←第8話へ|第10話 西条!武器をとれ!そして立て(5)へ→
←【50000アクセス御礼】へ
第9話 西条!武器をとれ!そして立て(4)
「ゆきー!テメェ、覚えてろよ!」
青柳たちが、捨て台詞を言いながら逃げて行きます。
「おー。いつでも来い!まがりチ○ポ!」
「え!?ちっ!ちっくしょう!な、なんで知ってやがる?」
なんで知ってるんでしょう?
「ゆきねえ・・・」
涙と泥で顔をグシャグシャにした西条くんが、ゆき姉に掴まっています。
「だいじょぶだったか?西条」
西条くんは、コクコクとうなづきました。
が、実際は、あちこちに打撲と擦り傷があり、とうてい大丈夫という状態ではありません。
「どこやられたんだ?見せてみろ」
ゆき姉は、カットバンを1枚とりだすと、西条くんの顔の傷に貼ってくれました。
もう、何度めのことでしょう?
「西条。お前もさー。少しは強くなんないとな」
「ウン。ウン」
泣きながらうなづくものの、小学1年生が、5年生それも複数に勝てるわけなどないのであって。
それは、ゆき姉も、もちろん分かっていることでした。
青柳たちの下級生イジメは、執拗で、ずいぶんと長いこと続いていました。
先生に言いつけようが、ゆき姉がコテンパンにこらしめようが、改心する気配がありません。
西条くんは1年生ですから、ゆき姉や青柳より下校時間が早いのですが、土曜日だけは違いました。
全学年が一斉に午前授業で終わります。
西条くんは、青柳と出くわす可能性の高い土曜日が大嫌いでした。
このため、いつも、ゆき姉が出て来るのを隠れて待って、一緒に下校していたのです。
ゆき姉に手をつながれた西条くん、
「ゆき姉。練習すれば、ゆき姉みたいなキック、できるようになるのかな?」
「ああ。できるぞ。西条、才能あるもん。がんばればアタシ以上のキックできるよ」
「ホント?」
実際、ゆき姉のキックは絶品でした。それは鳥が舞うように美しく、しかも正確です。
この強烈なキックに青柳たちはすこぶる手をやいていました。
「・・・・でな。2学期も終わるかってときに、ゆき姉、とうとう爆発しちゃってな。青柳たちを立ち上がれないとこまでうちのめしたんだ。アイツらのパンツまでとりあげてな。おかげで、アイツら、すっかり大人しくなってさ。それからしばらく安泰な日が続いたんだ。思えば、あの期間だけだったよ。小学生らしい、楽しい生活送れたの」
西条くんの話は続きます。
やがて西条くんは2年生になり、ゆき姉は最上級生の6年生に。当然青柳も6年です。
西条くんも、道場に通って2年目。1年の時よりは、ちょっとだけ強くなっていました。
────そんなある日のことです。
「おい。西条。待てよ」
青柳が3人の仲間を連れて、西条くんの前に立ちふさがりました。
「な、なんだよ!やるのかよ!」
西条くん。習いたての空手の構えをしました。
「なんだ?今日は”ゆきね~”はないのか?」
「こいつ、構えしながらふるえてやんの」
「あははははは」
青柳たちがはやしたてます。
「もうなぁ。俺たちも柔道習ってっからよ。ゆきにやられっぱなしじゃないぞ」
「ウソだっ!ゆきねえ、強いもん!オマエらになんか負けないもん!」
反発する西条くん。
「いくら強くても、所詮女は女だからな。今日決着つけてやるからよ」
確かに、青柳たちは半年前と比べてずいぶんと大きくなっていました。
いわゆる「育ち盛り」で、この時期に女子と男子の体格差はたいてい逆転します。
「4人もなんてずるいぞ!」
「うっせーなー。ケンカにずるいはねーんだよ。いいからゆき、呼んで来い!いつもみたいに”ゆきね~”ってな!」
「イヤだっ!」
「なんだと?このガキ。さからうのか?」
「まぁいいや。いずれにせよ、ゆきがここ通るのは確実だからな。こいつこづいて待ってりゃ来るだろ」
西条くんは、すぐ道路沿いの家の新築現場にひきずりこまれました。
