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第4話 大応援団(2)
我々が駐輪場でウダウダしていると、さらに下校してきたメンバーが加わり、ウダウダは、9ウダウダに膨れ上がりました。
そこにバレーボール部の連中がランニングからもどってまいりました。
そこには2名ほど我々の「メンバー」がいたのですが、彼らはランニングの列からはずれると、すぐさま報告に来ました。
「あのさー、駅に駐在さんがいたぞ。なにやら私服だった」
「え!ほんとか??」
これは聞き逃せません。速攻逆襲のチャンスです!
「間違いないだろうな?」
「ああ、たぶん、電車に乗るんだと思うよ」
我々は顔を見合わせました。そして言うまでもなく、即逆襲の準備にとりかかったのです。
「次の電車までは?」
「まだ30分以上はあるぜ」
田舎のことなので、電車の間隔は非常に長く、また行き先も「上り」以外は、ほぼ考えられません。
僕たちは、30分以内で一旦校内にもどり、「大道具」を用意する必要がありました。
しかし、僕たちには、シチュエーションごとにイタズラの「定番」がありましたので、その要領のいいこといいこと。これをもっと他のものに向ければ、きっと全員大成したに違いありません。
「あと10分だ!急げ!」
準備した大道具をかかえ、駅へととばす僕たち。
駅は、学校からは近く、自転車では、わずか5分もかからないところにあります。また、駅まではずっと下り坂であるため、2人乗りを混じえた僕たちには、実に便利でした。
駅前にすべりこむように到着すると、なにやら怒鳴り声が・・・。
「こらぁ!二人乗りはいかんぞ!
・・・・・って、またお前らかぁ・・・・・」
駐在さんです。
駐在さんは、2人乗りをしていたのが僕たちだとわかると、かなり落胆したように肩を落としました。
「おまわりさん、今日、非番なんですか?」
「当たり前だ。あんなこと公務中にできるか」
あんなこと、とは、自転車にエロ本を縛り付けたことでしょう。
私服でやってたとなると、もっと怪しいおっさんですけど。
「お?お前、西条!」
どうやら西条くんと駐在さんは初対面ではないようです。もちろん、原付での速度違反では面識があるはずなのですが。
それ以外にも、警察関係者とどういう面識があっても、まったく不思議じゃないやつでした。
「お前、死んでたんじゃないのか?」
「え?そうなんですか?」
西条くんは、我々が言い訳の為に彼を殺したことを知りません。
「そうなんですかって、お前、本人なのに知らないのか?」
ふふんと、にやつく駐在さん。
「おまわりさんも馬鹿だなぁ。本人だから知らないんじゃぁないですか」
「う・・・・」
西条、一本!
「おまわりさん、電車でどこかいかれるんですか?」
「あ?ああ。ちょっとヤボ用があってな。○○市までな」
○○市は、県庁所在地。電車では1時間以上もかかります。
我々は、おまわりさんがこの「長時間電車に乗る」ことに歓喜しました。なぜ?
すぐにわかります。
「ところでお前ら、せこいいたずらしてんじゃねーぞ!」
「おまわりさんこそ!僕はおかげで、学校じゃ変態扱いされそうなんですからね」
この時、駐在さんは、確かにニヤリとしました。
おそらく、自分の作戦が的を得たことがうれしくてしかたないのでしょう。
「お、ママチャリ。お前、トランペットなんかふくのか?」
僕の自転車のカゴのトランペットのケースを見つけて、話をそらす駐在さん。
「ええ。すぐにわかります」
「すぐ?」
「いえ」
「ふーん。どんなやつもひとつくらい芸があるもんだな」
カチーン!
でも今はがまんがまん。西条くんが僕の肩をポンポンとたたきました。
そこにのぼりの電車が到着し、話は中断。駐在さんも僕らもホームへと入りました。
「なんだ。お前らもどっか行くのか?」
「いえいえ。僕らは、ホームまで見送りだけです」
「ふーん。見送りねぇ」
実は、ホームに入る時、僕たちは駅員さんとひともんちゃくがありました。
手荷物が大きすぎる、という忠告です。
が、これはホームまでで電車には乗らないことを伝えて一件落着。
もちろん、駐在さんは、そんなことは気にもとめませんでした。
やがて駐在さんは、僕たちにさんざん小言を残して電車に乗りました。
僕たちは、ホームから電車の中の駐在さんにさかんに声をかけました。
実は大声を出しているフリだけで、たいしたことを話しているわけでもないのですが、さかんに指などをさして、駐在さんの気をひきました。
駐在さんは、電車の窓際にきて、窓を開けました。
「あ?なんだって?」
「おまわりさ~ん。こっちこっち~!!」
「だからなんだってんだ?あ?」
窓から身を乗り出す駐在さん。
そして発車のベルがホームに鳴り響きました。
それは逆襲のベルでした。
僕たちは、用意してきた横断幕を広げました。その長さ6m!
