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第11話 私をデートにつれてって(1)
さて。そんな話をしたつい翌日の放課後ことです。
おかげさまをもちまして、駐在さんの学校への「ちくり」もなく、修学旅行も安泰。
「ゆ、ゆき姉とデート~?」
「そ、そんなんじゃねーよ!ただ日曜日に2人で会おうか、って夕べゆき姉が・・」
「だから、2人で会うのをデートって言うんだよ」
「え?え?そうなのか?」
「コイツ知らねーんだよ。馴れてねぇから」耳打ちする久保くん。
「な、なんだと!馴れてないことないぞ!こないだだってミカと・・」
「いやいや・・・西条。ミカちゃんとのはデートって言わないぞ?それ”保育”に属するから」
孝昭くんは、悔しそう。
「くっそー!なんで西条ばっか!俺と夕子ちゃんでさえまだなのにっ!」
でも、
「いや。だから孝昭。それは一生ないから」
「っていうか、お前は一生のうちでデートそのものできるか心配したほうがいいぞ」
悔しがり方が間違っています。
「それにしても。こないだの井上と言い、なんだって年上ばっかなんだろうな?」
「ああ。そうそう。井上さぁ。まだ美奈子さんとアレコレ続いてるらしいぞ」
情報通の久保くん。
「な、なんだってぇ!?」
この報告には、みんなびっくりでした。
「じゃ、じゃぁなんだったワケ?あの、俺らのモライナキは」
「まぁ、実ったってのとは違うみたいだけどな。それで井上、美奈子さんと同じ大学受けるみたい」
「え!美奈子さんの大学ってめちゃくちゃ高くないか?東京○科大だろ?」
「うーん。でも、あいつ学年ナンバーワンだし。がんばればいけるんじゃない?」
僕は、グレート井上くんが美奈子さんの大学を受けることよりも、「受験」という言葉が、僕たちの口から出て来ていることが、少しさびしく感じました。
「そっか・・・・。でも、それはそれでよかったよな。電車ジャックまでしたんだからさ」
「うんうん。あれバスだったら大犯罪だったもんな。めでたし、にしとくか」
それにしても西条くんです。
「そ、そいでさ。お前、こんどの日曜、つきあってくんない?」僕に向かって言いました。
「はぁ?それじゃデートになんないだろ?」
「だってよー。幼なじみっつったって相手は大人だろ?なにしゃべっていいか俺・・・」
「なんだよ。今から緊張してるのかよ」孝昭くんが茶化します。
僕としては、
「やだよ。僕、ゆき姉って、お前の話でしか知らないもん」
「いや・・テキトーに裏側でさ。サイジョーかっこいい!とか、よ!イロオトコ、とか言ってくれるだけでもいいからさ!」
「それ、タイコモチじゃん。なんで僕がお前のタイコモチしなきゃいけないわけ?」
「いやいや。イタコじゃなくってさ。背後霊はいるからいらないんだ。会ったことないけど」
「タ・イ・コ!」
もう西条くんに日本語の説明をするのはたくさんです。
孝昭くんの忠告。
「やめとけよ。西条。こいつつれてったら、ゆき姉、とられちゃうぞ。こいつに」
「なっ・・・・・!誰が!」
「美奈子さんだって最後っころあやしかったしさー。夕子ちゃんも村山とか言いながら、どうもこいつに対する態度特別だしな」
「なんだとーーー」
好き勝手言いやがって!
「だってそうじゃん。こないだ井上んち行ったときも、夕子ちゃんが出したコーラお前だけ氷多かったしさ」
「ありゃお前らが”氷多いやつは中身少ない”とか言って、先に氷少ないやつとったんだろーが!」
「あ、あれ?そうだったっけ?」
テメェらのいやしさ棚に上げてコイツっ!
しかし西条くん、
「うーん。しかしその心配はある・・・。お前、口うまいからなぁ。そういうことしないならつれてってやるぞ?」
「だから、一人で行けよっ!誰がつれてってって言ったよっ!」
しかし日曜日。僕は結局西条くんの家にいました。
「ふ、服おかしくないか?」
「さっきから何度同じこと聞くわけ?」
「う、うん。それよりもさ。お前。俺よりカッコイイと困るから。黒子の服とか持ってないのか?」
持ってるわけねーだろっ!
あれこれ悩み、ようやく家を出る西条くんと僕。
「な、なんかプレゼント買ってったほうがいいよなっ!」
「ああ。いいんじゃない?」
「やっぱあれかな。ハムとかかな」
ハム??????