「・・・・青柳はさぁ。よその学校のヤツ応援につれてきてたんだ。同じ道場のダチらしかったが。こいつもろくなヤツじゃなかった。鹿目(かなめ)って呼ばれてたな」
「ゆき姉は来たのか?」
「まぁ。通学路だからな。もう俺は、その頃、チキンっていうやつをやられててな・・・・。こうさ、こづきまわして倒れたり座ったりする前につかまえてな。まぁ、バスケットのパスみたいなやつを人間でやるんだよ」
「・・・・ヒデェな。そりゃ」
「ああ。2年生相手だからな。最低だな。やられるほうはそのうち疲れちゃうんだよ。泣いてるから呼吸も荒いしな」
やがて西条くんの声を聞きつけた下校途中のゆき姉が現れました。
「青柳ぃ!こりないやつだなオマエ!」
「お!待ってたぞ。ゆき。今日はお前にケリつけてやるからな」
「蹴られるの間違いだろ。バカ。西条、だいじょうぶか?」
西条くんはうなづきましたが、例によって「大丈夫」とは、ほど遠い状態でした。
青柳たち4人と、ゆき姉の壮絶な戦いが始まりました。
確かに柔道を習っていたというだけあって、いままでの青柳たちとは、少し違っていました。
体格もよくなっている上に、多人数です。
ゆき姉も、少しは苦戦しているようでしたが、やはりゆき姉のキックの前には、まだ彼らは敵ではないようでした。
しかし。
「ゆきぃ。足あげると、パンツ丸見えだぞ」
「なっ!?」
この言葉で、ゆき姉がひるみました。
そうです。ゆき姉も13歳。
5年の時とは違い、年頃になっていたのです。
その後のゆき姉のキックは精彩をかきました。
この瞬間を青柳たちは見のがさなかったのです。
2人がゆき姉の背後をとると、がんじがらめに押さえつけました。
「ゆき。ここまでだなぁ。お前も」
「くそっ!」
ゆき姉は3人がかりで押さえつけられました。こうなると体格の差は歴然。ゆき姉は身動きがとれません。
「ゆきー。今までは、ずいぶんとやってくれたよなぁー。2度と逆らえないようにしてやっからよ」
ゆき姉は観念したかのように黙りました。
時おり羽交い締めをとこうとしますが、無駄な抵抗でした。
「そうだな。まず、パンツ見せてもらおうかな。ずいぶんと気にしてたようだからな」
「くぅっ」
「パンツなんて言わねーで、脱がせちゃえばいいだろ。そんなもん」
おさえつけていた鹿目が言います。
これを聴いていた西条くんが初めて抵抗しました。
「うおおおおおおおおおおおおお!」
叫ぶと、抑えつけていた鹿目に噛み付いたのです!
「イ、イテテテ!このガキィ!」
激昂した鹿目が西条くんをふきとばしました。
2年生でも小柄な西条くんは、思いっきりとばされ、新築の土台にしこたま頭を打ちつけました。
「ゆき。今日はさぁ。カメラも持って来てんだ。俺ら」
さすがに狼狽するゆき姉。
「西条、お前も見たいだろ?ゆきねえのアソコ」
「ぎゃははははは」
下品に笑う青柳たち。
幼い西条くんは、どうしていいかわからず、その場に倒れこんでいました。
←第8話へ|第10話 西条!武器をとれ!そして立て(5)へ→
←【50000アクセス御礼】へ
←【50000アクセス御礼】へ
第9話 西条!武器をとれ!そして立て(4)
「ゆきー!テメェ、覚えてろよ!」
青柳たちが、捨て台詞を言いながら逃げて行きます。
「おー。いつでも来い!まがりチ○ポ!」
「え!?ちっ!ちっくしょう!な、なんで知ってやがる?」
なんで知ってるんでしょう?
「ゆきねえ・・・」
涙と泥で顔をグシャグシャにした西条くんが、ゆき姉に掴まっています。
「だいじょぶだったか?西条」
西条くんは、コクコクとうなづきました。
が、実際は、あちこちに打撲と擦り傷があり、とうてい大丈夫という状態ではありません。
「どこやられたんだ?見せてみろ」
ゆき姉は、カットバンを1枚とりだすと、西条くんの顔の傷に貼ってくれました。
もう、何度めのことでしょう?
