ぼくたちと駐在さんの700日戦争

やってきたシビックパトカー！

駐在さんだ！助かった！

パトカーは僕たちの横で停車すると、窓が開きました。
ん？井上の姿がない？

「ママチャリーーーーーー！」

右京たちは、連日の警察官登場にすでに逃げ腰です。

「あ。駐在さん。たすか・・・・・」

「自転車どこやったーーーーーー！！！」

え？？？そっち？？？？？

「いえ・・。あの駐在さん、僕たち、そういう状況じゃ・・・」

「あん？」

車から降りることもなく、戦況を見渡す駐在さん。

「ふむ」。

なにが「ふむ」？

「いいからさっさと自転車どこに隠したか言え！バカヤロー」。

いいからって・・・。なにが「いいから」？
ぜんぜんよくないんですけど。
どうやらグレート井上くんが呼んだわけではないようです。

「いや・・。だから、そういう状況に見えます？」

「あん？そんなヒョロヒョロの10人や20人、西条ひとりでいいだろ？いいから、お前、こっちこい！」

ヒョロヒョロって・・・。
曲がりなりにもケンカなんだから止めろよ・・・。警察官・・・。

駐在さんからヒョロヒョロ呼ばわりされた右京たち一行は、すでにじわじわと後退し始めていました。

「しょーがねーな・・・」。
ぶつぶつと、駐在さんが車を降ります。
そうか・・この人には暴力沙汰よりは、備品の自転車なくなってることの方が重大なんだ・・・。

「で？西条以外は、誰逮捕すればいいんだ？」

「あん？な、なんで俺、逮捕？」

「暴力沙汰は逮捕だろう。お前が一番人ケガさせそうだからな」。

「いや・・・まだ始まってねぇし・・・」。

この時、
　　　　　「ち・・。マッポかよ・・・」。
右京たちの一人から声が漏れました。

「ん？今、マッポっつったやつはどいつだ!?」

じろりと睨む駐在さん。
ますます後退する右京たち。ほとんど逃げ体制に入ってます。

「そこのお前か？警察は市民には公平だからな。西条以外も逮捕しないと不平等ってもんだ」。
マッポって言われたのがくやしいだけのくせに・・・。
なーにが「市民に公平」だ・・。

「に、逃げろ！」
かけ声よろしく、一気に散り始める右京たち。

「なんだ？あいつら・・・」。


「駐在さん・・・。あの、井上くんは？」

「あ？井上？見かけなかったぞ」。

やばい・・・。グレート井上くん、駐在さん以外のとこに援軍求めに行ってる・・・。


そしてそれは実に悪いタイミングで走って来ました。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
「さいじょーーーーーーーーーーーーーーーー」
「わはははーーーーー。どんぱちだーーーーーー。ぶっころせーーーー」

孝昭くんたちです・・・・。
ぶっころせって・・・。善良な高校生グループが・・・。
さすがグレート井上くん。予想以上の人数を集めていました・・・・。
手には竹刀やら、バトミントンコートの鉄パイプやら、好き放題の凶器持ってます・・・。

ああ・・・・。最悪・・・・。

が、やがて事態を少しは把握し、急停止する孝昭くんたち。

「あ・・あ、あれ？駐在？」
「な、なんで？」

気づくの遅いっての。

「あ、相手、駐在？」

なわけないだろ。バカ！

これを見て
「おーーー。揃いも揃って。こりゃ都合いい」。
うれしそうな駐在さん。まさに一網打尽というやつです。


またしても駐在所前でシャベルを持たされている僕たち。

「お前ら、子供たちがっかりするからな。自転車出したら、あっちの公園にそれよりでかい雪うさぎ作って来い」。

「え～～～。もう、暗いですよ？駐在さん～～～」。

「やかましい！まったく次から次に悪さしやがって！徹夜してでも作らんと許さんからな！」

「はい～・・・」。








　　クリックのお礼に人気ブログランキングには次回プチ予告ついてます）


　　　　　8章-第10話へつづく


mixiに「ぼくちゅうコミュ」現在344名が参加！。mixiやってる方、ぜひどうぞ！
招待状のほしいかたはトップページから。

関連記事

• 8章-第10話　雪うさぎ(6)
• 8章-第9話　雪うさぎ(5)
• 8章-第8話　雪うさぎ(4)