ぼくたちと駐在さんの700日戦争

もうひとつわかりました。

自己発熱は外気に負けやすい。

　ぶる・・・・・・

あっという間にケンタッキー寒イボチキンにもどり、僕は「幼な妻」(?)の待つ毛布の中へ。

そうしますと、また花王のバカヤロ～～～で、メリーゴーランドで、自己発熱で

「ぷは～～～～～～～」

　ぶる・・・・・・

これを4ダカーポくらい繰り返したあたりで、

「なにやってんだ兄ちゃん？」

これが刀なら相当鍛えられたはず。

「あ。次のトンネル過ぎたら検問です！」

「お！そうか！」

速度を緩めるトラックおじさん。
その後ろをついてきたトラックはダンゴ状態となり、さらにその後ろは大名行列。

当時、バイパスでも、まるで検問のためのような40キロ規制でしたから、これは速度の出る乗用車には堪え難いことでした。

直線で対向車が来なくなったところで、

　ブオーーーーーーーーン

右側をすさまじい速度で追い越して行ったスポーツカーがいました。
辛抱たまらなくなったのでしょう。

ほどなく

　ピピーーーーーー！

捕まりました。

「げ！ほんとだ！検問だぜ！にいちゃん！」
「でしょ？嘘は言いませんよ」。

「いやぁ～～～。実は半信半疑だったけど。助かったぜ～～～。ここは捕まるわ～～～」

「次は新発田に入ってからです」。

僕はマークを入れた地図を指でたどりました。

検問では、かなりの車が捕まっていました。
そこにトレノの姿を探しますが、さすがに時間がたっていますから、あるはずもありません。

　西条は・・・なんでそんなに急いだんだろ？

待てよ？ご記帳があったということは・・・。

西条くんのお母さんは、お葬式で竹内くんと会っている、ということです。
僕は那智先生にとらわれて、それ以上に「竹内くん」を知る人物を捜すことを忘れていました。
しかし、葬式に来るほど親しかった竹馬の友であり「予科練仲間」。お母さんと会わなかったはずがありません。

「西条。なにかわかったんだな・・・」。

それがなんであるか想像もつきませんが、「単刀直入」な西条くんを突き動かすだけのものであることは間違いないわけで。

「ゆかりの親父は・・・、母親の・・・実の兄だ・・・・」。

いや・・・いくら竹馬の友でもそこまで言うだろうか？


それまで賑やかだった僕が、急に黙ったものですから、

「ん？眠いのか？にいちゃん」

「あ・・・いえ」。

「グローブボックスに眠気覚ましあるぞ」
「いえ。大丈夫です」。

「まぁまぁ、そう言わず。福の神に眠られちゃ困っからよ」。

と言ってわざわざ渡してくれたのが

　さっきのグラビアを切り取ったであろうエロ本っ！

「あははは。眠気冷めるだろ？」

ええ。そりゃもう。

だってあっちにもヌードの竹内さん、こっちにもヌードの竹内さんが、あーんなかっこやこーんなかっこう・・・。

ほんっと似てるわ・・・。ショートヘアーなのが災いしました。

そのそっくりな子が、となりでエメロンですからたまりません。

　うお～～～～～～！花王のやつ～～～～～！

なのにページをめくっちゃうのはなぜ？

　そうだ！四方の陣・・・！無理か・・・。


7号線に入ってから、運転手さんは再度休憩を入れました。

「クーラーきかすのいいんだが、近くなるんだよな～～～」

それは元女性(?)である竹内さんはさらに顕著でした。（男性より尿道の短い女性のほうが近い）
ついさっきまで眠っていたのに、トラックを飛び降りると、トイレへいちもくさん！

「おいおい！小ちゃいの！そっちは女子トイレだぜ？」

「あ・・・・」。

竹内さんは、バツの悪い顔で男子トイレに入ってくると、当然ながら「大」へ。

が、一度ドアを開け、中から顔を出すと

小声で、
「先輩！さっさと出てってください！」

「あ・・・！うん・・・ごめん・・・すぐ」。

オシッコ謝るのも初めてだけど。

そうか。音、恥ずかしいのか・・・。

そう言われるとなおさら耳に意識が集中しちゃうのはなんででしょう？
同じ水の音なのに区別がついちゃうんだ、これが。

　あああ・・・またメリーゴーランドがぁ・・・・！

しかも今度はグラビア1枚じゃありませんから。東京ディズニーランドのように豪華なメリーゴーランド！


＜東京ディズニーランド・キャッスルカルーセル＞

エロ本、見るんじゃなかったなぁ・・・（←この反省、生涯で何度したことか・・・）。

女性には絶対わかりませんが、こうなるとオシッコが出にくいったらないわけで・・・。

そこへとなりに運転手さん。

「お！兄ちゃん、若いなぁ！え？眠気覚ましききすぎたか？あははははは」

「いや・・・」。

小なのに大。


（うわぁ・・・・ど下ネタ・・・・・） m（_ _）m



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