「西条。お前もさー。少しは強くなんないとな」
「ウン。ウン」
泣きながらうなづくものの、小学1年生が、5年生それも複数に勝てるわけなどないのであって。
それは、ゆき姉も、もちろん分かっていることでした。
青柳たちの下級生イジメは、執拗で、ずいぶんと長いこと続いていました。
先生に言いつけようが、ゆき姉がコテンパンにこらしめようが、改心する気配がありません。
西条くんは1年生ですから、ゆき姉や青柳より下校時間が早いのですが、土曜日だけは違いました。
全学年が一斉に午前授業で終わります。
西条くんは、青柳と出くわす可能性の高い土曜日が大嫌いでした。
このため、いつも、ゆき姉が出て来るのを隠れて待って、一緒に下校していたのです。
ゆき姉に手をつながれた西条くん、
「ゆき姉。練習すれば、ゆき姉みたいなキック、できるようになるのかな?」
「ああ。できるぞ。西条、才能あるもん。がんばればアタシ以上のキックできるよ」
「ホント?」
実際、ゆき姉のキックは絶品でした。それは鳥が舞うように美しく、しかも正確です。
この強烈なキックに青柳たちはすこぶる手をやいていました。
「・・・・でな。2学期も終わるかってときに、ゆき姉、とうとう爆発しちゃってな。青柳たちを立ち上がれないとこまでうちのめしたんだ。アイツらのパンツまでとりあげてな。おかげで、アイツら、すっかり大人しくなってさ。それからしばらく安泰な日が続いたんだ。思えば、あの期間だけだったよ。小学生らしい、楽しい生活送れたの」
西条くんの話は続きます。
やがて西条くんは2年生になり、ゆき姉は最上級生の6年生に。当然青柳も6年です。
西条くんも、道場に通って2年目。1年の時よりは、ちょっとだけ強くなっていました。
────そんなある日のことです。
「おい。西条。待てよ」
青柳が3人の仲間を連れて、西条くんの前に立ちふさがりました。
「な、なんだよ!やるのかよ!」
西条くん。習いたての空手の構えをしました。
「なんだ?今日は”ゆきね~”はないのか?」
「こいつ、構えしながらふるえてやんの」
「あははははは」
青柳たちがはやしたてます。
「もうなぁ。俺たちも柔道習ってっからよ。ゆきにやられっぱなしじゃないぞ」
「ウソだっ!ゆきねえ、強いもん!オマエらになんか負けないもん!」
反発する西条くん。
「いくら強くても、所詮女は女だからな。今日決着つけてやるからよ」
確かに、青柳たちは半年前と比べてずいぶんと大きくなっていました。
いわゆる「育ち盛り」で、この時期に女子と男子の体格差はたいてい逆転します。
「4人もなんてずるいぞ!」
「うっせーなー。ケンカにずるいはねーんだよ。いいからゆき、呼んで来い!いつもみたいに”ゆきね~”ってな!」
「イヤだっ!」
「なんだと?このガキ。さからうのか?」
「まぁいいや。いずれにせよ、ゆきがここ通るのは確実だからな。こいつこづいて待ってりゃ来るだろ」
西条くんは、すぐ道路沿いの家の新築現場にひきずりこまれました。
「・・・・青柳はさぁ。よその学校のヤツ応援につれてきてたんだ。同じ道場のダチらしかったが。こいつもろくなヤツじゃなかった。鹿目(かなめ)って呼ばれてたな」
「ゆき姉は来たのか?」
「まぁ。通学路だからな。もう俺は、その頃、チキンっていうやつをやられててな・・・・。こうさ、こづきまわして倒れたり座ったりする前につかまえてな。まぁ、バスケットのパスみたいなやつを人間でやるんだよ」
「・・・・ヒデェな。そりゃ」
「ああ。2年生相手だからな。最低だな。やられるほうはそのうち疲れちゃうんだよ。泣いてるから呼吸も荒いしな」
やがて西条くんの声を聞きつけた下校途中のゆき姉が現れました。
「青柳ぃ!こりないやつだなオマエ!」
「お!待ってたぞ。ゆき。今日はお前にケリつけてやるからな」
