「え?河野と千葉も来んの?」
「あたりまえだろう」
「つまり孝昭以外・・・?」
「孝昭は連絡したのに来ないって」
「なんで連絡すんだよっ!ダメって言ったろ?」
「そうだよな。実の弟が姉の毛、うれしくないもんな!」
その問題ではなく・・・。
「いいよなぁー・・・姉のひろい放題・・・・・」
弟は、そうは思ってないと思うぞ?
こんどは久保くん。
「お前がヤーさんの人数言わねぇからだろ?大集団だったら勝てねぇじゃん」
「いや。それが、人数わかんないんだよ」
「マジ?」
「マジ」
ここで
「ふっふっふ」
西条くん。自信たっぷりに不敵な笑い。
「そういうときのためになぁ。これを作って来た!」
彼が胸ポッケから取り出したのが
「か、肩たたき券?母の日じゃないんだぞ?」
「ちがうちがう。よく見ろ」
「かたたたき・・・あ!ちがう!」
よく見ると、途中に「き」の文字の割り込みマーク。
「そう!それは、かたきたたき券!」
馬鹿か?
しかもどう見ても、母の日にしくじった肩たたき券の使い回し。
「これがどういう解決になるんだ?」
「おー。こういう依頼、けっこうありそうなんで作ってみたんだ。1枚につき1発、かたきをたたく券だ」
「なんだよ・・・それ・・・役にたつのか?」
「10枚なら10人、20枚なら20人、わたしがたたいてやる券だ!どうだ!何人いても大丈夫だろ?」
うーん。「大丈夫」の根拠がまったくわからん。
なのに、
「券は30枚つくってきたから。30人まで大丈夫だ」
まぁ、そう本人が言っているんですから、ここはひとつ、
「わ、わかった。じゃ、それ使わせてもらうよ。か、かたきたたき券」
僕が受け取ろうと手をのばすと、西条くんが券をひっこめます。
「え?有料なのか?」
「あたりまえだろー。これで俺は億万長者への道を駆け上るのだ!」
「商売かよ・・・。で、1枚いくらだ?」
「10円」。
「よし!30枚全部買うぞ。かたきたたき券」
「やった~~~~~!」
喜んでますが、億万長者になるには東京都民全員分たおさなきゃいけない、というのをわかってるんでしょうか?西条くん。
それにしても友人の足下につけこんで金とるなんざぁ、とんでもないやつです。
「あ。でも相手15人しかいないかも知れないから、半分返す」
「ああ。余分な分まで買わなくっていいぞ」
「じゃ、150円返してくれよな。これで15人」
「これで15人だ。150円返す」
「そいじゃ、こっちの券は今使うから。これでもう15人」
「もう15人な」
「合計で何人だ?」
「30人」
「ん。じゃ、30人たのむわ」
「おう!まかせとけ!」
「ところで、今やった15枚ぶん、150円は?」
「あ。そうだな。もう150円返してと・・・・」
「そうそう」
「あれ?手元に1銭も残ってないんだけど?」
「券受け取ったんだからあたりまえだろ?それを売ればいくらになる?」
「300円」
「つまりお前の手元には、300円ぶんの有価証券があるってことだ。有価証券は金と同じだ」。
「あ。そうか。これで300円の価値があるんだよな?」
「そう。お前の手元に300円。僕の手元には0円。合計で?」
「300円」
「30人で300円。ほら。おかしくない」
「あ、そうか!」
「じゃ、がんばって30人ぶんたたいてこい!」
「おう!まかせとけ!」
西条くん。億万長者への道のりは遠い。
「それにしても河野たち遅いなぁ」。
「さっさと行かないと早苗さんやられちゃうぞ。行こ!」
「あ!」
「なんだよ。まだなんかあるのか?」
「河野にはお守りのこと話しちゃったんだ」
「え~~~~~?」
「だって一緒に競馬行くことなってたからよー」
「聞いてないぞ!」
「じゃ、久保。お前のよこせよ!」
「え!冗談じゃねぇ。絶対やるもんか。お前のやれや!西条」
赤ベコと知らず仲間割れ。
「う~~~~~ん」
西条くん。考え込みまして
「しかたないや」
「こらこら!なにズボンに手ぇつっこんでる!?」
「え。だから河野には俺のやるから」
「え~~~~~!お前のって、お前の?」
「おう。ギミックだ!」
「いや・・・いくらなんでもお前のって・・・」
「こうやって丁寧につつめば区別つかねぇって!」
そう言いながらティッシュにつつむと
「ほら!そっくりだ!」
おおおおお。
ほんとにそっくりだ!
