福寺のこと。そして住職、森田草庵のことを話しました。
「うむぅぅぅぅぅ」。
唸る森田じじい。
「少し違うな・・・。寺に放火したのは草庵自身と言われておる」。
「え?自分の寺に?」
「そうだ。焼き払いたいものがあったんじゃな。例え寺を燃やしても」。
「もうわかったろうが。稔。お前のばあさんはキリシタンじゃ」。
やはり・・・・。
引き続き第41話へどうぞ→
最初に気づいたのは森田くん。
耳をすます僕たち。
ギシ ギシ
「ほんとだ・・・。なんの音だ?足音?」
「いや・・・。そういうリズムじゃないな・・・」。
そのうちに天井の材木の隙間から、小石がこぼれはじめました。
ギシ ギシ
「なんだろうなー。上から聴こえるみたいだけど」。
孝昭くんも不安げに、棒をかまえています。
ん?
「孝昭。その棒、なんだ?」
「え?降りて来るとき、最後のハシゴのとこにあったんだ。じゃまだからはずした」。
「最後のハシゴ?」
「うん。つっかえ棒みたいだったんで、頭突きではずした」
「え・・・・」。
ギシギシギシギシ
「ばかっ!それ本当につっかえ棒だ!もどせ!」
「ええええっ!?」
「森田!逃げろ!天井、くずれるぞ!」
「まさかこんな棒1本で・・・」
「違う!それトラップだ!孝昭!お前はさっさと棒もどせ!」
「わな?」
ギシギシギシギシギシギシ
「あーーーー!説明後だ!はやく棒もどして逃げろっ!」
僕は森田くんをハシゴに追いやると、孝昭くんと2人で、棒を元にもどし、大急ぎでもどりました。
そのスリル!
ぜぇぜぇ・・・・。
ようやく1階まで出て、床にへたりこむ僕たち。
「わ、わなかよ・・・」。
「ああ・・・隠れキリシタンの洞窟にはしかけられてたこと多いらしい・・。発見されたときに、役人ごと埋めるんだよ・・・」。
「証拠隠滅かぁ・・・」。
「ええええええ!じゃ、死ぬとこだったじゃん!俺ら!」
ああ。お前のせいでな。孝昭・・・・。
「お前、手当たり次第はずすなよ・・・。そういうものを」。
森田くんが苦言を言います。
「いや・・。違うよ。森田。わかんない人には、邪魔になるようになってるんだ。天井ささえてる柱なら頭突き程度じゃはずれないさ」。
「なるほどなー。古人の工夫かぁ・・・」。
「あー、おっかねぇーーーーー」。
しかし、さっきまでの音はやみました。
ところが僕たちが入った入口付近に人影が。
外で待機していたグレート井上くんです。
「おい!お前ら!森田のおじいさんが来るぞ!」
「え!やば!」
が、時すでに遅く
「こらーーーーーーー!お前ら!こんなとこでなにやってるーーーーー!」
げ!森田じじい!
「稔!ここには近づくなと言ってあるはずじゃ!お前らもひとんちでなに勝手やっとる!」
しかし森田じいさん。観念したような声で
「下に・・。降りたのか?稔」。
「う、うん」。
「そうか・・・・」。
ちょっと考え込むと
「見たのか?」
「うん・・・。少し・・・びっくりした・・・」。
「ま。いい。いつかは説明する日もあるとは思っていたからな・・・」。
「それにしても佐久間の孫だな。お前」。
じいさん、僕に向かって言いました。
「え?なんでです?」
「好奇心 孫の代まで 遺伝する」
また川柳かよ?
つきあいきれん。
「おじいさん。あれ、隠れキリシタンの・・・」。
「ん。その通りじゃ。お前らも学校で習ってるじゃろ?ここいらがキリシタン村だったことは」。
「ええ・・・」。
「なんでわかった?」
僕たちは、グレート井上くんが発見した円福寺と万福寺のこと。そして住職、森田草庵のことを話しました。
「うむぅぅぅぅぅ」。
唸る森田じじい。
「少し違うな・・・。寺に放火したのは草庵自身と言われておる」。
「え?自分の寺に?」
「そうだ。焼き払いたいものがあったんじゃな。例え寺を燃やしても」。
「もうわかったろうが。稔。お前のばあさんはキリシタンじゃ」。
やはり・・・・。
引き続き第41話へどうぞ→
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まさかそんな罠が待ってるとは考えなかったです。
それにしても孝昭くんの行動にはビックリ!!さすが頭脳派だね!!!
つっかえ棒だったなんて。
危ない所でしたね。
おばあさまが隠れキリシタン。
爺のこの後の話が楽しみ。
でもちょっとこわいかも。
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孝昭君、、、
しかし、なんで人が出かけたのを見計らったようなタイミングでアップするかなぁ。
もしかして、くろわっさん、おいらが出かけるの、見張ってた?(笑)
おじいさんの川柳って・・・留まる所を知らないのね(苦笑)
で、でたぁ!!!森田君おじい様。
坂登る元気マンマンだったのですネ。
でも、音の正体が、地下の礼拝堂をそのまま隠せる大仕掛けだったとは・・・?!
昔の人の考えは、先の先まで考えての行動だったんですネ。アッパレ!!!
ママチャリさんのおじいさんも、”詮索好き???”なのぉ。
当時の人にしたらこれぐらいしないといけない程大変な問題だったんですね。
>TAKさん
はい。なにしろ親戚縁者まで命かかってますから。
孝昭くんおもしろいですね(笑)
このスリル!
インディ・ジョーンズも真っ青ですね!?
そして森田さんのフルネーム登場♪♪