ぼくたちと駐在さんの700日戦争

＜※本日2話連続アップです。15章 第48話からどうぞ＞


河野くんの話は続きます。

「竹内、実は母親亡くしてんのな。施設にいるうちに」。

「うん・・・知ってた」。

「ところがよ。親父は生きてる可能性あるわけだ」。

「あ・・・・」。
「そうか・・・・」。

「でも、アイツは私生児だからな。調べても戸籍に親父の名前はない」。


「それで・・・・」
「リボンをたよりに？」

「そーなんだ！もっとも言い出したのは、久保なんだがよ」。

「久保・・・・」。

「俺はそんな雲をつかむような話、わかるもんかっつったんだがな」。

「ああ」。

「久保が言うにはよ。この運動会の資料はA小にあるって」。

なんてこと・・・。
久保くんと西条くんの関係を気にするあまり、メンバー選抜に加えなかったことが、こんなことに・・・。

「そうなりゃよー。竹内も親父のこと知りたくなったわけだよ」。

「ああ・・・」。
「天涯孤独だもんな・・・」。

「考えてもみろよ。そこにゃあ、おばあちゃんとかもいるかも知れないんだぜ？」

「うん・・・」。

「で、久保の野郎、かっこつけやがってよー。必ず調べてやるって」。

久保らしい・・・と言えば、久保らしい・・・。

「で～～～、A小に行ったんだが。資料室は開かずの間で、開けられねーって言うわけだよ、小学校のセンコーが」。

「ああ・・・。ベーゼンドルファーのお札だ・・・」。

「そうそう、それそれ」。

「それでなくても普通開けないな。突然、河野みたいのが見せてくれとか言っても」。

「うるせー！で、外からも入れねぇし。忍び込んでも入れねぇしよー」。

「それで？」

「そしたらな。久保が入る方法も開ける方法もある、つってな」。

「へー、すごいな」。


あ・・・・なにか不穏な雰囲気です。


「出して来たのが、K小の小学生が書いた、とあるA小侵入プランなんだ」。

「K小の・・・」。
「小学生・・・・」。

あ～～～～

「まー、俺はビックリしたね。こんな極悪な小学生がいるものかってよー」。

「あは・・・はは・・・はは・・・」。

「誰だかわかんねぇが、ろくなヤツになってねーな。そいつは」。

「そ・・・そんなこともないだろうけど・・・・」。

「いや！ろくなヤツになってねぇ！あんな悪徳なプラン、高校生もたてられねぇぜ！」

「あは・・は・・は・・・・」。

みんなの目が怖くて見れない僕です。

「とにかくよ。宿直を外に締め出す方法からよ。中から窓開けさせる方法やら、追跡の自動車動かさなくする方法まで詳細に・・・・」。

「あ・・・詳細はいいよ。なんとな～～～くわかるから・・・・」。

「わかんのか？」

「う・・・うん・・・。なんとなく・・・・」。

「へー、さすがだな」。

さすがでしょ？

「そいつ、久保と同じ年なんだから、俺らと同じ高校生なんだよなー。どこの高校入ったか知らねぇが・・・・」。

・・・・みんなは・・・知ってるかも・・・・？

「ろくなヤツじゃねぇ！」

「うん！」
「その通りだ！」
「まったくだ！」


いや・・・みなさん？そんな同調しなくとも・・・・。



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