7章[のぶくんの飛行機]第12話 母と子(2)
「なっ・・・・・」
突然のぶ君をぶとうとしたお母さんに、駐在さんも僕たちも驚きましたが、腕をおさえられたお母さんも動揺をかくせません。
「お、親でもないあなたに母子のなにがわかるって言うの?」
お母さんの腕を離しながら西条くん。
「ああ。わかんねぇよ!でもな。ぶたれる痛みはわかるぞ」。
「!・・・」
「平手の痛みなんざ1分もしないで消えるさ。けどな。心の痛みはずっと残るんだぜ」。
駐在所は、西条くんの台詞で静まり返りました。
お母さんも、黙り込みました。
「あんたの息子・・のぶはなぁ。これっぽっちも悪くねぇよ!あんたもぶたれてみるか?あ?」
興奮する西条くん。どうしたというのでしょう。
「そのへんでやめとけ!西条!」。
叱りつけるようにして、駐在さんが仲裁しました。
「お母さんも。彼らの言った通り、お子さんは池の靴をとろうと必死だったんですよ。わかってあげてください」。
おだやかに、おだやかに話す駐在さん。
僕は、ふとリョウくんの花火の夜のことを思い出していました。
あの時も、駐在さんは「静かにしろ。西条」って。この時の駐在さんはまったく同じでした。
のぶ君は、まだ泣き続けています。
「とにかく、お子様は見つかったんですから。怒らないであげてくださいよ」。
「え・・・ええ。わかりました・・・」。
僕たちは、この驚くような展開に、身じろぎもせず、ただただ無言でした。
やがて、のぶ君の手をひいて駐在所を後にしようとするお母さんに、駐在さんが言いました。
「あ、お母さん」。
「なんでしょうか?」
「この子たちへのお礼がまだだったと思うのですが」。
「あ・・」
お母さんはちょっととまどいましたが
「どうもお世話になりました」。
それは実にそっけなく。暖かみのかけらもない言葉でした。
← ← ← ← ← ← ← ← ←
「お前ら。ご苦労だったな」。
そんな僕たちを駐在さんがねぎらいました。
「不思議な・・・母子でしたね・・。よくわかんないや」。
「ああ。ヘンだぜ。あの母ちゃん」。
西条くん。
「佐原って、このへんじゃ聞かない苗字だな」。
「うん」。
これに対し駐在さん。
「ああ。最近、千葉の稲毛市ってとこから引っ越してきたらしい」。
「千葉から・・」
そうか。転校生なんだ・・・のぶ君。
本日は2話1セットです。続けて第13話へどうぞ
「なっ・・・・・」
突然のぶ君をぶとうとしたお母さんに、駐在さんも僕たちも驚きましたが、腕をおさえられたお母さんも動揺をかくせません。
「お、親でもないあなたに母子のなにがわかるって言うの?」
お母さんの腕を離しながら西条くん。
「ああ。わかんねぇよ!でもな。ぶたれる痛みはわかるぞ」。
「!・・・」
「平手の痛みなんざ1分もしないで消えるさ。けどな。心の痛みはずっと残るんだぜ」。
駐在所は、西条くんの台詞で静まり返りました。
お母さんも、黙り込みました。
「あんたの息子・・のぶはなぁ。これっぽっちも悪くねぇよ!あんたもぶたれてみるか?あ?」
興奮する西条くん。どうしたというのでしょう。
「そのへんでやめとけ!西条!」。
叱りつけるようにして、駐在さんが仲裁しました。
「お母さんも。彼らの言った通り、お子さんは池の靴をとろうと必死だったんですよ。わかってあげてください」。
おだやかに、おだやかに話す駐在さん。
僕は、ふとリョウくんの花火の夜のことを思い出していました。
あの時も、駐在さんは「静かにしろ。西条」って。この時の駐在さんはまったく同じでした。
のぶ君は、まだ泣き続けています。
「とにかく、お子様は見つかったんですから。怒らないであげてくださいよ」。
「え・・・ええ。わかりました・・・」。
僕たちは、この驚くような展開に、身じろぎもせず、ただただ無言でした。
やがて、のぶ君の手をひいて駐在所を後にしようとするお母さんに、駐在さんが言いました。
「あ、お母さん」。
「なんでしょうか?」
「この子たちへのお礼がまだだったと思うのですが」。
「あ・・」
お母さんはちょっととまどいましたが
「どうもお世話になりました」。
それは実にそっけなく。暖かみのかけらもない言葉でした。
← ← ← ← ← ← ← ← ←
「お前ら。ご苦労だったな」。
そんな僕たちを駐在さんがねぎらいました。
「不思議な・・・母子でしたね・・。よくわかんないや」。
「ああ。ヘンだぜ。あの母ちゃん」。
西条くん。
「佐原って、このへんじゃ聞かない苗字だな」。
「うん」。
これに対し駐在さん。
「ああ。最近、千葉の稲毛市ってとこから引っ越してきたらしい」。
「千葉から・・」
そうか。転校生なんだ・・・のぶ君。
本日は2話1セットです。続けて第13話へどうぞ
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やったぁ!