「お前、それ孝昭から聴いたろ」
「え?な、なんでわかるんだ?なんか、ハムってさ、想いが叶うんだって。孝昭が肉屋さんから聴いたらしい」
また肉屋のオヤジの犠牲者です。
あの肉屋、ジャムおじさんみたいな善良な顔してとんでもねーくわせもんです。
「あのな。お中元じゃないんだから、デートにハムとか豚バラとか持って行かないぞ。普通」
「そ、そうなのか?なにしろさー。ミカ以外は初めてだから」
どうしてもミカちゃんとの”保育”を「デート」に数えたいようです。西条くん。
結局、西条くんは、僕のすすめで小さなブローチと花を買いました。
花は「花束」ではなく小鉢です。
まぁ、ハムや豚バラよりはましでしょう。
そして待ち合わせの駅に到着。私服のゆき姉は、前回、和菓子屋で会ったときよりも、はるかに奇麗でした。
「西条!」
「ゆき姉!」
感動の再会です。
ゆき姉は、すぐに僕に気づきました。会釈する僕。
「コ、コイツさ。どうしてもついて来たいって言うんでつれてきたんだ。俺の・・・その、高校のイタコ」
「イタコ?」

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第11話 私をデートにつれてって(1)
さて。そんな話をしたつい翌日の放課後ことです。
おかげさまをもちまして、駐在さんの学校への「ちくり」もなく、修学旅行も安泰。
「ゆ、ゆき姉とデート~?」
「そ、そんなんじゃねーよ!ただ日曜日に2人で会おうか、って夕べゆき姉が・・」
「だから、2人で会うのをデートって言うんだよ」
「え?え?そうなのか?」
「コイツ知らねーんだよ。馴れてねぇから」耳打ちする久保くん。
「な、なんだと!馴れてないことないぞ!こないだだってミカと・・」
「いやいや・・・西条。ミカちゃんとのはデートって言わないぞ?それ”保育”に属するから」
孝昭くんは、悔しそう。
「くっそー!なんで西条ばっか!俺と夕子ちゃんでさえまだなのにっ!」
でも、
「いや。だから孝昭。それは一生ないから」
「っていうか、お前は一生のうちでデートそのものできるか心配したほうがいいぞ」
悔しがり方が間違っています。
「それにしても。こないだの井上と言い、なんだって年上ばっかなんだろうな?」
「ああ。そうそう。井上さぁ。まだ美奈子さんとアレコレ続いてるらしいぞ」
情報通の久保くん。
「な、なんだってぇ!?」
この報告には、みんなびっくりでした。
「じゃ、じゃぁなんだったワケ?あの、俺らのモライナキは」
「まぁ、実ったってのとは違うみたいだけどな。それで井上、美奈子さんと同じ大学受けるみたい」
「え!美奈子さんの大学ってめちゃくちゃ高くないか?東京○科大だろ?」
「うーん。でも、あいつ学年ナンバーワンだし。がんばればいけるんじゃない?」
僕は、グレート井上くんが美奈子さんの大学を受けることよりも、「受験」という言葉が、僕たちの口から出て来ていることが、少しさびしく感じました。
「そっか・・・・。でも、それはそれでよかったよな。電車ジャックまでしたんだからさ」
「うんうん。あれバスだったら大犯罪だったもんな。めでたし、にしとくか」
それにしても西条くんです。
「そ、そいでさ。お前、こんどの日曜、つきあってくんない?」僕に向かって言いました。
「はぁ?それじゃデートになんないだろ?」
「だってよー。幼なじみっつったって相手は大人だろ?なにしゃべっていいか俺・・・」
「なんだよ。今から緊張してるのかよ」孝昭くんが茶化します。
僕としては、
「やだよ。僕、ゆき姉って、お前の話でしか知らないもん」
「いや・・テキトーに裏側でさ。サイジョーかっこいい!とか、よ!イロオトコ、とか言ってくれるだけでもいいからさ!」
「それ、タイコモチじゃん。なんで僕がお前のタイコモチしなきゃいけないわけ?」
「いやいや。イタコじゃなくってさ。背後霊はいるからいらないんだ。会ったことないけど」
「タ・イ・コ!」
もう西条くんに日本語の説明をするのはたくさんです。
孝昭くんの忠告。
「やめとけよ。西条。こいつつれてったら、ゆき姉、とられちゃうぞ。こいつに」
「なっ・・・・・!誰が!」
「美奈子さんだって最後っころあやしかったしさー。夕子ちゃんも村山とか言いながら、どうもこいつに対する態度特別だしな」
「なんだとーーー」
好き勝手言いやがって!
