ぼくたちと駐在さんの700日戦争

＜本日フィナーレ。第120話からどうぞ＞


「えーっと。雲Eの台詞はねーーーー」

「井上！どういうことだ！」

ようやく呼吸できるようになりました。
縛られたまんまですが。

「ないな。そこで黙って座ってろ」

「井上っ！」

「雲に台詞はないって言ってるだろ？」

「く・・・・・！」

しかも、もっと驚いたのは、

「孝昭！」

孝昭くんが戻って来てしまったことです。

「キショーーー！西条の野郎！俺もうらぎりやがってー！」

「え・・・・！じゃ、西条ひとり？いくらなんでも無茶だ！」

「まー、西条にさせておけよ。西条は、逆にお前を巻き込んだことを悔やんでんだからよ」

僕を・・・巻き込んだこと？

西条・・・・。

たったひとりで・・・・。

なにを・・・・するつもりだ・・・


しかし。僕の心配も空しく、（縛られたまま）幕が上がりました。

ダブルキャスト。『カエルの王子様』。


　パチパチパチパチ・・・・


　プフ！

一番後ろで、駐在さんが、縛られた僕を見て吹き出しました。

　くぅうううう・・・！

『ああ・・・どうしましょう？』

『王女様、どうして泣いているんですか？』

『実は。町で悪いやつらが暴動をおこして・・・』

『それは大変ですね。もし、そいつらをかたづけたら、おともだちになってくださいますか？』

『え？ええ・・・ええ。もちろん。いいわよ？』

『やったぁーーーー♪おーーい！みんなーーーー』

ワラワラと銀河戦隊登場。
親御さんはおおよろこびです。

→ → → → →

この頃、西条くんは、浜に到着し、50人にも膨れ上がっていた敵と対峙していました。

「よー、西条。お前ひとりか？」

「仲間はお前とやりたくないんだとよ」

「あのヘナチョコか？そいつは泣かせるなー」

「まぁ・・・・お前ら程度じゃ、アイツの考えることはわかんねーだろーよ」

「へ！お前には怨みはないが。ひとりでも、やらせてもらうぜ？西条」

しかし、

「誰がひとりつった？」

「あーん？」

「誰も俺ひとりとは言ってねぇ」

敵は、伏兵があるのか、と、ざわつきました。

「お前らの相手は俺じゃねぇ」

「なんだと!?」
「おじけづいたのかぁ？ああ？西条！」

「ちがう。どうしてもお前らの相手したい、って人がいてよ」

「どうしても？」「相手したい？」

「この人だ！」


「よ～～～～～～～。おまえら～～～～～。ひさしぶりだな～～～～～～～」


「お・・・・・・・・お師匠さん！」


「ちゃんとポイントノートもってきたか～？あ～ん？」

「お・・・お師匠・・・なんだってここに！」

「へ？てめーらのケイコつけんのは俺に決まってんだろがよ～～～」

「そ・・・そりゃそうですけど・・・」
「な・・・なんだってまた・・・・」

頭。
「お、お師匠さん！お、俺のこと覚えてますか？」

「あーーー。もちろんだとも！ガチャピンの中にいた！」

「覚えてないんっスね・・・・・そいじゃハワイ旅行も・・・・？」

「ハワイ？ハワイってなんだ？」

「うう・・・うううう・・・・」

「なに泣いてんだ。いいから。10人ずつまとめてかかってこい。もしも俺に勝てたヤツはなんと！」

「・・・なんと？」

「香港、マカオご招待だぜ！」

「ほ・・・・ホントっすか？師匠！」

「その代わり～～～～～～～～～～」

「その代わり・・・・・・？」

「負けたヤツは、ケーキ買ってもらうからなぁ。いいな？」

「ケーキ・・・？？？」「ケーキっすか？」「なんでケーキ？」

「ったくよー。示談屋の手下になりさがるとはなさけねーぜ。え？ガチャピン」

「いろいろ義理もありまして・・・。でも、ガチャピンじゃないっス・・・」

「グダグダ言ってねぇで、さっさと来い！来ねぇのか？」

「やらせていただきます！お師匠様！」
「まとめて行かせていただきます！」

「おお！来い！20人ずつでもいいぞ？」

「2・・・・20人・・・」
「20対2ならいくらお師匠さんでも勝てるぞ！」
「だよな！」

「誰が二人っつった？お前らの相手は俺だけだ。西条、お前手ぇ出すなよ？」
「うん。見物させてもらうよ。兄弟子」

「勝てる！」「だよな！」

「お師匠さん！すまねぇ！」
「遠慮なくやらせていただきます！」

「おお！遠慮したヤツは殺すぞ？しないヤツはもっと殺す」

「もっと・・・」「殺す・・・・？」
「どっちにしろ殺すのかよ・・・・」
「いやいや・・・。負けるわけねぇって・・・」
「だよな・・・」「そんなバケモンいるわけねぇ・・・」

いるんです。

「あー、30人ずつでもいいかなー、ガチャピン」

「かまわねぇ！いけぇ！」
「おら～～～～～～～～～～～
「うりゃ～～～～～～～～～
「うお～～～～～～～～～～

「♪はっほ～～～～～～～～～」


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