ティッシュだから。
「わははは。河野、俺のとも知らず大切にするぞ」
こうして根底では騙し合いの僕たち。
ギミックの友情。
「ほんとソックリだなぁ。で、お前のはどっちだ?」
「はい?」
本人もわかんなくなるほどソックリです。
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「あたりまえだろう」
「つまり孝昭以外・・・?」
「孝昭は連絡したのに来ないって」
「なんで連絡すんだよっ!ダメって言ったろ?」
「そうだよな。実の弟が姉の毛、うれしくないもんな!」
その問題ではなく・・・。
「いいよなぁー・・・姉のひろい放題・・・・・」
弟は、そうは思ってないと思うぞ?
こんどは久保くん。
「お前がヤーさんの人数言わねぇからだろ?大集団だったら勝てねぇじゃん」
「いや。それが、人数わかんないんだよ」
「マジ?」
「マジ」
ここで
「ふっふっふ」
西条くん。自信たっぷりに不敵な笑い。
「そういうときのためになぁ。これを作って来た!」
彼が胸ポッケから取り出したのが
「か、肩たたき券?母の日じゃないんだぞ?」
「ちがうちがう。よく見ろ」
「かたたたき・・・あ!ちがう!」
よく見ると、途中に「き」の文字の割り込みマーク。
「そう!それは、かたきたたき券!」
馬鹿か?
しかもどう見ても、母の日にしくじった肩たたき券の使い回し。
「これがどういう解決になるんだ?」
「おー。こういう依頼、けっこうありそうなんで作ってみたんだ。1枚につき1発、かたきをたたく券だ」
「なんだよ・・・それ・・・役にたつのか?」
「10枚なら10人、20枚なら20人、わたしがたたいてやる券だ!どうだ!何人いても大丈夫だろ?」
うーん。「大丈夫」の根拠がまったくわからん。
なのに、
「券は30枚つくってきたから。30人まで大丈夫だ」
まぁ、そう本人が言っているんですから、ここはひとつ、
「わ、わかった。じゃ、それ使わせてもらうよ。か、かたきたたき券」
僕が受け取ろうと手をのばすと、西条くんが券をひっこめます。
「え?有料なのか?」
「あたりまえだろー。これで俺は億万長者への道を駆け上るのだ!」
「商売かよ・・・。で、1枚いくらだ?」
「10円」。
「よし!30枚全部買うぞ。かたきたたき券」
「やった~~~~~!」
喜んでますが、億万長者になるには東京都民全員分たおさなきゃいけない、というのをわかってるんでしょうか?西条くん。
それにしても友人の足下につけこんで金とるなんざぁ、とんでもないやつです。
「あ。でも相手15人しかいないかも知れないから、半分返す」
「ああ。余分な分まで買わなくっていいぞ」
「じゃ、150円返してくれよな。これで15人」
「これで15人だ。150円返す」
「そいじゃ、こっちの券は今使うから。これでもう15人」
「もう15人な」
「合計で何人だ?」
「30人」
「ん。じゃ、30人たのむわ」
「おう!まかせとけ!」
「ところで、今やった15枚ぶん、150円は?」
「あ。そうだな。もう150円返してと・・・・」
「そうそう」
「あれ?手元に1銭も残ってないんだけど?」
「券受け取ったんだからあたりまえだろ?それを売ればいくらになる?」
「300円」
「つまりお前の手元には、300円ぶんの有価証券があるってことだ。有価証券は金と同じだ」。
「あ。そうか。これで300円の価値があるんだよな?」
「そう。お前の手元に300円。僕の手元には0円。合計で?」
「300円」
「30人で300円。ほら。おかしくない」
「あ、そうか!」
「じゃ、がんばって30人ぶんたたいてこい!」
「おう!まかせとけ!」
西条くん。億万長者への道のりは遠い。
「それにしても河野たち遅いなぁ」。
「さっさと行かないと早苗さんやられちゃうぞ。行こ!」
「あ!」
「なんだよ。まだなんかあるのか?」
「河野にはお守りのこと話しちゃったんだ」
「え~~~~~?」
「だって一緒に競馬行くことなってたからよー」
「聞いてないぞ!」
「じゃ、久保。お前のよこせよ!」
「え!冗談じゃねぇ。絶対やるもんか。お前のやれや!西条」
赤ベコと知らず仲間割れ。
「う~~~~~ん」
西条くん。考え込みまして
「しかたないや」
「こらこら!なにズボンに手ぇつっこんでる!?」
「え。だから河野には俺のやるから」
「え~~~~~!お前のって、お前の?」
「おう。ギミックだ!」
「いや・・・いくらなんでもお前のって・・・」
「こうやって丁寧につつめば区別つかねぇって!」
そう言いながらティッシュにつつむと
「ほら!そっくりだ!」
おおおおお。
ほんとにそっくりだ!