「だってそうじゃん。こないだ井上んち行ったときも、夕子ちゃんが出したコーラお前だけ氷多かったしさ」
「ありゃお前らが”氷多いやつは中身少ない”とか言って、先に氷少ないやつとったんだろーが!」
「あ、あれ?そうだったっけ?」
テメェらのいやしさ棚に上げてコイツっ!
しかし西条くん、
「うーん。しかしその心配はある・・・。お前、口うまいからなぁ。そういうことしないならつれてってやるぞ?」
「だから、一人で行けよっ!誰がつれてってって言ったよっ!」
しかし日曜日。僕は結局西条くんの家にいました。
「ふ、服おかしくないか?」
「さっきから何度同じこと聞くわけ?」
「う、うん。それよりもさ。お前。俺よりカッコイイと困るから。黒子の服とか持ってないのか?」
持ってるわけねーだろっ!
あれこれ悩み、ようやく家を出る西条くんと僕。
「な、なんかプレゼント買ってったほうがいいよなっ!」
「ああ。いいんじゃない?」
「やっぱあれかな。ハムとかかな」
ハム??????
「お前、それ孝昭から聴いたろ」
「え?な、なんでわかるんだ?なんか、ハムってさ、想いが叶うんだって。孝昭が肉屋さんから聴いたらしい」
また肉屋のオヤジの犠牲者です。
あの肉屋、ジャムおじさんみたいな善良な顔してとんでもねーくわせもんです。
「あのな。お中元じゃないんだから、デートにハムとか豚バラとか持って行かないぞ。普通」
「そ、そうなのか?なにしろさー。ミカ以外は初めてだから」
どうしてもミカちゃんとの”保育”を「デート」に数えたいようです。西条くん。
結局、西条くんは、僕のすすめで小さなブローチと花を買いました。
花は「花束」ではなく小鉢です。
まぁ、ハムや豚バラよりはましでしょう。
そして待ち合わせの駅に到着。私服のゆき姉は、前回、和菓子屋で会ったときよりも、はるかに奇麗でした。
「西条!」
「ゆき姉!」
感動の再会です。
ゆき姉は、すぐに僕に気づきました。会釈する僕。
「コ、コイツさ。どうしてもついて来たいって言うんでつれてきたんだ。俺の・・・その、高校のイタコ」
「イタコ?」

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- 6章:第12話 私をデートにつれてって(2)
- 6章:第11話 私をデートにつれてって(1)
- 6章:第10話 西条!武器をとれ!そして立て(5)
西条君は日本語苦手?(笑)
くろわっさん、私も話したい人がいるんですけど
昨日もだけど、早く寝ないと仕事に障りますよ。お身体ご自愛ください
今日も一番乗り、にがしちゃいました(泣
こんな深夜に・・・。ワタシマケマシタワ。
す、すいませ~ん。午前2時アップのはずが4時すぎまして・・・。
寝てました(笑)。それも爆睡。
あー。話したい人ね。いいですよ。ジョンレノンとかダメだけど。
日本語の人なら。
だから1番乗り、なんの特典もありませんから~。
わたしまけましたわ
回文ですね。なつかしい。
おかしがすき すがしかお
みんなから怖がられていた西条君も、
ゆき姉に会う前から緊張して。。
可愛いとこあって高感度、更にアップ!
いつの時代も男の子の方が純情なんですね。
我が愚息も、4年間の恋愛に失恋して大泣きしたことがありました。親ばかですか、もらい泣きでした。
失恋は人を優しくしてくれます。
ところでこれは、西条君の恋なんでしょうか???楽しみ。
いつも楽しく読ませていただいております。。
わたし、会社でこっそり小窓をひらいて、読んでるんですね。
だから、テキストを読んでスクロール・クリックすると、、、
急にイタコ画像だったりするわけです。はい。
まじ、吹き出してしまいました(汗)
最近、豚バラって聞くだけで笑えちゃう。
どうしましょ。。。~笑
私もmamiさんと同じく会社で小窓開いて読んでます。
まったく同様イタコ画像でふきだしました。となりの人が「なに?」って。困っちゃいましたよ^^;
全国にはおんなじ人いるんだなぁ、って。コメント読んでまた吹き出して・・・・。
西条君のデートたのしみです!ガンバレ西条!
オカシガスキスガシカオ。回文だ。どうでもいいけど。
彼女との初デートのこと思い出しました。ハムは持って行かなかったけど。
ああ。いいですねー。息子の失恋に同調する母。
でも、失恋するとやさしくなりますかねぇ・・・。
すっげーいじけ虫になった記憶はありますが・・・。
当時の高校生なんてほんと純情なもんでした。エ●本とかいっぱい見てたくせに。
今思えば、実際には手もにぎったことないくせに、エ●本って、すっごい一足飛びですよね。
はじめまして!ようこそおいでくださいました。
ああ・・・小窓。想定していませんでした。
職場で読まれていらっしゃるかたは多いみたいですけどね。
が、なんかそのほうが面白そうなので、さっきやってみました(笑)。
なるほど!
