ぼくたちと駐在さんの700日戦争

と、そこに・・・


バウウウウウウウウウウウウウウウウウウン

堤防の土手を凄まじい勢いでバウンドしながら下って来る車がありました。
車はそのまま堂島たちの方へものすごい勢いでつっこみます。

「う、うわ！うわああああ！なんだ！？」
「あ！あぶねーーーーーーー！」

蜘蛛の子を散らすように逃げ回る堂島たち。

やがてその堂島たちをのけた前で車がものすごく不自然に急停車しました。

「あれ・・・・。チャーリーんちのクラウンじゃないか？」

「あ・・ああ・・・。うちのクラウンだ・・・」。

ということは・・・・。

バン！

ドアを開けひとりの女性が降りたちました。

「みんな！」

「み、み、美奈子さん・・・・」。

「見た？」

「え・・・なにが・・・」

「右折できたわっ！」

いや・・・そういう場面じゃないと思うんですけど・・・・。
しかも着地点めちゃくちゃ・・・。

堂島が怒りまくっています。

「な！なんなんだ！お前！あ、あぶないだろ！」


「美奈子さん！あぶないですから、こっち来てください！」

僕たちも必至で声をかけます。

が、美奈子さん。極めて落ち着き払った様子で、

「大丈夫ーーーーーー。勝てない勝負はしないわーーーーーーー」。

美奈子さん・・。いったいなにを根拠に・・・。

そして美奈子さんが叫びました。

「みんなーーーーーー。こっちよーーーーー！おりてらっしゃーーい！」

「は～～～～～い！」

見ると、いつの間にか小型バスが2台ほど止まっていて、そこからゾロゾロとむさい男たちがユニフォーム姿で降りて来ます。
ユニフォームといってもそれぞれバラバラ。ラグビーの服装の人もいれば、空手着の人もいます。

20人・・・30人・・・いえ、40人・・・

「み、美奈子さん・・・だ、誰です？この人たち・・・」。


するとひときわ大きな男が言いました。

「押す！俺たち、早稲田のボート部のもんです！」

「押す！僕たち、駒沢のホッケー部です！」

ん？聞いたことあるような・・・・。

「押す！俺らは立教空手部のもんです！」
「押す！俺らは中央大学ラグビー部・・」

次から次へと挨拶をしています。

堂島たちは、その人数と勢いに後ずさりを始めていました。

最後に最初に挨拶した早稲田のボート部、という男が

「みーんなまとめてーーーーーー」

「押す！東京大学連合！美奈子さんの処女を守る会っす！略して美奈しょ！」

「その名前やめーーーーーーーー！」

「え？で、でも・・・」。

「あんたたちがその名前言うたびに、あたしが処女ってことになっちゃうでしょ！？」

「え！ち、ちがうんですか！？美奈子さん！」

「え・・・と！違わないけどぉぉぉ、名乗るな！」

「す、すいまっせん！」


「ママチャリくん！西条くん！味方つれてきたよー」。

「美奈子さん・・・・」。


「さぁ、みんな！ひとりで3人やっつけた人には～。あとであたしから～。いいいいいいいことしてあげる！」

「ほ、ほんとっすか！？」

「いけーーーーーーーー！」

聞くやいやなや襲いかかる「美奈処連合」。


堂島たちは、その勢いに大慌てで逃げ始めました。

「よし！逃がすな！俺たちも行くぞ！」
「おおおおおおおおおおお！」









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