ぼくたちと駐在さんの700日戦争

Xmas特別編は、LIVEです。
下書きを行わず、いきなりショートをブログ上で公開していきます。
25日中に完結しますので、時々、更新してください。

ぼくたちと駐在さんの700日戦争

Xmas特別編
『明日カタリーナで』第１話


『25日12時から

　カタリーナでクリスマスパーティをやります。

　来い

　プレゼントは500円まで

　　　　早苗　』

この、横暴きわまりない招待状が届いたのは、20日のことでした。

招待なのに「来い」。実に早苗さんらしい・・・。

『追伸

　バナナはプレゼントに含みません　』

なんだそりゃ・・・・。


「ねぇ、これって孝昭も行くの？」

招待状を届けてくれた、孝昭くんに聞きますと、

「行くわけねーだろ？クリスマス、姉ちゃんたちと過ごしてなにがうれしい？」

「ま・・・それもそうか・・・・」

普通のお姉さんならともかく、「姉さんたち」は、スケ番グループですから、招待されてあまりうれしいものでもありません。

「お前。必ず行けよ？姉ちゃんが機嫌悪くなられちゃ、俺にも被害およぶからよ！」

「ああ・・・・うん・・・・」

釘までさされました。

「あ。ただし」

「ただし？」

「25日は、姉ちゃん生理だからな。気をつけろ」

うう・・・・。

早苗さんの生理の怖さは、僕も百も承知しているところ。

でも、たぶん、これが24日であろうと、26日であろうと、31日であろうと、
早苗さんは生理です。
早苗さんの生理以外の日を、ほとんど知りません。

いったいいつまで続くんだ？早苗さんの生理・・・。

西条くんはと言うと、
「あ？俺？さそわれてねーな。お前だけじゃねぇか？」

「やっぱし・・・？」

「お前、早苗さんたちに気に入られてっからなぁ」

「どうしてなんだろうね・・・・」

「弱いからじゃね？」

うう・・・・
やっぱりちっともうれしくありません。

「まぁ、楽しんでこいや！スケ番つったって、女子高生は女子高生なんだからよ。宮崎とおんなじ」

「宮崎さんは、カミソリとかチェーンとか持ち歩いてないよ・・・」

このちがいは大きい。とっても大きい。

「いいなぁ。女子高生の酒池肉林！うらやましいぜ！」

「なんなら代わるぞ？西条」

「いやぁ～～～～～～～～～、ボクは、クリスマスはおウチで、しゅくしゅくと過ごすから～～～」

しゅくしゅくだあああああああ？

「しゅくしゅくと宿題」

「つまんね～～～～～～～」

「井上なら、このレベルで笑ってくれる」

よかったね。いい友達がいて。

そりゃぁ、西条くんの言う通り、「女子高生は女子高生」ですので、パーティのどさくさで、膝枕のひとつも味わえるのなら、それなりに「男として」うれしいものですが、
あの「小学校の女子だけ授業」からまったく進歩のない、スーパー純な早苗さんに、そんなものは望めません。

もしそんなことをしようものなら、パーティ会場は、とたんに「リンチの場」と化すはずです。

考えれば考えるほど憂鬱・・・・。

さらには、
「お前を誘ったってことはよ。他にも野郎が来るってことじゃねぇか？」

「あ・・・・」

ありえます。

「誰・・・かな？」

「中央の番長とかじゃね？」

「中央の・・・・」番長・・・・・

さらに憂鬱に拍車がかかります。

「ねぇ、西条。いっしょに行かない？」

「やなこった。俺はミカと約束あんだ。お前ひとりで酒池肉林あじわってこい」

うう・・・・・・

「あ、生きて帰って来いよな？」

「可能なかぎりは・・・・」

しかし。
スケ番グループのクリスマスパーティ。
いったいどんなもんなんでしょう？

興味がない、と言えば、ウソになります。


　＜つづく　第2話はたぶん昼すぎ＞



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