「蹴られるの間違いだろ。バカ。西条、だいじょうぶか?」
西条くんはうなづきましたが、例によって「大丈夫」とは、ほど遠い状態でした。
青柳たち4人と、ゆき姉の壮絶な戦いが始まりました。
確かに柔道を習っていたというだけあって、いままでの青柳たちとは、少し違っていました。
体格もよくなっている上に、多人数です。
ゆき姉も、少しは苦戦しているようでしたが、やはりゆき姉のキックの前には、まだ彼らは敵ではないようでした。
しかし。
「ゆきぃ。足あげると、パンツ丸見えだぞ」
「なっ!?」
この言葉で、ゆき姉がひるみました。
そうです。ゆき姉も13歳。
5年の時とは違い、年頃になっていたのです。
その後のゆき姉のキックは精彩をかきました。
この瞬間を青柳たちは見のがさなかったのです。
2人がゆき姉の背後をとると、がんじがらめに押さえつけました。
「ゆき。ここまでだなぁ。お前も」
「くそっ!」
ゆき姉は3人がかりで押さえつけられました。こうなると体格の差は歴然。ゆき姉は身動きがとれません。
「ゆきー。今までは、ずいぶんとやってくれたよなぁー。2度と逆らえないようにしてやっからよ」
ゆき姉は観念したかのように黙りました。
時おり羽交い締めをとこうとしますが、無駄な抵抗でした。
「そうだな。まず、パンツ見せてもらおうかな。ずいぶんと気にしてたようだからな」
「くぅっ」
「パンツなんて言わねーで、脱がせちゃえばいいだろ。そんなもん」
おさえつけていた鹿目が言います。
これを聴いていた西条くんが初めて抵抗しました。
「うおおおおおおおおおおおおお!」
叫ぶと、抑えつけていた鹿目に噛み付いたのです!
「イ、イテテテ!このガキィ!」
激昂した鹿目が西条くんをふきとばしました。
2年生でも小柄な西条くんは、思いっきりとばされ、新築の土台にしこたま頭を打ちつけました。
「ゆき。今日はさぁ。カメラも持って来てんだ。俺ら」
さすがに狼狽するゆき姉。
「西条、お前も見たいだろ?ゆきねえのアソコ」
「ぎゃははははは」
下品に笑う青柳たち。
幼い西条くんは、どうしていいかわからず、その場に倒れこんでいました。
←第8話へ|第10話 西条!武器をとれ!そして立て(5)へ→
←【50000アクセス御礼】へ
- 関連記事
-
- 6章:第10話 西条!武器をとれ!そして立て(5)
- 6章:第9話 西条!武器をとれ!そして立て(4)
- 6章:第8話 西条!武器をとれ!そして立て(3)
鹿目発見!
>レインビー画伯
そうそう。こいつです。
鹿目発見!!( ̄ー+ ̄)
っと大喜びしたのに……
スデにコメが……
この感情の起伏……表現不能……
っか違うし!!
私は6章復習しただけだし!!
目頭熱いのだって西条くんの過去に感動しただけだし!!
感動ぉ……した………だけですから……
おおー
2周目にして鹿目発見!&初カキコ
>ぷれっそさん
鹿目発見。
おめでとうございます。
>はぐれニタさん こんなところで初登校。
目立ちませんよ?
鹿目発見、おめでとうございます。
ヾ(*`Д´*)ノ゙行け-ッ怒れ-ッ!サイジョー!!
鹿目発見!!
ううう・・・悔しいっ!
ヽ(≧Д≦)ノ ウワァァン!!
ゆき姉はやっぱり乙女なんですネ。
私の昔の中学に青柳君と言う子がいましたが、その子も空手を小学校時代から、習っていましたが、決していじめっ子ではなかったですヨ。
ガンバレ西条!!!!
こうゆうことする鹿目とかを、許せなくなるのは俺がまだガキだからですかねぇ…けど、胸くそワルいっす
このコメントは管理人のみ閲覧できます
鹿目発見!!!!
鹿目発見!!!!!!
小6だったら13歳わありえなくないすか
鹿目発見!・・・・だけど、何故「まがりチ○ポ」知ってるんでしょう?
青柳達、小学生のくせにえげつない。