ぼくたちと駐在さんの700日戦争

「あーーーー！く、黒いぞ！千葉！」
「うーん。一黒、二鷹、三なすびって言うけどなー。こりゃ黒すぎるなー」。
ちょっと違う。

パンツのゴムを延ばし、上から覗き込む千葉くん。

「げーーーーっ！こ、こんなとこにも、2匹もいるーーーーーーう！」

えっとですねえ。こんなとこ、っていうのは、こんなとこです。

言うまでもなく

　大爆笑

「あははは。よしよし。今たたき落としてやるからな。動くなよ。千葉」。
西条くん。古文の教科書を振り上げます。

「待て待て待て！西条、そ、それは勘弁してくれ！」

「ああ？心配すんな。コントロール、ミスらないから。空手3段の俺を信じられないのか？」。

「いやいやいや。空手3段だから困るんだって！」

「そうか？じゃ、いっそ焼いちゃうか？」

「いやいやいやいや。この若いみそらで役たたなくなるって！って、まだ一度も役にたったことないけど・・」。

そうでしょうとも。どういう「役立ち方」を望んでいるかはともかく。

「そうだ！千葉、いい手がある！」
孝昭くんです。
孝昭くんの「いい手」が、いい手だった試しはありません。

「あのな。精○って、血液からつくられるからほとんど血液そのものなんだってさ」。

「はぁ？だから？」

「だからぁ。射○すれば、そっちに惹かれてはがれるかも知れないぞ」。
ほらね。

「ば、ばか言え！だいたいどうやって射○なんかするんだよっ！」

「え？知らねーのか？高校2年にもなって。まずなー、夕子ちゃんを思いうかべるんだよな」。
そりゃ、お前独自の方法だろうがっ！

「そいでさー。夕子ちゃんがスカートの裾をこう、序々にこう・・・」
身振り手振りの孝昭くんですが、
これは当然、グレート井上くん
「なに具体的に言ってんだよっ！バカ！人の妹使うなっ！」

しかし千葉くん
「あ。少しそういう気分かも・・」。

「やめっ！」
井上くん。マジ切れ。

だいたい、そんなことでヒルがとれるわけありませんから、仕方なく、手をつっこんで取ろうとする千葉くん。
どうやら苦心の末ようやくとれたようでした。

しかし、千葉くん。そのとれたヒルをまじまじと見ていたかと思うと

「ほれ！」

孝昭くんの顔めがけて投げました。

　　ペタッ

これはさっきのヒル合戦とはぜんっぜん威力が違います。
なんてったって、さっきまでチ○ポにくっついていたんですから！

「千葉っ！てめーーーーーーーー！」
孝昭くん。マジ切れ。

と、裸の千葉くんと孝昭くんの大合戦が始まったところで

「あーーーーーっ！」
のぶ君が叫びました。

「どうした？射○でもしたのか？」

「鍵が・・・鍵がなくなってる・・・」。

「えええええええー？？？？鍵いぃ？？？？？」

というわけで僕たちは暗闇の中、のぶ君の鍵をさがすはめに。
まったく手間のかかるガキ・・いえ、お子様です。
すでにあたりは真っ暗でしたから、自転車を2台持って来て、2人がこいで明かりをつくり、4人が草むしりのように探します。

「なんの鍵なんだ？」
「うん。おうちの鍵・・・。なくしたらお家入れないの・・・」

この時、僕たちは、のぶ君が、いわゆる「鍵っ子」であることを知りました。
しかし、闇の中、簡単に見つかるものではありません。

そこでチャーリー。
「いい手がある！」
自転車のダイナモを1つはずすと、それに紐をつけました。
「ダイナモには強力な永久磁石ついてるんだ。これひきずればくっつくかも知れない」

そしてこの策は見事に的をえていました。
その数分後、チャリ、というわずかな音がして

「あった！」

「ふえーーー。よかったーーー。どうなるかと思ったぜ」。


ちょうどその時でした。

「あー。おまわりさん。こっちです。こっちー」。

写真屋さんの声です。



　　　　あなたの1クリックが明日の1行！

　　　　7章-第11話へつづく


mixiに「ぼくちゅうコミュ」たちました。mixiやってる方、ぜひどうぞ！100名突破！

関連記事

• 7章-第11話　母と子(1)
• 7章-第10話　ザリガニ池の怪(3)
• 7章-第9話　ザリガニ池の怪(2)