ぼくたちと駐在さんの700日戦争

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第20話 預金者たち(4)


「じゃぁさぁ・・・・・」

作戦に対する、最初のみんなの反応は‥

「えええええええええ？」

「そ、それってあまりにすごすぎないか!?」

でした。

もちろん僕も、闇雲に提案したわけじゃなくって、

「でもチャーリーの叔父さんが支店長だろ？仲いいのか？」

「あー、ウン」

「じゃぁ、チャーリー先頭なら、なんとかなるじゃん」

「た、たしかに・・・・めっちゃくちゃおもしろいけど・・・・・」

「大丈夫だよ。割り箸だもん」

「まぁ・・・割り箸、だよな。確かに」

「いやー、面白い！お前、天才だ！」
「さすが神童タカさんの息子！」
「うん、天はなんでこんなやつ世の中につくっちゃったのかな」
「なんかのミスだよな」
「神様の過ちだな」
「原爆つくるやつもいるわけだな」

褒め方、だんだん変化してないか？お前ら。っつうか、最後は悪口になってるぞ。こら！
だいたい悪戯でアインシュタイン引き合いに出すな。

「それで・・・みんな、やる？」

「おー！やるとも！・・・ってチャーリー次第か・・・。」

「うん。まかせとけ！」
チャーリーが、胸をたたきました。


「おおお！たよりになるなー。チャーリー！」
「うん。チ○ポちっちゃいのに、肝でっかいな」
「うん。皮かぶっててもやる時はやるもんだ」
「肝も皮かぶってるのかな」

「うるせ～〜〜〜〜〜!!」

まぁまぁ・・・・。

今まで行って来た数々の悪戯でも、ノッポさん部隊であるチャーリーが主役になるってことはありません。
言わば「初の晴れ舞台」

「じゃぁ、決行は明後日！」

「お━━━━━━━━!!」


翌日。
僕たちは、西条くんにばれないように準備を始めました。
小道具の製作は、ノッポさん部隊が。道具の運搬は孝昭くんたちが。こういう時の手際のよさは、天下一品の僕たちです。
が、いつも一緒の西条くんにバレないように動くのは、かなりしんどいのも確かでした。

──準備風景です。

「なぁ。割り箸、これで足りるか？」
「ああ。十分だ。っていうか、割り箸以外ないもんかな？」
「別にいいじゃん。なんだって」
「じゃぁ、それノッポさん部隊に渡して」

「なぁ、鎧兜、僕が着なきゃだめか？」
グレート井上くん。
今はなつかしき『俺たちはカメ』で捕まって以来、かなり懲りたようです。

「んーーー。久保にでも着てもらえ。アイツ着たがってたから」

「ああ。助かるよ」

「それからこれ。夕子のパンストなんだけど・・・」
「あ！馬鹿！井上‥！」

『夕子ちゃんのパンスト』この単語に孝昭くんたちが反応しないわけがありません。うかつでしたグレート井上くん。

「なに？夕子ちゃんのパンスト!?」

ほら・・・・・

「井上～！お前やっと理解できたんだな〜〜♪」

「な、なにをだ？」

愚問です。グレート井上くん。

とたんに始まるパンスト争奪戦！

「お、俺によこせ！こら！」
「バカヤロー！これは孝昭でもゆずれねーぞ！」
「お、お前ら、友達の縁切るぞ！」
「ああ。切りやがれ！青春で一番大切なものは友達よりパンストだ！パンスト！」

情けない青春です。

「バカ！履いたのもってくるわけあるか！新品だ！新品！」

「なぁ～んだ～〜〜〜〜〜」
「短い青春だったぜ・・・・」
「新品に価値はない」

一同ガッカリ。と、思ったら。
ここで、さすが孝昭くん。ひるみません。

「え。新品でもいいじゃん。返したら夕子ちゃんが穿くんだからよ」

「そ、そうか！すい液とかつけちゃおうかな？俺」

予想外な前向き思考にグレート井上くんもグレートにビックリ！

「な・・・・！」

「お、おれなんか精○つけちゃうぞ！」

「え・・・。さすがにそれは・・・・」
「夕子ちゃん妊娠したら困るし・・・」

まぁ、エ○本で勉強したやつはこの程度でした。男子高校生。

「するわけねーだろっ！」

「だいたい、お前らが身につけた物を夕子に返すわけないだろ。そのまま孝昭にやるから」

正論と言えばあまりに正論。

と、グレート井上くんのひとことで決着すると思いきや

「え？孝昭穿くの、俺なめちゃったワケ？」

「舐めたのかよ!!」「いつの間に・・・！」

僕たちは、この騒ぎのさなか、修学旅行のことなど、すっかり頭から消えていたのでした。



────最低最悪の事件発生まであと1日　★


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