あー。一番載りですけど、13話もありますよ?
一応こちらにも登校
話がだんだん怪しくなってまいりました
もう少ししたら
ハンカチ屋さんが
今年の夏以来2度目の売れ行きになるかも?
みなさ~ん
ハンカチの用意は万全ですか☆
ちなみに十数年前まさしく稲毛区に住んでいました
市だったのは1992年以前だと思いますよ
1992年4月1日 千葉市の政令指定都市移行に伴い設置。
となっている記事がありましたから
稲毛は千葉市稲毛区ですよ。
あ、当時は区でもなかったようです。
昔は二話まとめてアップの時は、最新のところにしかコメントなかったのにねぇ。
レス返すくろわっさんの事も考えてあげようよ。
(えっ!?お前が考えろ??)
>Goroさん
だいじょぶ。こっちにコメントほしかったの。
>フェニックスかめさん
たぶんねぇ。書ききれないと思いますね。
このシーンもぜんっぜん書ききれてない。
ちょっと反省してました。
だめだなぁ。
2話連続したのはね。夜中でしょ?
みなさんに気分よく寝てもらいたかったんで。
この話だけだとすくわれませんもんね。
と、言いながら、最後にウシガエルの写真入れてます(笑)。
>草二郎さん
この話は、けっこうノンフィクションなので、地名とかの間違いはないはずです。
千葉県稲毛市です。
って、なんで、あっちとこっち行ったり来たりしてるんだろう
中毒症状のなせる技?
あ~、明日になんないかなぁ~
>2児の母さん
せっかくコメント見て、写真入れたのに~。
でもすっごい不評になりそうな予感。
私実は千葉在住なんです。
今現在は確かに千葉市稲毛区ですが、当時はわかりませんね。
この話、短めながらいろいろ考えさせられます。
駐在さん若いとのことでしたが、大人の対応。
>草二郎さん
この話は、伏線ですね。
駐在さん、このとき30歳。
でも、今の僕より、ずっとしっかりしてますねぇ。
そっか。稲毛区になってるのか。
2人は確実っ
コミュでは女性陣「解剖」で、頑張ってましたね
隠してくれてありがとうごじゃいましたっ!
>2児の母さん
はい。隠しました。一応、女性読者多いので。
それ逃がす手はありませんから(笑)。
実は今日も失敗やらかしまして。
あちこち削除してまわりましたよ。
このコメントは管理人のみ閲覧できます
そっち方面の田舎だったんですかぁ?
ママチャリさん達が大活躍していたのは・・・。
自分の事しか考えられない、悲しいのぶくんのおかあさん。 でも必死で生きているような気がします。
大変なんですヨ、母親って生き物は・・・・。
生きて行くのだけでも、結構大変な時代だったと、今思います。
今 読み返してる真っ最中です。
稲毛市ってのにどうにもこぉにもいられなくて…
元千葉県民で稲毛区民だったのでコメントいれちゃいました。
何度読んでもいいですね。
自分の子供の頃を思い出します。
今みたいな怖い犯罪が少なく遊び場も沢山あっていい時代でした…
昭和が懐かしいです。遊びながらルールやマナーを学び、覚えてやっていいこと悪いことを身に付けてた。
今はゲーム感覚で生きてる。
考えようとしない子供が増えてる気がします。親が過保護になり甘やかし過ぎ…
ゲーム等を買い与えるのは親としての教育を放棄してるんじゃないか…
そう思えてなりません。
俺も声を大にして言いたいんですが、ママチャリさんのような文体は書けないので…(泣)
これからも読み続けます!
御体に気を付けて
わぁぁ(*゜∇゜)ノ
西条君が かっこいく見えるwww
そっか。のぶ君引っ越して来たばかりだったんですね。
詳しい事情は分かりませんが、
それならお母さんが青い顔をして駐在所に駆け込んで来る気持ちも分からなくはありません。
稲毛市・・・
千葉の稲毛ってここじゃないか