これは高体連用の応援団のものを拝借してきたものです。
そしてシンバルを高らかにならし、トランペットでファンファーレをおもいっきり吹き鳴らしました。
電車の中のひとたちがいっせいにこちらを見ています。
そして全員でエール!
「♪がーんばれ、がーんばれ、駐在さん!」
横断幕にはこう書いてありました。
おまわりさんガンバレ!!エロ本ありがとう!!
直後、電車は扉を閉じ、
驚きで声も出ない駐在さんと、爆笑する乗客たち、
そして1時間にも渡る「恥ずかしさ」をつんでホームを後にしたのでした。
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我々が駐輪場でウダウダしていると、さらに下校してきたメンバーが加わり、ウダウダは、9ウダウダに膨れ上がりました。
そこにバレーボール部の連中がランニングからもどってまいりました。
そこには2名ほど我々の「メンバー」がいたのですが、彼らはランニングの列からはずれると、すぐさま報告に来ました。
「あのさー、駅に駐在さんがいたぞ。なにやら私服だった」
「え!ほんとか??」
これは聞き逃せません。速攻逆襲のチャンスです!
「間違いないだろうな?」
「ああ、たぶん、電車に乗るんだと思うよ」
我々は顔を見合わせました。そして言うまでもなく、即逆襲の準備にとりかかったのです。
「次の電車までは?」
「まだ30分以上はあるぜ」
田舎のことなので、電車の間隔は非常に長く、また行き先も「上り」以外は、ほぼ考えられません。
僕たちは、30分以内で一旦校内にもどり、「大道具」を用意する必要がありました。
しかし、僕たちには、シチュエーションごとにイタズラの「定番」がありましたので、その要領のいいこといいこと。これをもっと他のものに向ければ、きっと全員大成したに違いありません。
「あと10分だ!急げ!」
準備した大道具をかかえ、駅へととばす僕たち。
駅は、学校からは近く、自転車では、わずか5分もかからないところにあります。また、駅まではずっと下り坂であるため、2人乗りを混じえた僕たちには、実に便利でした。
駅前にすべりこむように到着すると、なにやら怒鳴り声が・・・。
「こらぁ!二人乗りはいかんぞ!
・・・・・って、またお前らかぁ・・・・・」
駐在さんです。
駐在さんは、2人乗りをしていたのが僕たちだとわかると、かなり落胆したように肩を落としました。
「おまわりさん、今日、非番なんですか?」
「当たり前だ。あんなこと公務中にできるか」
あんなこと、とは、自転車にエロ本を縛り付けたことでしょう。
私服でやってたとなると、もっと怪しいおっさんですけど。
「お?お前、西条!」
どうやら西条くんと駐在さんは初対面ではないようです。もちろん、原付での速度違反では面識があるはずなのですが。
それ以外にも、警察関係者とどういう面識があっても、まったく不思議じゃないやつでした。
「お前、死んでたんじゃないのか?」
「え?そうなんですか?」
西条くんは、我々が言い訳の為に彼を殺したことを知りません。
「そうなんですかって、お前、本人なのに知らないのか?」
ふふんと、にやつく駐在さん。
「おまわりさんも馬鹿だなぁ。本人だから知らないんじゃぁないですか」
「う・・・・」
西条、一本!
「おまわりさん、電車でどこかいかれるんですか?」
「あ?ああ。ちょっとヤボ用があってな。○○市までな」
○○市は、県庁所在地。電車では1時間以上もかかります。
我々は、おまわりさんがこの「長時間電車に乗る」ことに歓喜しました。なぜ?
すぐにわかります。
「ところでお前ら、せこいいたずらしてんじゃねーぞ!」
「おまわりさんこそ!僕はおかげで、学校じゃ変態扱いされそうなんですからね」
この時、駐在さんは、確かにニヤリとしました。
おそらく、自分の作戦が的を得たことがうれしくてしかたないのでしょう。
「お、ママチャリ。お前、トランペットなんかふくのか?」
僕の自転車のカゴのトランペットのケースを見つけて、話をそらす駐在さん。
「ええ。すぐにわかります」
「すぐ?」
「いえ」
「ふーん。どんなやつもひとつくらい芸があるもんだな」
カチーン!