ちなみに、このイタコ、プラモデルなんですけど、どういう人がどういう客層をマーケティングして作ったか謎です。
いくつ・・・売れたんでしょうねぇ?
はい。出席確認しました。
豚バラねぇ。そういうのって困りますよねぇ。
スーパーで、「豚バラ見て笑ってる女」。誰もちかよらないかも知れません。
小窓族。なんか新しい単語として流行りそうですねぇ。
西条くんのデートですねぇ。これがとんでもないデートだったわけです。いつもながらに。
楽しみにしてください。
あー。浪人はデートなんかしてる場合じゃないと思いますよ。
悪いこといいませんから、その「彼女」は、いったん私にでもあずけてですねぇ。勉強にはげんでください。
今年大学受かりました、って、あっちでも何度も書いてますけど。
彼女,あずかっていただかなくとも大丈夫です。足りてます。せっかくのご親切ですが。
ママチャリにあずけるととられちゃうみたいですから。
そんな、人の事、ハンサムでカッコ良くて、いい男みたいに言いやがって!
その通りだったらどうするつもりだ!?
この章が始まった時には修学旅行が楽しみだったのに、なんだかそれどころじゃなくなってますよね。まずはデートですが、旅行も楽しみにしてて大丈夫でしょうか?
展開が気になります。
修学旅行はですねぇ。駐在さんいませんからほとんど登場しません。
そらぁ、いろいろやらかしましたが、番外編でしょうね。
ただ、僕たちには「旅の恥はかき捨て」みたいなのを許さないポリシーみたいなのがありましたから、町でおこした事件の数々に比べたらたいしたことありません。
もうひとつにですねー。京都の地理を覚えてない(笑)。
清水以外、寺、区別ついてません。
旅行中、この話の元ネタの日記つけてませんからねー。
ほんの一瞬修学旅行、出て来ます。予定では。
メインはゆき姉です。驚く展開です。なんてったって最大の事件ですもん。
西条さんw面白すぎるwwww
でも、あんな過去があったんですね。。
ゆき姉さんとのデート(?)の続きが気になりますっ
欠席長かったですね~。
え?モスラのバイトしてるんでしたっけ?
あー。そらぁしょうがないですね。
あの幼虫の動き、たいへんそうですもんね。モスモスって。
あれって、どうやって糸はいてるんでしょうねぇ。あとで教えてください。あとサドルの返事と(笑)。
イタコ、作った人の意図は?ですが、
客層としては、
・イタコを、こよなく愛している人。
・口寄せで、ジミヘンと話したことがある人。
・CGで描くより、楽と考えた人。
などなど・・・。
私、てっきりCG(くろわっさんの
1分間ほど、見つめちゃいましたよ~。『ペコちゃんの生首』の時と同じように・・・。
イタコ~!!
恐山に行っても、大祭のときじゃないと会えません!
>ちなみに、このイタコ、プラモデルなんですけど、どういう人がどういう客層をマーケティングして作ったか謎です。
いくつ・・・売れたんでしょうねぇ?
それはそれで気になりますけど、
くろわっさんがいつ・どこで・どのように・なんのために・いくらで
手に入れたのかが、もっと気になります(笑)
「公害ブルース」といい、人が持ってなさそうな物いろいろもってますねぇ~。不思議。
おはようございますぅ。
今日は金曜日気を引き締めて仕事しようと、思っていたのに・・・。
”ぼくちゅう”またはまってます。
西条君デートはやっぱり2人か、ダブルデートて事で男女2人づつか・・・?
ママチャリさんは”イタコ”なんですから、天国からキレイなちょっと年上の、女性を自力で呼んだのかなぁ?????
一気に読んでます。
東京●科大学の学生です(笑)
●には色んな文字が入りますが(医とか理とか薬とか)…、記念ということでコメントします。
私は坊っちゃんの大学です。
とても面白い作品をありがといございます。
色付きの文字おもしろいです!
西条さんにも恋の季節がきてたんですね
ゆき姉ーみたいな姉が欲しいどすー。@@
ママチャリさん、日記つけてたんですね。
可愛い~♪ マメ~! さすが軍師!
肉屋のオヤジさん、愉快すぎます。
『俺の・・・その高校のイタコ・・・?(笑)』西条くんウケる!