なにごとかは起るであろうと予想していた西条くんたち仲間も、この急展開には、さすがにとまどっているようでした。
そうか。こいつらも、ちゃんと人の人生とかわかるように・・・
「ってことは・・・・・」。
「うん。奥さんとお風呂とか入れちゃうのかな?のぶってば」。
なってません。
「きゃっ!やだ!のぶくんったら!どこさわってんの!」
「奥さんのおっぱいやわらか~いい」。
「ネェネェ、このさきっぽのピンクのさわっていい?」
「ま!ちょっとだけだからネ!のぶくんったら♪」
さきっぽのピンク・・・。
「お前らさぁ。少しはまじめに考えてくれよ」。
「あ?ああ、そうだよな。小学校2年生が”奥さん”なんて言わないよな」。
いやいや。そういう呼称の問題じゃなくって。
相談する相手を間違えているのでしょうか?
孝昭くん。
「あのな~。俺、そういう重いのって苦手なんだけどさぁ。なにも変えなくていいんじゃないか?俺らは」。
突如真面目に言い出しました。このギャップ。
「うん。変えるとかえってヘンだからさ」
続いて西条くん。
「で?お母さんは戻って来そうなのか?」
僕は首を横にふりました。
「いや・・。共犯がつくらしい。しばらくは出て来れない」。
「じゃぁ、のぶ、どうなるんだ?」
「うん・・。2学期終えたら、施設に・・・・・」。
「そう・・・か。施設・・・か・・・・」。
ようやく真剣な顔になる西条くんたち。
「井上~、お前んち余裕あんだからさぁ。ひきとれよ。のぶ」。
「え?・・・いや、それは・・・・僕が勝手に決められないし・・・」。
だいたいにおいて、厳格な井上家には所詮むずかしい相談です。
「そうそう。それで夕子ちゃんとお風呂入ったりしてな」。
「うん。夕子おねえちゃん、このピンクのポチポチさわっていい?」
「ま!のぶくんたらかわいいんだからン♪」
「やめいっ!!!!!」
グレート井上くんに、しこたま殴られた孝昭くん。
また突如真面目になると、
「それって、俺らじゃどうしようもない問題だもんな。はげますことはできてもよー。それともなんかいい案あんのか?お前」。
孝昭くんに言われるまでもなく、僕は一晩中、ほとんど眠らずにこのことを考えていました。
しかし、まったく歯がたたないのです。
「ないから相談してるんだろ!お前ら少しは・・・・」
僕は、自分でも予想外に声を荒げました。
みんなが黙り込みます。
やがて西条くん。
「とりあえずは様子見にいくか」。
グレート井上くんが僕の肩をたたきます。
「まぁ、僕たちなりにできることしようよ。とりあえずのぶ君の傷癒さないとな」。
「え?あ、ああ・・・・」。
ほんとは知っていました。
実は、みんなが自分のことのように悩んでいたこと。
ほんとは知っていました。
そして自分たちではどうしようもないと悟ったこと。
ほんとは知っていました。
だから茶化したかったこと。
ほんとは、みんな・・・。
自転車は、僕たちのやるせない思いを乗せて駐在所へと向かっていました。



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そうか。こいつらも、ちゃんと人の人生とかわかるように・・・
「ってことは・・・・・」。
「うん。奥さんとお風呂とか入れちゃうのかな?のぶってば」。
なってません。
「きゃっ!やだ!のぶくんったら!どこさわってんの!」
「奥さんのおっぱいやわらか~いい」。
「ネェネェ、このさきっぽのピンクのさわっていい?」
「ま!ちょっとだけだからネ!のぶくんったら♪」
さきっぽのピンク・・・。
「お前らさぁ。少しはまじめに考えてくれよ」。
「あ?ああ、そうだよな。小学校2年生が”奥さん”なんて言わないよな」。
いやいや。そういう呼称の問題じゃなくって。
相談する相手を間違えているのでしょうか?
孝昭くん。
「あのな~。俺、そういう重いのって苦手なんだけどさぁ。なにも変えなくていいんじゃないか?俺らは」。
突如真面目に言い出しました。このギャップ。
「うん。変えるとかえってヘンだからさ」
続いて西条くん。
「で?お母さんは戻って来そうなのか?」
僕は首を横にふりました。
「いや・・。共犯がつくらしい。しばらくは出て来れない」。
「じゃぁ、のぶ、どうなるんだ?」
「うん・・。2学期終えたら、施設に・・・・・」。
「そう・・・か。施設・・・か・・・・」。
ようやく真剣な顔になる西条くんたち。
「井上~、お前んち余裕あんだからさぁ。ひきとれよ。のぶ」。
「え?・・・いや、それは・・・・僕が勝手に決められないし・・・」。
だいたいにおいて、厳格な井上家には所詮むずかしい相談です。
「そうそう。それで夕子ちゃんとお風呂入ったりしてな」。
「うん。夕子おねえちゃん、このピンクのポチポチさわっていい?」
「ま!のぶくんたらかわいいんだからン♪」
「やめいっ!!!!!」
グレート井上くんに、しこたま殴られた孝昭くん。
また突如真面目になると、
「それって、俺らじゃどうしようもない問題だもんな。はげますことはできてもよー。それともなんかいい案あんのか?お前」。
孝昭くんに言われるまでもなく、僕は一晩中、ほとんど眠らずにこのことを考えていました。
しかし、まったく歯がたたないのです。
「ないから相談してるんだろ!お前ら少しは・・・・」
僕は、自分でも予想外に声を荒げました。
みんなが黙り込みます。
やがて西条くん。
「とりあえずは様子見にいくか」。
グレート井上くんが僕の肩をたたきます。
「まぁ、僕たちなりにできることしようよ。とりあえずのぶ君の傷癒さないとな」。
「え?あ、ああ・・・・」。
ほんとは知っていました。
実は、みんなが自分のことのように悩んでいたこと。
ほんとは知っていました。
そして自分たちではどうしようもないと悟ったこと。
ほんとは知っていました。
だから茶化したかったこと。
ほんとは、みんな・・・。
自転車は、僕たちのやるせない思いを乗せて駐在所へと向かっていました。



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- 7章-第42話 のぶくんの飛行機(7)
- 7章-第41話 のぶくんの飛行機(6)
- 7章-第40話 のぶくんの飛行機(5)
どうにかしたいのに、手に負えないこと、
すごくやるせないですね。
私もママチャリさんくらいの時は、
そういうのが凄く悔しかったのに、
どんどん当たり前になってきて、
諦めるのになれてしまった気がします。
>せいこさん 初一番載り認定!