でも今はがまんがまん。西条くんが僕の肩をポンポンとたたきました。
そこにのぼりの電車が到着し、話は中断。駐在さんも僕らもホームへと入りました。
「なんだ。お前らもどっか行くのか?」
「いえいえ。僕らは、ホームまで見送りだけです」
「ふーん。見送りねぇ」
実は、ホームに入る時、僕たちは駅員さんとひともんちゃくがありました。
手荷物が大きすぎる、という忠告です。
が、これはホームまでで電車には乗らないことを伝えて一件落着。
もちろん、駐在さんは、そんなことは気にもとめませんでした。
やがて駐在さんは、僕たちにさんざん小言を残して電車に乗りました。
僕たちは、ホームから電車の中の駐在さんにさかんに声をかけました。
実は大声を出しているフリだけで、たいしたことを話しているわけでもないのですが、さかんに指などをさして、駐在さんの気をひきました。
駐在さんは、電車の窓際にきて、窓を開けました。
「あ?なんだって?」
「おまわりさ~ん。こっちこっち~!!」
「だからなんだってんだ?あ?」
窓から身を乗り出す駐在さん。
そして発車のベルがホームに鳴り響きました。
それは逆襲のベルでした。
僕たちは、用意してきた横断幕を広げました。その長さ6m!
これは高体連用の応援団のものを拝借してきたものです。
そしてシンバルを高らかにならし、トランペットでファンファーレをおもいっきり吹き鳴らしました。
電車の中のひとたちがいっせいにこちらを見ています。
そして全員でエール!
「♪がーんばれ、がーんばれ、駐在さん!」
横断幕にはこう書いてありました。
おまわりさんガンバレ!!エロ本ありがとう!!
直後、電車は扉を閉じ、
驚きで声も出ない駐在さんと、爆笑する乗客たち、
そして1時間にも渡る「恥ずかしさ」をつんでホームを後にしたのでした。
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- 2章:第5話 大応援団(3)
- 2章:第4話 大応援団(2)
- 2章:第3話 大応援団(1)
ここでも一番じゃん。
このコメントは管理人のみ閲覧できます
おもしろすぎます!
仕事中に読んでいるので、笑いこらえるの大変。
駐在さんに合掌。
ちょwwwバロスwwwwwwwww
イザークさんに一票
イザークさんにもう1票。
7ばーーーん(まだやってる)
グッ・ジョブ☆
さすがママチャリさん
10番だぜーーーーーーーーーーーーーー
イヤッフーイヤッフー
かなり面白いwww駐在大恥だww高校生でよくやるなぁ~ww
笑いをありがとう!
おっ!トランペットも吹けるんだ♪
今読み返しております。
:*:・。,☆゚'・:*:・。,ヽ(・∀・)人(・∀・)ノ ,。・:*:・゚'☆,。・:*::*:・。,☆゚'・:*:・。,ヽ(・∀・)人(・∀・)ノ ,。・:*:・゚'☆,。・:*::*:・。,☆゚'・:*:・。,ヽ(・∀・)人(・∀・)ノ ,。・:*:・゚'☆,。・:*::*:・。,☆゚'・:*:・。,ヽ(・∀・)人(・∀・)ノ ,。・:*:・゚'☆,。・:*::*:・。,☆゚'・:*:・。,ヽ(・∀・)人(・∀・)ノ ,。・:*:・゚'☆,。・:*::*:・。,☆゚'・:*:・。,ヽ(・∀・)人(・∀・)ノ ,。・:*:・゚'☆,。・::*:・。,☆゚'・:*:・。,ヽ(・∀・)人(・∀・)ノ ,。・:*:・゚'☆,。・:*:
7×2番!
(いい加減にしようや)
最強の爆撃。
凄まじい拷問。
これはたまったもんじゃない。
爆笑o(≧∇≦o)(o≧∇≦)o
西条君ナイスw
ぁぁwのっぽさん部隊が・・・w
的を得た→的を射た or 当を得た
短い時間だったのに、よくそこまで良い作戦思いつきましたね^^
1時間恥ずかしかっただろうね♪
ママチャリすごい。。
トランペットふけるなんて。。
俺吹奏楽部なのに吹けないっ!!
でもTUBAならふけるb
今、一から読んでます
笑いすぎて腹筋が割れましたよw
これからペースあげて読んでいきます!
おいおい・・・。
エロ本って・・・。