ティッシュだから。
「わははは。河野、俺のとも知らず大切にするぞ」
こうして根底では騙し合いの僕たち。
ギミックの友情。
「ほんとソックリだなぁ。で、お前のはどっちだ?」
「はい?」
本人もわかんなくなるほどソックリです。
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- 『マスカレード・BS』第53話 マスカレード(27)
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一番乗り?
さすがママチャリ!見事に西条君を丸め込んでますね。
ギミックな友情だなぁ。
BSのこの緊張感のなさに脱力です(^_^;)
でもおかげで憂鬱な気分もふっとびました(笑)
初投稿!
ママチャリの言いくるめ方素晴らしいなぁ(笑)
ありゃ。。。
本当に大切にしそうだなぁ。。。
ここ数回ほど下ネタ多いですねw
でもおもしろいです
西条は詐欺にひっかかってるというかなんというか・・・河野君かわいそう
でもチェリーの毛でもきくのか?
「ところで、今やった15枚ぶん、150円は?」
「あ。そうだな。もう150円返してと・・・・」
「そうそう」。
あいかわらずママチャリはアコギだなぁ・・・(苦笑
さすがママチャリさんですねっ
おもしろかっです
西条くん強いのに馬鹿ですね
あ~あ、悪辣だな~。
騙される方も騙される方ですが。
これなら「ひい、ふう、みい・・・今何時だい?」でも騙せそうだ。
ありゃりゃ
西条くん、やられちゃってる・・・
かたぎたたき券?かたぎの方を殴るのかな?
まっいいや西条くんの手には300円分の有価証券がある。めでたいやっちゃ。
やばいっ!
かたきたたき券に爆笑してしまいました(ノU`、)
騙されてる・・・騙されてるよ西条君。
珍しく良い商売か?と思ったのに。
お守りも赤べコだし。。。
あ~あ~
西条くん自分のがどっちかわかんなくなっちゃった~
でも舐めちゃった後で良かったね!・・・
って元々良くないのか!(笑)
訳あって千葉くんの方が欲しがりそうです。でもこの時はまだみんな知らないんですもんね。千葉くんの一途な想いも可愛くて好きですが・・・。それはまた別のおはなし・・・っと!(笑)
時そば!!(笑)
「今何時だい?」ってなもんですね。
ええっ?! ああ西条くん 納得しちゃってるよ~
西条くんのお馬鹿さん加減がかわいいっ。ふふっ。
(≧∇≦)))ノ彡☆ キャハハ!!バンバンッ!!
かたきたたき券のやり取りのところを何度も読み返して爆笑~!!
「かたきたたき券」、早口ことばみた~い!
かたたたたき券
5回読み返してやっと判った
西条と一緒?(T_T)
かたきたたき券欲しいです~(笑)
しかし西条、二重で報酬を要求するなんて…
しかも東京都民全員ぶちのめさなきゃ
かたきたたき券欲しいなぁ。
西条にはちゃんと有価証券とおまけでギミックあげるから (笑
西条く~~~ん、、、、(笑)
西城が騙されやすいのは
素直だから?それとも馬鹿だから?(笑
さすが極悪非道な頭脳の持ち主w
西条君すっかりだまされてw
かわいそうw
BSは緊張感無くていいですねw
さすが黒い孔明
悪辣大王ですな
↑>会長秘書さん
えっ?
なんで愛しの(笑)千葉くんが欲しがるのかしら?
そんな話ありましたっけ・・・?
1枚1発のかたきたたき券が30枚で30人倒せる…!!
ヤーサンも1人1発で倒せるの?
西条さすがっっ!!
〉アヤ さま
申し上げにくいのですが・・・
残念なおしらせです(笑)
あ~
でもっ
私の口からはとても言えないっ(笑)
どうか12章4~5話をお読み下さい・・・
でも千葉くん素敵ですよね。イケメンでビジネストークで法律強くて。だけど12章4~5話でますます好きになりました。
ママチャリ…。
そりゃあんまりだよ…。
でもオモロいっす。
西条、のび太みたいだ(笑)騙されてる事に気付かないのも流石。発想はいいのに…
軍師悪すぎますよー
???
よく分からん?
そのまんま納得しちゃった・・・
西条と一緒かよ!!