でも結局、僕たちはあきらめませんでした。
自分たちにできることを見つけ出します。
お初です!
のぶくんのこと、真剣に考えてるママチャリ軍団、
みんな心が優しい人たちばっかりなんですね。
おもしろいこといっぱい言ってるけどw
ここで駐在の出番ですね。
明日が楽しみです。
明日のために、今日は沈んだ気持ちも仕方ありません。
ママチャリ軍団、みんなやさしくて、繊細で、それでいて面白くて、そんでもって馬・・ゴホゴホ・・・すいません、変な咳が。
さてさて、この後はどうなるのでしょうか。
でもフィナーレはHAPPY ENDのはず(確かそうですよね?)なので、続きを安心して待ってます。
・・って言うか、続きは今日じゃないの~~??
「まったく…」って思わせながら、「うーん」とうならせるところが、いいですね★
今日はココまで!?明日を待っとります。。
おはようございます
登校です
ママチャリ軍団・・・確かにやさしい
やさしいけど
ふざけているときの話はずっこけてしまいます(笑)
高校生にはそれだけ重すぎる話だったんでしょう
でも果敢に挑んでいく姿は
とってもすごいと思います
大人になった今の自分でも、どうするのが最善かなんて分からない。
まして、高校生のママチャリ達に、、、
信じる道を行くのが、きっと最善なんですよね。
きっと、、、、
高校生であるが故のジレンマですよね。
自分たちも親がかりであるというのも、もちろんあるでしょう・・・。
だからこそやれる事を探す。
その優しさがすべてのような気がします。
ファイトだ。
ママチャリ軍団!
>みっちゃん はじめまして~
>おもしろいこといっぱい言ってるけどw
うーん。なにしろ血気盛んな年頃なものですから。
>☆男さん(ネタバレあり)
>ここで駐在の出番ですね。
>明日が楽しみです。
>明日のために、今日は沈んだ気持ちも仕方ありません。
ちがいます。
この「のぶくんの飛行機」(1)~(8)は、話自体が、飛行機みたいに滑走から飛び立つ感じで、いきなりケロっと明るくなったりしません。
なにしろぼくちゅう3大悲話のひとつですので。
出番なのはミカちゃんで、ハッピーエンドは、もっと意外な方向です。
>あとむさん
>てさて、この後はどうなるのでしょうか。
>でもフィナーレはHAPPY ENDのはず(確かそうですよね?)なので、続きを安心して待ってます。
はい。とてつもないハッピーエンドなのですが、もう一度ずしんと沈みます。でもそれが最後ですね。
そしてフィナーレです。
ちょっと久しぶりに登校です。
ん~・・・複雑ですね・・・。
高校生でこういう場面に出くわすなんてまずないですよね。
今後のぶ君がどうなるのかすごく気になります。
まじめに考えちゃうと、どうにもできないことが辛過ぎて、ついふざけちゃうんでしょうね。
一人の男の子のことを、そこまで真剣に考えて悩むことができる、優しいママチャリくん達。
周りに真剣に考えてくれる親や、大人がいたからそんな風に、誰かのことを考えてあげられる優しさが身についたのかな?
おはようございます。
今夜の話、地味だけれどぼくちゅうのメッセージがしっかりと詰まっていると思います。
一人一人は無力でも、なんとか自分達に出来る事を探そうとする。それが大切なんだと。
何日か前にくろわっさんがコメントで仰っていた「愚痴をいっているだけというのは辞めにしました」という言葉につながっているのかなぁと。
>はい。みなさん
もどってビックリ。
朝見てビックリ。
実は2話1セットになってしまいました。
はじめました。
最近このブログを見つけて、今1話目からコツコツ読んでいます。
会社から帰宅後の楽しみが出来た感じで嬉しいです。
未だ7章には追いついてないですが、先にコメントを残させていただきました。
これから少しずつ読み進めていきますので作者さんも頑張ってください(○´ー`○)
グレート井上くに、しこたま殴られた孝昭くん。
になってる。。。
いいお友達をお持ちで・・・。本当に笑わして頂きました。
”おっ○い”好きなのは、今も昔も変わらない男のサガなのですかぁ・・・?
(高校生の男の子なのですから、仕方の無い事なんですネ。)なんて言ってもS○ファンの定期購読者ですもんネ。
面白い・・・・
シリアス終わった?かと思えば即下(笑)
こんなハイスクールライフ送れたらいいなぁ。
いい仲間ですね
僕も学校で嫌われています。 だからのぶくんの気持ちが、痛いほどわかります。
自分たちではどうしようもないと悟るのは辛いと思います。
どうにかしたい気持ちの大きさに比例して。
世の中にはどうしようもないと悟ることが賢いことのように言う人がいますが
私はそれは違うと思います。
どうしようもないと悟っても尚諦めない。
それが大事だと思います。
ママチャリさん達のように。