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<おことわり>
本日は2話ワンセット。今日もちょっとシリアスなお話です。
※初めて来られたかたは、こちらからではなく序章よりお読みください


「のぶくんが2人って・・・どういうことだ?森田」
千葉くんが青ざめて問いただします。
「心霊現象?」
<おことわり>
本日は2話ワンセット。今日もちょっとシリアスなお話です。
※初めて来られたかたは、こちらからではなく序章よりお読みください


「のぶくんが2人って・・・どういうことだ?森田」
千葉くんが青ざめて問いただします。
「心霊現象?」
過去にもふれましたが、僕たちグループの「母体」は『心霊研究会』です。
こういう話題は、興味本位に好きな連中の集まりでしたが、今回は、あまりに身近であったため、そうはいきません。
「うん。実は僕もその線からあたっていったんだけどね」。
森田くんが話し始めました。
「どうもそういうんじゃなくって。どうやら精神的なことなんだな」。
「精神病?」
「いや。病気とも違うんだけど・・・」
「これはねぇ。多重人格ってやつだと思うんだ」。
「多重人格?」
「うん。幼少期にね。極度の暴力とかを受けた場合になることが多いらしいんだが・・」。
「のぶくんはさ。片桐から暴力を受けて・・。それも自分の他に母親も、だろ?そこから自分の精神を守ろうと、友達ができちゃうんだよな。頭の中に」。
「あの子の場合はさぁ。学校行ってもいじめだろ?しかも転校、転校。逃げ場所がひとつもないわけだ」。
「うん・・・・」。
「それで始まりは空想への回避ってのが始まる。これは僕らだってあったよな。ヒーローになりたい、とか。心の中の変身願望とか。犬を友達にみたてたりさ」。
「でも、そんなレベルじゃなかったわけだ。想像絶するものがあるんだよ。そこで、本来の自分を守るために、もう一人の人格ができて、それを他人事としてとらえるようになるんだ」。
「暴力を受けていること?」
「うん。それも含めて、自分の境遇をさ」。
「筆跡とかも変わるもんなのか?」
「多くの場合は。まったく違う人格だから。それも、天才的なものが現れて来ることが少なくない。のぶくんはまさしくそれなんだ。たぶん」。
森田くんが続けます。
「腑に落ちないのは・・・・」。
「ん?」
「のぶくんのもう一つの性格ってのが、まったく区別がつかないことだ。普通は、逆の性格になるらしいんだが。お前たち気づいてたか?」
「いや・・・・」。
「うん。いつ切り替わってるか、ぜんぜんわかんないぞ」。
そうです。のぶくんに二つの人格があるにしても、僕たちは、まったく気づくことがありませんでした。
「まぁ、考えられるのは極めてふたつの性格が近い、ってことだけだなぁ。僕も本の受け売りだからさ。よくわかんないや」。
「でも、なにかしら切り替わりの信号があるとは思うんだけど・・・」
「あ!」
僕は背筋に悪寒が走りました。
「ん?なにか思い当たるか?」
「ああ。そうか・・・なんで気づかなかったんだろう・・・」。
それはコンサートのときのことでした。
「のぶくんさ。”だいじょぶ、だいじょぶ”って・・・。自分に言い聞かせるみたいに・・・」。
「うん。間違いない。それを言ったとたんに、別人みたいに落ち着いて・・・・」。
「おぼろ月夜か?」
「うん。そうだ。あれはのぶくんが吹いていたんじゃなかったんだ・・・」
「そう言えば、今日も計算がむずかしくなると、だいじょぶ、だいじょぶって言ってたな・・・・」。
「それだよ!森田!間違いない!」。
「でも、それがわかったところで・・・・」。
「うん。そもそも、それを治す必要があるかさえ・・・・」。
そうです。僕たちは、なにもわかりませんでした。
チャーリーが言いました。
「ところでさぁ・・・。4cmって円周だよねぇ」。
空気読めよ。お前の心配も痛いほどわかるけど。
本日は2話ワンセットです。続けて第49話へどうぞ→
こういう話題は、興味本位に好きな連中の集まりでしたが、今回は、あまりに身近であったため、そうはいきません。
「うん。実は僕もその線からあたっていったんだけどね」。
森田くんが話し始めました。
「どうもそういうんじゃなくって。どうやら精神的なことなんだな」。
「精神病?」
「いや。病気とも違うんだけど・・・」
「これはねぇ。多重人格ってやつだと思うんだ」。
「多重人格?」
「うん。幼少期にね。極度の暴力とかを受けた場合になることが多いらしいんだが・・」。
「のぶくんはさ。片桐から暴力を受けて・・。それも自分の他に母親も、だろ?そこから自分の精神を守ろうと、友達ができちゃうんだよな。頭の中に」。
「あの子の場合はさぁ。学校行ってもいじめだろ?しかも転校、転校。逃げ場所がひとつもないわけだ」。