西条くん・・
ママチャリさんのてのひらの上で、いいように転がされちゃってる・・
しかも、気がついてないし・・(笑)
にくめないなぁ~~♪
孝昭くん、よっぽど来たくないんですね~♪
おねぇさんの前では絶対逆らえない孝昭くん、かぁわいい~~♪
何にも知らないほうがいいな・・・。
久保君とか西条君とか…。
別にこの「かたきたたき券」いらないと思う・・・。
???これで騙される人はいない・・・よなぁ?
自分の所持金すら出しかねない勢い。将来が心配だ。
とりあえずそれ母の日に間違えて渡さないように。(笑)
ママチャリが頭良いのか西条くんがバカなのか……
さすがママチャリさんっすね\(^O^)/
でも…騙されちゃう西条くんも西条くんだよねーっ(・∀・)
お欄さんと花ちゃんゎどうなったんでしょうかねぇ?
西条く~ん・・・・・ まぁいっか。
ギミックな友情って・・・また心にもない事を言っちゃって。
西条く~ん、ギミック・・・わかんなくなっちゃったの?
西条くんの億万長者への道のりはものすっごい長そうですね。生きてるうちになれるかな・・・
ママチャリくん、相変わらず口がうまい(笑)
この勢いで話されたら私も絶対騙されます。
西条くんは…。あははは(笑)
ままちゃり君・・・ 詐欺師になれるっ!
有価証券のことは知ってたんですね、西条君(笑)
でも、かたぎたたき券じゃ、銀行でも相手にしてもらえないぞよw
>くろわっさま
昨日は横レスだけのコメ投稿してごめんなさいだぉ
西条君があわれに思えてきた。
ママチャリ君……あくどい……さすが「インテリアヤクザ」と後にあだ名される男!
>会長秘書さま
ありがとうございました!見ちゃいました!
12章はまだ読み返してないし、かなり前なので、すーっかり忘れてました。
読み返したら、何て切ない(><;;
でも素敵ですね、このエピソード。あ~~~~~~~(涙)
ちょっとヤンチャなところもよいんですよねー。彼は。
千葉くんがお守りを知ったら確かに欲しがるんでしょうけれど、
ホントに本気で欲しがるより、途中で照れから手ぇ引っ込めちゃいそうな気がします。
妄想コメント、失礼しました~mm
くろわっさま。も一回だけごめんなさい!
〉アヤ さま
〉途中で照れから手ぇ引っ込めちゃいそう
あ、そうかも(笑)
12章ではほんと、きゅぅぅ・・・んだったなぁ
そんなに母性本能くすぐるタイプと思ってなくて。ビジネストークだし法律通だし何と言ってもばす~~~んだし(笑)
でも男の子の秘めたる想いって女の子のそれとは又違って良いな~って。
この数日お欄さんのスケ番としての顔とか歌詞に感動する可愛い所とか読んでて、五十嵐さんと千葉くんはほんっと女見る目あるな~って思います。
しかしここまで思い巡らす元が「お守り」ってのがまた・・・(笑)ぼくちゅうだよなぁ(笑)
西条くんだまされちゃった(ρ_<)
売る西条くんも西条くんなら、だますママチャリさんもママチャリだ(笑)
ほんと、みんなそんなことやってる場合じゃないから(笑)
西条……アホすぎるよ……
軍団メンバー、どんどん参加してきますねw
有価証券というか・・・オプション取引みたいですねぇ・・・。
大丈夫だよ、西条くん。
かたきをたたく、権利は君のものだ!
こらこらこらぁー!
どこぞの外国人の”両替詐欺”みたいなことしてぇ!
両手両足の指全部つかっても20本=20円までしか、計算できないんですぅ。
もちっと、わかりやすく、ダマしの手口、お願いしまっす。
西条……憎めない。
西条………かわいいよ!!
しかし高校生になっといて肩たたき券ってなぁ……でもお母さん思いだけど。
親を大切にするのはいい事だなぁ。西条いい子いい子。
みんな忘れてるなぁ……誰もが恐れる西条って事を忘れさせるくらいかわいいわぁ。
西条…人がいいよ。
絶対将来壺買わされるよ…
ママチャリくんって、すんげ~悪辣!
結局西条くんが無料になってるし・・・・。
あはははは
映画「ペーパームーン」を彷彿させる見事な話術ですね。
しかし・・・・・・・本人にも判らないほど(当たり前か)精巧な偽物・・・。どうしましょう(笑)。
↑ペーパームーンは私の初恋のテイタムちゃんが出てました。
私もこの詐欺師達の集いで映画を思い出しました。
ママチャリのタカさん譲りの話術、すごいですね・・・。詐欺師も夢じゃないですよ(笑)
・・・もう詐欺しまくってますか・・・。