ぼくたちと駐在さんの700日戦争

なんとか時計屋さんを説得。

説得したというよりは、ひたすら謝罪してた気もしますが。

3時はさすがに迷惑だよなー。
次からは7時にセットするようにしよう。ウンウン。

改めるべきは改める。これが悪戯の極意です。

3年の先輩は、警察の書類に勝手にビビりまくって、なんなく申請書を書いてくれました。
まぁ、そりゃそうです。
後輩をシメたつもりが「警察の書類」ですから。普通ありえません。

「それからねぇ。小町・・・・理恵ちゃんは学校にはチクってないようでしたよ」。

「え・・・そ、そうなのか？」

もはや「ことなき」だけを願っている先輩は、すんなりとこれを聞き入れました。

これでこっちも解決・・・と。
もう小町が「チクリ」として、いじめられることもないでしょう。

駐在さん、役にたつなぁ。
やっぱ先生の比じゃありません。

保険金は、保険会社からメガネ屋さんへのダイレクト支払いです。
それまでは、写真屋さんが部費を使って立替える、というメガネ1個に「商店街総動員」みたいな作戦になりましたが、まぁ、普段とっても懇意にしているので、バチは当たらないでしょう。

「小町と和美に知らせなきゃ！」

こういう時というのは、誰でも胸おどるものです。

学校にもどり、ESS部室へと廊下を急いでいると、

「おーーーーーい！」

「あ。西条」

ぞろりとメンバーズ。

「ブロンド、見にいくのか？」

あ。そうだった。
今日はブロンドが来てるんだった・・・。

「名前、シンシアって言うんだってさ」

「シンシア？やっぱ女なの？」

「そうだ。ポーラより若干歳上だって」。

「へ～」。

「シンシアって限りは美人だよな！な！」

なぜ西条くんが『シンシア＝美人』と決めつけているかと言いますと、
当時、トップアイドルだった南沙織さんの洗礼名が「シンシア」で、このニックネームがとっても有名だったからです。
僕たちの年代は、シンシアと言えば南沙織。吉田拓郎が『シンシア』という曲まで作って、大ヒットさせたのもこの頃でした。


＜南沙織=日本のアイドル第1号とまで言われた奄美出身の歌手。デビュー曲『17歳』から、ヒット作を連発した＞


ちょうどいい、ってことで、みんなと一緒にESSの教室へ。

「待っててね～～～～～♪」
「シンシア～～～～♪」

が

「What？」

「あら？」

行く途中。
廊下で出会ってしまいました。

噂のブロンド。シンシア。

「Oh～～～～！How do you do！えーっと・・・Miss・・・Mrs Cynthia？」
（はじめまして。ミスだかミセスシンシア）

「Mrs」

そう。
シンシア。
おばさんでした。

聡子先生の年齢と、シンシアという名前から、勝手に若い女性を期待していた僕たちの落胆ときたら。

胸は、和美ちゃんの比ではなく大きく、いかにもアメリカンなおばさん。
てか、全体的にビッグママ。

「あ～～～～Mrs Cynthia！It's a great pleasure to meet you」
（お会いできて、とっても光栄です。シンシアおばさん）

とりつくろう僕でしたが、

僕よりも期待のでかかった西条くんたちは、
当然、

「げ。おばはんじゃん！」
「シンシアじゃねぇじゃん！」
「ブロンドの意味ね～～～～～」

「てか、胸でかっ」
「久保が借りても胸はあまりそうだ」
「わははは。ほんとだなー」

好き放題。

「くそ～～～～。これで中学はポーラかよ～～～～」
「なんで高校はおばはんなんだ？」

するとシンシア。
ここまで黙っていましたが、

「What？」

「いや。だからYou are べりべり～～～おばはん！」
と、西条くん。
通じないと思って・・・・
まったく・・・。

「べりぃでかパイ and でか尻。どうゆーあんだすたんど？」

ところが、

「誰がおばはんやて～～～～!?」

「！」「！」「！」「！」

「げぇ！」
「日本語話だ！」

しかも大阪弁！

「アンタら！初対面で言うてええことと悪いことがおまっせ！」

ウソだろ～～～～～！
ペラペラじゃん！

なぜか大阪弁だけど。

「クラス言うてみぃっ！」

「あ～～～～えっと・・・・・」

「はよ言わんかいーーーーーーーーーっ！」

僕たちは当然、

「あ・・・あいきゃんと　すぴーく　じゃぱに～～～ず」

「こるぁ！待たんかいーーーーーー！」

そこから逃げるしかありませんでした・・・。

「Welcome to Osaka～～～～～～」


＜24日、ラジオ出演～。YBC聴こえるかた。午後3時45分頃です＞

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