「うん・・・・」。
「それで始まりは空想への回避ってのが始まる。これは僕らだってあったよな。ヒーローになりたい、とか。心の中の変身願望とか。犬を友達にみたてたりさ」。
「でも、そんなレベルじゃなかったわけだ。想像絶するものがあるんだよ。そこで、本来の自分を守るために、もう一人の人格ができて、それを他人事としてとらえるようになるんだ」。
「暴力を受けていること?」
「うん。それも含めて、自分の境遇をさ」。
「筆跡とかも変わるもんなのか?」
「多くの場合は。まったく違う人格だから。それも、天才的なものが現れて来ることが少なくない。のぶくんはまさしくそれなんだ。たぶん」。
森田くんが続けます。
「腑に落ちないのは・・・・」。
「ん?」
「のぶくんのもう一つの性格ってのが、まったく区別がつかないことだ。普通は、逆の性格になるらしいんだが。お前たち気づいてたか?」
「いや・・・・」。
「うん。いつ切り替わってるか、ぜんぜんわかんないぞ」。
そうです。のぶくんに二つの人格があるにしても、僕たちは、まったく気づくことがありませんでした。
「まぁ、考えられるのは極めてふたつの性格が近い、ってことだけだなぁ。僕も本の受け売りだからさ。よくわかんないや」。
「でも、なにかしら切り替わりの信号があるとは思うんだけど・・・」
「あ!」
僕は背筋に悪寒が走りました。
「ん?なにか思い当たるか?」
「ああ。そうか・・・なんで気づかなかったんだろう・・・」。
それはコンサートのときのことでした。
「のぶくんさ。”だいじょぶ、だいじょぶ”って・・・。自分に言い聞かせるみたいに・・・」。
「うん。間違いない。それを言ったとたんに、別人みたいに落ち着いて・・・・」。
「おぼろ月夜か?」
「うん。そうだ。あれはのぶくんが吹いていたんじゃなかったんだ・・・」
「そう言えば、今日も計算がむずかしくなると、だいじょぶ、だいじょぶって言ってたな・・・・」。
「それだよ!森田!間違いない!」。
「でも、それがわかったところで・・・・」。
「うん。そもそも、それを治す必要があるかさえ・・・・」。
そうです。僕たちは、なにもわかりませんでした。
チャーリーが言いました。
「ところでさぁ・・・。4cmって円周だよねぇ」。
空気読めよ。お前の心配も痛いほどわかるけど。
本日は2話ワンセットです。続けて第49話へどうぞ→
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- 7章-第49話 君をのせて(6)
- 7章-第48話 君をのせて(5)
- 7章-第47話 君をのせて(4)
今日はドキドキしながら読んでまっす。
まだ、追いつかねぇ~な~。
チャーリー・・・
こんなに緊迫してるのに、4cmのほうが気になるのね・・・
でも、おかげでちょっと気持ちが浮上したかも・・・
>経理のおばんさん
いつも陰ながらコメント読むの楽しみにしています。
米書き続けてください!
みんなが本編で待ってますよ
読んでてブログのコメントの応援を、頂きましてありがとうございます。
この”ぼくちゅう”はやっぱり映画があったから、どんなお話かなぁ?と思って見たのがきっかけです。
森田君ちゃんとのぶくんの事、本とかで調べていてすごっくのぶくんの事、考えているんだなと感心しました。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」がのぶくんのもう一人の人格に変化するきっかけになっていたんだぁ・・・?テレビとかで見る多重人格の人って、急に笑い出したり、怒り出したり、無意識のうちに変化が起こっているような、気がしてましたが・・・。
のぶくんの抱えている問題の大きさに絶句しました。
上手におぼろ月夜を吹いていたのぶくんも
もう一人ののぶくんだったのかな。
目を背けたくなるようなお話しだけれど
最後まで読み通して、のぶくんの問題と
向き合うことがぼくちゅうファンの責任かしら
今夜は7章最後まで読ませてもらいますね
のぶ君多重人格だったのか・・・
のぶ君ファイト!
いつも読むの楽しみにしてます。
映画見てこれはないだろ~、と思っていたことが
ブログにあって、ほんとに!!てびっくりしてるんですが、ブログの話は実話を基にしたフィクションですか??
やばいおもしろすぎる
「本の受け売り」と言っても、参考に出来る本を探し出すのも能力だし
ここまでわかり易く解説できる位読み込めている森田さんは凄いですね!
どんな事でもいきなり人を頼らず、まず自分達でやってみる、
考えてみる、調べてみる、試してみる、動いてみる、
ママチャリ軍団の皆さんのそういうところが大好きです。
チャーリー、ごめんね・・・
その気持ちをわかってあげられなくて(>_<)