ぼくたちと駐在さんの700日戦争

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さらに翌日のこと。この話を聞いた西条くん。

「へー。早苗姉さんがそんなこを」。
「ああ。さすがにお前のことよくわかってるよな」。
「うーん。でも放っておくってわけにもいかねぇよなぁ。ジェミーもいるとなると。ゆか・・・竹内様のときの恩もあるし・・・」。
「あ？じゃぁ女装するつもりか？」
「いやいや。そりゃ勘弁だ。でも女装しなくってもさぁ。止めることはできるぞ」。
「あ？」
「うん。女装よりもさぁ・・・・」

西条くんが耳打ちします。

「あ？サンタぁ？」

「うん。サンタで行けば、かなり場もやわらぐだろ。クリスマスシーズンだしよ」。

「そういうもんかぁ？戦争だぞ？」

「うん。それでな・・・」
再び耳打ちする西条くん。

「うーん。おもしろいけど・・・。サンタの服なんてどっかにあるのか？セーラー服よりむずかしそうだけど」。
そうです。当時、サンタクロースのコスチュームは、かなり希少なものでした。
今のように店頭で入手できるシロモノではなかったのです。

「ふむぅ」。
考え込む西条くんと僕。

が、思いつきました。
「あ！ある！」

「ほんとか！？」
「ああ。あるよ。100％持ってるとこが」。


僕と西条くんは、ジェミーをつれだって街へと向かいました。

到着前に僕が念を押します。
「いいか。店長な。かなり髪の毛気にしてるとこあるから。絶対ふれるんじゃないぞ」。
「うん・・。わかった」。

「わかったな？ジェミー」。
「はい！わかりました！」

訪れたのは母とよく来る町はずれのケーキ屋さん。
ここならサンタさんのコスチュームがある、と僕はふんだのです。

「あー、タカさんとこの。いっつもありがとうね。おつかいかい？」
「えー、いえ。今日はお願いがあってきたんですがー」。
「あん？なんだい？」

にこやかに対応するケーキ屋さん。

が、ここでジェミーと西条くん。声を合わせて





「ザビエル！！！！！」



お～まいがっ！
神よ。このバカどもをすぐに天にお召しください・・・。

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「なんだってお前らは脳と口、直結してるんだよ・・・」。

「わりぃ」。
「すんません」。

「でもなぁ・・・ぷぷ」。
「ねぇ。・・・ぷぷぷ」。

「ザビエルそのものじゃん！わはははははは」。
「ザビエルですよねぇ。あははははははははは」。

よほどこらえていたのか、大笑いの2人。

勝手にしろ・・・。

第一作戦はもろくも失敗してしまいました。



学校へともどる道。僕たちの前をけんめいに走っている男子が一人いました。

「あ・・・。チャーリーだ。なに走ってんだ？あいつ」。

「おーい！チャーリーいいい！」

振り返るチャーリー。

「あ！西条！助かった。お前をさがしにいくとこだったんだ！」

「あ？俺を？」

「ああ。ほら、あのロザリオの1年生・・・」

「あん？恵美ちゃんって子か？」

「ああ。今日森田が学校帰りに偶然見かけたらしくってさ。・・・」。

「森田が？」

「うん。それで森田、たいへんなんだ！は、早くしないと！」

僕たちは一斉にかけ出しました。





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　　　　　8章-第7話へつづく


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