「いい?井上くんもよく聞いてね?いつまでも吐いてないで」。
グレート井上くんも、好きで吐いてるわけじゃないと思うんですけど・・・。
美奈子さんは、雪の上に、指で線をひいていきました。
「ここがこの保育園。で、右京ってのが停まってたのが・・ここあたりね?」
「はい」。
それは簡略的な地図でした。
「ここが私がセリカを見かけたとこ。前走ってたんだから、同じ方向向いてる」。
「はい」。
「ねぇ。ママチャリくん。こっちから保育園まで最短で来る方法は?」
「え。そんなの簡単ですよ。こっちから左折して左折、で直進、で、到着・・・・。あ・・」。
「そう。全部左折してくるのが一番近い。っていうか私は左折しかできなかったんだけどぉ・・」。
「井上くん。ここからの途中に、ここをバイパスできる道はある?」
「いえ」。
「そうよね。バイパスする道があったとしても左折」。
「でもセリカは私の前で右折してるの。ということは右側になにか用事があったって考えるのが普通でしょ?」
「ええ」。
「それも短距離ね。私より前についたんだから」。
「で・・・。車は普通、左側にとまるから。右折した道路から左、左・・・で、ここを直進で保育園。この円内に目的があったってこと」。
「なるほど・・」。

「右京ってのはここの町の人じゃないんだから、おつかいとかは考えにくい。で、自分の家でもない」。
「この円内には、商店らしき商店はないので買い物はありえない。どこにでもある自販機のためにわざわざ迂回する人間はいない」。
「つまりー、短時間で済む用事。たとえば人を乗せた、とか」。
「で。もし人を乗せたのなら・・・目上の人ね」。
「目上・・?どうしてそう思うんです?」
「だってこの距離でしょ?年下なら大通りまで出てろって言うわよ。普通。その方が早いもの」。
確かに。
「とすると、とにかくそこが一番保育園に近い根城だわ」。
僕たちはぐうの音も出ませんでした。
「まぁ。可能性よ。可能性」。
「でも、この円内に根城があるか、目上の友人がいるとすればぁ~」
「はい」。
「その恵美ちゃんって子の行動はわかるわけよね?ここで」。
そうか・・・。右京たち、当てずっぽうで動いているわけじゃないんだ・・・。
すべて計画的?
「こんな平日に動けるってことは、大学生ね。冬休みだから」
「彼が1年生だから、大学2年生から4年あたり?そういう人がこの円内にいるのよ」。
うーん。美奈子さん。アガサクリスティ~。
でも、この推理が、実は的中していて、僕たちは美奈子さんを心から尊敬することになるのでした。
除:運転。
「あとは明日、ね。すでに彼のパターンはわかっちゃったみたい。私」。
すごい・・・。
本日は3話連続です。
さらに第18話へどうぞ→
グレート井上くんも、好きで吐いてるわけじゃないと思うんですけど・・・。
美奈子さんは、雪の上に、指で線をひいていきました。
「ここがこの保育園。で、右京ってのが停まってたのが・・ここあたりね?」
「はい」。
それは簡略的な地図でした。
「ここが私がセリカを見かけたとこ。前走ってたんだから、同じ方向向いてる」。
「はい」。
「ねぇ。ママチャリくん。こっちから保育園まで最短で来る方法は?」
「え。そんなの簡単ですよ。こっちから左折して左折、で直進、で、到着・・・・。あ・・」。
「そう。全部左折してくるのが一番近い。っていうか私は左折しかできなかったんだけどぉ・・」。
「井上くん。ここからの途中に、ここをバイパスできる道はある?」
「いえ」。
「そうよね。バイパスする道があったとしても左折」。
「でもセリカは私の前で右折してるの。ということは右側になにか用事があったって考えるのが普通でしょ?」
「ええ」。
「それも短距離ね。私より前についたんだから」。
「で・・・。車は普通、左側にとまるから。右折した道路から左、左・・・で、ここを直進で保育園。この円内に目的があったってこと」。
「なるほど・・」。

「右京ってのはここの町の人じゃないんだから、おつかいとかは考えにくい。で、自分の家でもない」。
「この円内には、商店らしき商店はないので買い物はありえない。どこにでもある自販機のためにわざわざ迂回する人間はいない」。
「つまりー、短時間で済む用事。たとえば人を乗せた、とか」。
「で。もし人を乗せたのなら・・・目上の人ね」。
「目上・・?どうしてそう思うんです?」
「だってこの距離でしょ?年下なら大通りまで出てろって言うわよ。普通。その方が早いもの」。
確かに。
「とすると、とにかくそこが一番保育園に近い根城だわ」。
僕たちはぐうの音も出ませんでした。
「まぁ。可能性よ。可能性」。
「でも、この円内に根城があるか、目上の友人がいるとすればぁ~」
「はい」。
「その恵美ちゃんって子の行動はわかるわけよね?ここで」。
そうか・・・。右京たち、当てずっぽうで動いているわけじゃないんだ・・・。
すべて計画的?
「こんな平日に動けるってことは、大学生ね。冬休みだから」
「彼が1年生だから、大学2年生から4年あたり?そういう人がこの円内にいるのよ」。
うーん。美奈子さん。アガサクリスティ~。
でも、この推理が、実は的中していて、僕たちは美奈子さんを心から尊敬することになるのでした。
除:運転。
「あとは明日、ね。すでに彼のパターンはわかっちゃったみたい。私」。
すごい・・・。
本日は3話連続です。
さらに第18話へどうぞ→
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もしかして1ですか?
美奈子さんすごい。
う~ん、美奈子さんさすが。強力な軍師が増えて心強いですね。運転は怖いけど・・・
井上君の愛がさめないことを祈ってます。
美奈子さんの推理、想像と全然違う物でした(>_<)
だてに井上君と左折ドライブしていたわけではないんですね。すごい!
続き 楽しみに待ってまぁ~す
>はい。みなさん
そうです。
実は「左折」「左折」は、きちんと意味があったのでした。
美奈子さんの運転技術はともかくとして・・・。
美奈子さんさすが!
っていうか女の勘の恐ろしさ炸裂!?
さすが美奈子さん・・・。
筋が通った理論の展開がすばらしい。
そして、それが的を得てるってのも!!
運転以外は素敵な方なのにねぇ・・惜しい(マテ
美奈子さん、さすが!賢いですね☆
それにしても『いつまでも吐いてないで』には脱帽です。うーん、壁は厚いぞ井上くん。
美奈子さんすごい!
この推理を上手く解説するくろわっっさんもすごい!!
さて、18話読みにいこっと。
保育園をウサギの絵で描くところが、いい感じです。
美奈子さん、今回も夜中は星を見てるはずなのに、連日全面協力してくれて素敵な方だなぁ…改めて思いました。
美奈子さんすごすぎる!!!
ダテに直進&左折してたわけじゃないんだぁ?!
高校生20人の頭脳合わせても、美奈子さん一人の頭脳に負けそぅ・・・。
オバチャンの頭では想像すら出来ません。
と言う事はなんですかぃ、この保育園の近くに悪の巣窟があると美奈子親分はおっしゃるんですかぃ・・・???
美奈子さんすごすぎる
美奈子さん すごい!
左折ばかりでも地図が頭に入るんですね
理系の頭脳です~♪
羨ましいな~♪
美奈子さん、clever!